日刊魔胃蹴

暑すぎてつらい。

中村友梨香が名古屋を制す!高橋尚子はまさかの惨敗

2008年03月10日 | Sports

北京五輪マラソン代表の最終関門・名古屋国際女子マラソンが9日、名古屋市の瑞穂陸上競技場発着のコースで行われました。今大会はシドニー五輪金メダリストの高橋尚子の参戦で注目が集まりましたが、アテネ代表の坂本直子、大阪世界陸上代表の原裕美子、2年前の名古屋を制した弘山晴美なども北京五輪代表を目指して参戦。この大会を優勝することも大事ですが、大阪国際で2位の森本友の2時間25分34秒を上回れば北京行きが決定的となります。土佐礼子、野口みずきはほぼ確定、残る1枚の切符の行方は?

レースは最初の1キロが3分30秒前後というゆったりとしたペースで進み、5キロ通過タイムが17分53秒と超スローペース。9キロ過ぎ、先頭集団に異変が!なんと高橋尚子が先頭集団から遅れ始めてしまう。一気にスローダウンした高橋は30位くらいまで順位を落とす。先頭集団は10キロを35分46秒を通過、5~10キロのスプリットが17分53秒とほぼ同じ。一方の高橋は10キロを先頭集団から28秒遅れの36分14秒で通過。
この後もレースはスローペース、弘山晴美が先頭集団を引っ張る展開が続きます。ようやくペースが上がると集団は縦長に変化、中間点を1時間19分08秒で通過したが、これではゴール通過タイムが2時間30分前後と森本に遠く及ばない。25キロ過ぎに原裕美子がスパートをかけようとするが、後続に追いつかれる。28キロ過ぎには坂本直子が先頭に躍り出るとともにペースが上がりだす。この影響で嶋原清子らが先頭集団から脱落。
30キロ通過時点で先頭集団は原、坂本、加納由理、尾崎好美、堀江知佳、中村友梨香の6人にまで絞られてきました。そして32キロ手前の上り坂で堀江がスパート!坂本、原、加納はついていけない。しかし33キロで今度は中村が堀江を交して首位に躍り出た!中村は完全に独走態勢、堀江は加納にも抜かれて3位転落。
首位の中村は35キロを2時間01分54秒で通過。2位との差は35キロ地点で17秒、残り4キロのところで30秒と差を拡げます。30秒差でも急な失速があれば逆転される可能性はありましたが、中村は最後まで冷静でした。40キロを2時間18分38秒で通過、あとは森本のタイムとの戦いになるが、上回れないかもしれない。中村は競技場に入る前にギアチェンジ、2時間25分51秒で初マラソン初優勝の快挙達成!森本の2時間25分34秒に17秒及ばなかったものの、見事な走りを見せました!2位には尾崎好美、原裕美子が4位、名古屋で2度悲劇を味わった大島めぐみが6位、弘山
晴美は9位、坂本直子は10位でゴールしました。そして高橋尚子は2時間44分18秒の27位でフィニッシュ。北京挑戦は不甲斐ない結果に終わりました。

最終順位
1位 中村友梨香 
   天満屋 2時間25分51秒
2位 尾崎好美
   第一生命 2時間26分19秒
3位 加納由理  
   セカンドウィンド 2時間26分39秒
4位 原裕美子  
   京セラ 2時間27分14秒
5位 堀江知佳  
   アルゼ 2時間27分16秒
6位 大島めぐみ
   しまむら 2時間29分03秒
7位 平田裕美  
   資生堂 2時間29分23秒
8位 西尾麻耶
   九電工 2時間29分34秒
9位 弘山晴美  
   資生堂 2時間29分50秒
10位 坂本直子  
   天満屋 2時間30分21秒


今回の名古屋国際は、21歳の中村友梨香が35歳の高橋、もうすぐ40歳の弘山といったベテラン&原、坂本、嶋原といった並居る実力者を抑えて優勝、同じく初マラソンで一般参加の尾崎好美(26歳)との1,2フィニッシュとなり、世代交代を実現させた大会となりました。中村選手は中間点通過時点で1時間14分44秒、後半は1時間11分07秒と前半より3分30秒近く縮めてきました。30キロ以降の5キロ毎のスプリットタイムでは16分台をキープしたのも素晴らしいですね。これで3枚目の切符はほぼ手中に収めた中村選手、あとは吉報を待つだけです。
27位の高橋選手は、過去ワースト記録の成績で北京への道を閉ざすこととなりました。最初の給水でふくらはぎをかけた後、9キロ過ぎに先頭集団から脱落。5~10キロのスプリットタイムは19分23秒、以後5キロ毎のスプリットが上がらないままでした。レース後の会見で、昨年8月に右ひざの半月版の手術をしていたことを告白。手術の影響で充分な練習ができなかったことが今回の結果につながったのかもしれません。だったら早く言えばよかった。何でその事実を隠してたんだ?それに、もっと早く手術すれば良かったのに。進退について聞かれると、「陸上生活は続ける。次の目標は決まっているので」と現役続行宣言。年齢的にも厳しいんじゃないでしょうか。普通の選手だったらきっぱりと引退宣言するのに。引き際のタイミングは難しいか…。私はあえて言います。「高橋さん、お疲れ様でした。第2の人生は指導者として頑張ってください」と。

これで日本国内のマラソン選考会は男女全て終了しました。男子は大阪世界陸上で5位入賞の尾方剛、福岡国際2位の佐藤敦之(いずれも中国電力)、びわ湖で3位に入った大崎悟史(NTT西日本)が有力、女子は土佐礼子(三井住友海上)、野口みずき(シスメックス)、中村友梨香(天満屋)が有力となっています。補欠には東京マラソンで2位入賞の藤原新(JR東日本)、森本友(天満屋)になるかも。代表メンバーは10日の日本陸連理事会、評議員会で発表となります。ゴタゴタが当たり前だったマラソン代表争い、今回はサプライズ無く決まりそうです。


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