古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第五十九章 漂流外国物語 其の十九

2016年04月05日 07時41分41秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

 

 

「漂流外国物語」第六ページ、上の一~二行目

 

解読 打込ミ元船凌ぎか多く、水主共アカ越取捨帆を下け風ニ

    任せて流し置候得共、船玉危く相覚へ候故水主共

読み 打ち込み元船凌ぎ難く、水主共アカを取り捨て帆を下げ風に

    任せて流し置き候えども、船玉危うく相覚え候故、水主ども

 

説明 「打込ミ」・・・高浪打ち込み。波が高く、船内に入り込んで来る事。 「元船」・・・本船。この船自体の事。 「凌ぎか多く」・・・凌ぎ難く。災難を乗り越え難く。「か多く」の「多」は変体仮名の「た」です。 「水主」・・・『かこ』。水夫。船員。 「アカ」の漢字が出ませんが、サンズイヘンに「含」と書いている様に見えます。古文書では船の内部に入って来て船底へ溜まる水の「アカ」は他にも色々な書き方が有るようです。辞書にはほとんど出ていません。「アカ越」・・・「越」は「越え」ではなく、変体仮名の「を」です。「代」に見えます。 「流し置候得共」・・・「候得共」も難しい。 「船玉」・・・船内で守る守護神。「船玉」も危険になってきた。 「相覚へ候故」・・・危なくなってきたと思ったので。「候故」も読みにくい。最後は「水主共」。