古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十三章・網代黒山松一件御通詞控その九

2012年12月04日 07時25分05秒 | 古文書の初歩

乍恐奉願上口上第三ページ、上の画像の表題と二行目まで

 

解読   乍恐奉願上口上

    一 去七月廿五日之大風雨ニ網代黒山之松吹折

     根返し多御座候。右者永々其儘致置候而者

読み   恐れ乍ら願い上げ奉る口上

 一つ 去る七月二十五日の大風雨に網代黒山の松吹き折れ

   根返し多く御座候。右は永々其の侭に致し置き候ては

 

解説 「乍恐奉願上口上」・・・この文書の表題部です。 「一」・・・一つ。 「廿五日之」・・・これは読むのはたいへん困難ですが、一ページに出ましたので、推察出来ます。 「大風雨」・・・「雨」の字は難しい。一ページでは「大時気」『おおしけ』と書いていました。 「松吹折」・・・「吹」が難解です。この場合の「吹く」は他動詞で、「風の力が物を動かす」意味で使われています。 「根返し多」・・・木が倒れて、根が見える状態のものが多い。 「永々」・・・末永くと言う意味ですが、ここでは単に「永く」「いつまでも」。 「其儘」・・・そのまま。「儘」は「侭」の旧字体。「儘」の下が長く伸びたいますが、「儘ニ」と「ニ」を書いているのかも知れません。「ニ」が無くても、「其の侭に」と読みます。 「致置候而者」・・・「致置」も難しい。mは「候」。「而者」・・・ては。最後の字はかすれていますが「者」=「は」と推定。