脱ケミカルデイズ

身の周りの化学物質を減らそうというブログです。 

ハンバーガーにご用心! 輸入牛肉で日本の子供が壊れてゆく 

2012年11月30日 | 食品

週刊文春2012年11月29日号 ハンバーガーにご用心! 輸入牛肉で日本の子供が壊れてゆく ノンフィクション作家・奥野修司

 前回の記事では、輸入牛肉の危険性を以下の三点について紹介した。

1.アメリカ産牛肉には、肥育に使われた女性ホルモン-エストロゲン-が高濃度で残留している。

2.牛肉消費の増加にともなって、日本人のホルモン依存性がん-乳がんなど-が著しく増加している。増加トレンドは牛肉消費と一致し、アメリカ人の発がん率を追いかけている。3.高氾度の残留ホルモンは、男性の前立腺がんや楕巣がんを増加させている可能性がきわめて高い。

だが、高濃度のエストロゲンが残留するアメリカ産牛肉は、誰にでも均しく悪影響を及ぼすのかというとそうではない。より悪影響を受けやすい年齢というものが存在する。北海道大学遺伝子病制御研究所客員研究員の半田康医師は、「女性なら思春期以前と閉経期以降がもっとも危険」と指摘する。「女性が生殖年齢になると、体内に女性ホルモンが増えてきます。体内に女性ホルモンが充分あるときに、外からホルモン様物質が入ってきても、あまり影響を受けません。しかし、初潮が始まる以前の少女と閉経後の女性は女性ホルモンが非常に少ないため、より大きな影響を受けてしまうのです。今はあまり行われませんが、更年期障害の女性に女性ホルモンを補充する治療法があります。閉経後の女性にこの治療法を行うと、乳がんや子宮がんのリスクが上がるんです」

 (中略)

では思春期以前、つまり性的に未熟な子供が過剰な女性ホルモンを摂取したらどうなるのか。東北大学大学院医学系研究科の笹野公伸教授は言う。

「エストロゲンの影響は、体表面積と脂肪の量に比例します。子供は体表面積も脂肪も少ないから血液にまわる量が増えます。エストロゲンは脳血管も平気でくぐりますから、中枢神経に直接影響します。思春期というのは視床下部、卵巣、下垂体などが機能し始める頃ですから、とても影響を受けやすいといえます」

どんな影響があるのか、実際に子供に人体実験することは倫理的に不可能だが、マウスで実験した人がいる。関西医科大学病理学講座の圦(ゆり)貴司講師らである。

「人間でいえぱ十歳ぐらいの、まだ膣が開口していないマウスにかなりの量のエストロゲンを投与しました。量を増やしたのは短期間で結果を見るためです。結論からいうと、性的に未熟な状態のときにエストロゲン物質を投与すると、生理がきたときは周期が無茶苦茶になり、発情時期が増えるのに卵を作る能力が落ち、不妊の原因になります。つまり、性的に未熟なときに高い濃度のエストロゲン物質が入ってくると非常に危険だということです」(圦講師)

ちなみに、私がある大学病院の教授に、胎児への影響はどうかと訊いたところ、「妊娠すると母体は高エストロゲンの状態になるので、外から多少のエストロゲンが入ってきても問題はない」との答えだった。だが、圦講師にあらためてこのことを尋ねたところ、こんな答えが返ってきた。

今の子は二歳早く成長が停止

「いえ、けっしてそんなことはありません。私も産婦人科医ですから、胎児に影響があるのはわかります。女の赤ちゃんを妊娠しているときに、母親が女性ホルモンを飲むと、生まれてきた赤ちゃんにしっかりオリモノが出たりします。エストロゲンが残留している牛肉を食べると、そうした危険性はありますね」

北海道対がん協会細胞診センター所長の藤田博正医師は、子供の成長にも問題が出てくるという。

「骨が伸びる先端部分を骨端線というのですが、男女ともに思春期に多くのエストロゲンにさらされると、ここが閉じてしまうんです。事実、五十年前の日本人は、男は十八歳、女は十六歳まで伸びていたのに、現在は二歳早く成長が止まっています」

では、思春期前の子供が残留エストロゲンを含む食べ物を摂取したら、大人と同じくホルモン依存性がんを誘発するのか。圦講師によれば、マウスでは短期間の実験のせいか、「乳がんの発生頻度は変わらなかった」という。だが、「同時性多発の乳がんが多くなる」結果が出たという。

だからといって、エストロゲンは子供のがんと無関係とは言い切れない。

「乳がん細胞に合成ホルモンを投与すると、がん細胞が激増します。乳がんの患者にアメリカ産牛肉を食べさせたら、悪くなるのは間違いない」(圦請師)

女性ホルモンとホルモン依存性がんに、なんらかの相関関係があるのは間違いない。それに、閉経後の女性はがんになりやすいが、初潮が始まる前の子供なら大丈夫と、どうして言えるだろうか。

一方で、こんな反論があるかもしれない。アメリカ産牛肉の残留ホルモンの値が高くても、子供はそんなにステーキを食べるわけじゃないから心配ない、と。だが実は、思春期前の子供でもかなりのアメリカ産牛肉を食べているのである。前頁の表は、日本で販売されている大手ハンバーガーチェーンのミートパテに含まれるエストロゲン濃度を測ったグラフである。ただでさえ高濃度のエストロゲンが残留するアメリカ産牛肉(赤身)に比べても、ハンバーガーの数値は桁違いに高い。A社もB社も、アメリカ産牛肉を使用していることは間違いない。

数値を測定した半田医師はおかしなことに気づいた。エストロゲンにはE1とE2の二種類があり、E1は飼料に混ぜるホルモン剤である。一方、E2はデポ剤といい、おもに牛の耳から直接注射される。だから牛肉はE1よりE2の濃度が高くなる。実際、赤身肉の数値をみると、E2の数値のほうが高い。だが、なぜかハンバーガーはE1のほうが高い。その理由はなぜか?

「おそらくアメリカ産の鶏肉か鶏油を混ぜているのでしょう」(半田医師)

企業の論理でホルモン剤使用

実は残留ホルモンが危険なのは牛肉だけではない。半田医師が指摘したように、アメリカ産鶏肉のE1は、牛肉よりも高いのである。半田医師はアメリカ産、国産、プラジル産の鶏肉の残留ホルモン濃度を測定した。すると、赤身では国産とプラジル産はゼロに近いが、アメリカ産は高かった。脂肪部位もアメリカ産が極めて高く、国産はその三分の一で、プラジル産は低い。さらに、カレーやシチューのルーには、外箱の原材料欄に「牛脂」とよく書かれている。高価な和牛の脂を使うとは思えず、当然外国産であろう。ハンパーガー、フライドチキン、牛丼、カレーなど、子供たちの好きな食べ物には、残留ホルモン濃度が高い肉が使用されている可能性が高く、知らず知らずのうちに食べているのである。

(後略)


1 コメント

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脱ケミカルデイズ (武田信一)
2012-12-06 13:02:37
環境ホルモンなど微量の化学物質が与える影響は非常に興味深い。食品企業などにも情報を知らせるとともに、反発も在るかもしれないが広く衆知させ、注意喚起する必要性を感じる。
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