古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十章 地震・津浪乃記・その八十

2012年04月15日 06時57分49秒 | 古文書の初歩

 

 

 

地震津浪乃記第二十ページ(上の写真の三行目四行目)

解読   至て平穏なりト云リ。

         蘭書の説   坤輿圖識補

読み方  至って平穏『オダヤカ』なりと言えり。

         蘭書の説   坤輿図識『こんよずしき』補

解説  「至て」・・・至って。 「平穏」・・・「オダヤカ」とフリガナ付き。 「奈」は変体仮名の「な」。 「云リ」・・・言えり。言いました。漢文体と言うんでしょうかね。 「蘭書」・・・オランダの書物。昔は、外国の地名・国名を漢字で表しました。終戦後まで続きました。「蘭」はオランダ国の略で、漢字で「阿蘭陀」と書きました。「米国」は「亜米利加」・「英国」は「英吉利」(イギリスはポルトガル語のInglezに由来しています。) 「説」・・・説明。  「坤輿圖識」・・・『こんよずしき』と読み、幕末の世界地理書の書名です。「坤輿」とは大地・地球の事。簑作省吾がオランダの書物を基にして著述しました。弘化二年『一八四五年』刊行、本編三冊、補編四冊 「補」は補編の事。幕末から明治維新に至るまで我が国の指導者・知識層は、この書物から世界知識を学びました。


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