第43回宣伝会議賞 贈賞式レポート その１

３月３日、１４時４０分。
私はまだ、新幹線の中にいた。
もう１本早い便に乗れるはずが、その前の在来線が遅れたために乗れなかったのだ。
どんなに急いでも、１５時までにダイヤモンドホールに入れないことは明らかだった。
たとえ、タクシーの代わりにコンドルをつかまえたとしても。

それでも、協賛企業賞受賞者の紹介までには、何としてでも間に合いたい。
１４時４３分に列車がホームに滑り込み、ドアが開くや否や、
私はダッシュした。肉体年齢６０歳（推定）の足にムチ打って。
こんなことなら、理想のタイプの体脂肪率になっておくんだった。

ダッシュの甲斐あって、丸の内線東京駅１４時４７分発に飛び乗り、
さらに赤坂見附で向かいの銀座線１４時５６分発に駆け込み、
表参道駅のホームに降り立ったのが、ジャスト１５時。
Ｙａｈｏｏ路線検索よりも４分早く到着した。
日本の地下鉄は素晴らしい。
交通手段まで教えてくれる地図も、今日ばかりは不要。

さらにダイヤモンドホールまで駆け上り、席についたのが１５時５分。
幸いにも、式はまだ始まっていなかった。
ミクシイで前もって連絡していた「にゃっぱ」さんと、
滴る汗を拭いながらの初対面。はずかし。
「親父、きれいだよ。」とはとても言ってもらえそうにない。
ポカリスエットでカラダに返すか、
Ｃ１０００タケダでカラダのご機嫌取るかしたいところだったが、
その間もなく、照明が落ちて式が始まった。

正面のスクリーンに、ファイナリストのコピーが次々と映し出される。
演出は年々派手になっていくようだ。
ほどなく映像が終わって司会者が登壇した。
私の席は最前列の前にはほど遠く、誰だか確認できない。
去年までのパターンなら、国語算数理科テレビ朝日の局アナのはずなのだが。

司会者が口を開いた。

「第４３回宣伝会議賞　贈賞式を始めさせていただきます。
私は司会の・・・」

（つづく）