黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

ドラマの光秀の意識下で

2011-02-06 23:53:31 | 思索系
大河ドラマ「江」。このたびの題材は、
江にとっても人生の転機になった「本能寺の変」。
西暦にして1582年なので、このたびの江は
だいたい9歳ということになる。
ドラマの最後のほうでは信長の霊のエスコートで
江が馬を駆るシーンがあったのだが、
なぜか信長と江が「2人だけの世界」にひたる
恋人どうしに見えてしまって――
熱さを感じる程に恥ずかしくなってしまったのは
果たして私だけだろうか^^;

それと、今のところ個人的に一番感動しているのが
ドラマの家康の、絶妙なタイミングで
かゆいところに手を伸ばす気配りのうまさである。
前回、光秀が信長にお世辞を言ってかえって
信長に責められていたときにも感じたことだが、
ドラマの家康はこのたびも江の手紙で江の心情を
察したものか、またも絶妙なタイミングで
江に信長と会うチャンスを提供したのだった。
ただ、史実の江がドラマのように家康と
「伊賀越え」したという話は聞いたことがないので
ドラマの江の「伊賀越え」はフィクションだろうと
今のところ思っている。
また、本能寺の変の際の史実の家康については
ウィキペディアにも「一時は狼狽して信長の後を
追おうとするほどであった。しかし本多忠勝に
説得されて翻意し」伊賀越えした、という一文が
あり、史実の家康の信長に対する忠実さを
垣間見ることができる。

一方、史実の明智光秀が本能寺の変を起こした
理由は日本史上の大きな謎の一つになっており、
ウィキペディアの「本能寺の変」の項を見てみても
変の要因として考えられている説が
膨大な数にのぼっていることがうかがわれる。
私はこれに気づいただけで反吐が出てしまったため、
とりあえず史実は別としてドラマの光秀の心情に
思いを馳せてみたい。


このたびドラマの光秀の心情に思いを馳せるとき、
私が気になったのは冒頭での光秀と信長の会話・
それに光秀と千宗易との会話であった。
すなわち、光秀が信長に対して「京に滞在する
お屋形さまが無防備になってしまいますね」と言い、
一方で宗易の「『天下取りをしてみせたる』
ぐらいの気持ちで仕事に励めばよい」という
言葉には強い口調で「天下取りなど
とんでもない!」などと否定したところである。
まず、光秀自身はたぶん悪気のないつもりで
「お屋形さまが無防備になる」と言ったのだろうが
その言葉は光秀が信長の敵になったつもりで
考えなければ出てこないような言葉である。
また「天下取りなどとんでもない!」と否定した
口調の強さや、そもそも光秀が「天下取り」という
言葉尻しかとらえていない点も、
光秀が実は天下取りというものを強く意識している
ことの裏返しだと思う(もしそうでなければ、
光秀とて決して宗易が謀反をけしかけている訳では
ない事もちゃんと聞き取っていたはずだからである)。
そして、「お屋形さまが無防備になる」という
光秀の言葉によっておそらく信長は
光秀の心に謀反の芽が芽生えているのを見抜き、
それゆえに「謀反でも起こしてみるか?」などと
ジャブしたのだろう。
また宗易も、やはり光秀の反応から同じ事を見抜き、
信長の天下が成るかどうかを江の前で
心配してみせたのだろうと思う。

私も初めて気づいたことであるが、
ドラマの信長は本当は光秀の潜在能力を
高く評価している様子であった。
光秀の心に謀反の芽が芽生えているのを見抜いた
信長としては、「光秀は潜在能力の高い男だから
天下を望んでも不思議はないな」というふうに
感じたのかもしれない。
「光秀、お前も天下が欲しかったか」――
本能寺で信長が光秀の謀反を確信したときに発した
この言葉に、信長のそんな思いを見るようだ。
いずれにしても江たちは本能寺の変によって
その立場が著しく不安定になる事が予想されるが、
江は信長の霊のエスコートを得たことによって
勇気付けられ、(江の言葉通り)前にのみ進みながら
今現在を生きていくであろう・・・!?


←ランキングにも参加しています

最新の画像もっと見る

コメントを投稿