黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

葵・徳川三代を回想

2011-02-02 21:51:25 | 美術・音楽系
先月発売されたばかりのアルバム
「決定版 大河ドラマ全曲集」を借りた。
大河ドラマのサウンドトラック集は以前にも
借りていたが、以前借りたものが
戦国時代と幕末・維新のドラマのオープニングに
限定されていたのに対し、このたび借りてきた
アルバムは最初の大河ドラマ「花の生涯」から
去年の大河ドラマ「龍馬伝」に至る
全てのオープニングを網羅したものである。

戦国時代や幕末・維新もの以外の大河ドラマのうち、
私の最も気に入っているオープニングは
2000年の大河ドラマ「葵 ~徳川三代~」である。
家康以下、徳川三代がうねりの波の戦乱から
太平の世をもたらすまでのプロセスが
うまく表現されていて、良い曲だと感じていた。
私はこの曲を聴くと、まず、
戦乱の世に散り急ぐ「又兵衛桜」の美しさに感動し
日光東照宮の真上にある北極星と
その周りを回る星たちに世の太平を見出して
感慨深くなったものである。


ところで「徳川三代」といえば、
津川雅彦さんの演じた徳川家康が斬新だったこと。
家康といえばどんな時もどっしりとかまえていて
決して人前では生の感情を見せないという
政治家然としたイメージが強かったのだが、
あの津川さんの家康は決然として元気よく声が通り
相手かまわず派手に感情表現する家康であったと
記憶している。
例えば関ヶ原の戦いで小早川秀秋がなかなか
自分に寝返ってくれないと思うと
「あの、こわっぱー!」などと叫んでみたり
イライラ感を持て余して太刀を振りまわしてみたり、
また関ヶ原の戦いとは別の場面で
息子・秀忠と取っ組み合いのケンカをしたり――
多少記憶の詳細は曖昧になっているかもしれないが
あの家康は印象的であった・・・!

それと先月、細川俊之さんがお亡くなりになった。
細川さんは若い頃からたくさんの役を演じてこられた
ようだが、時代劇以外の演劇はほとんど観ない
私にとって一番印象に残っている細川さんの演技が、
この「徳川三代」での大谷吉継の役であった。
大谷吉継とは石田三成の友人でもある
敦賀5万石の大名で、最初は三成に
「家康と戦うのはよしとけ」と説得したものの、
結局説得できないと悟ると自分の方針まで曲げて
石田三成と共に家康と戦う決意をし、
関ヶ原の戦いで戦死したことで知られる。
そのため「徳川三代」における吉継の出番は
少なかったが、細川さんの大谷吉継は
少々不気味でもなぜか主役級の存在感を放ち、
家康と戦う道を選んだ自分を清々しそうに
あざ笑えば観る者の言葉を奪い、
輿の上から無言で突撃の采配をふるえば
その威厳を感じさせ、切腹せざるをえない無念を
つぶやけば一抹の寂しさを感じさせたものだった。


――謹んで、細川さんのご冥福をお祈りします・・・


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