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映画「ホテル・ルワンダ」が“有頂天”な日本に問いかけたものとは?

2006-02-05 | 時事その他雑感

最近は甘ったるい映画ばかり見ていたので、
社会派の洋画「ホテル・ルワンダ」を渋谷シアター
N
で鑑賞。
客席102席のミニシアターは毎回立ち見と盛況です。

で、予想以上に、考えさせられることが多い映画でした。
また深い感動というより、スリルとサスペンスの要素が意外と多い,
というのが率直な感想です。

公式ホームページ
http://www.hotelrwanda.jp/

1994年、ルワンダの首都キガリが舞台。ベルギー系高級ホテル
「ミル・コリン・ホテル」で働く支配人ポール(ドン・チードル)が主人公。
民族間の内紛による大量虐殺の危機から
1200
人もの命を救った、
実在のホテルマンの勇気と良心を描いたドラマ。


以下、少々ネタばれもあるかも知れないけれど、備忘録がてら感想を少々。


    
ガバナンスが効かない組織・国家ほど恐ろしいものは無い。
 
  不謹慎な見方であるが、現在のライブドアは1994年当時のルワンダに
  似ていると思った。

   すなわち、外部からのチェックが入らず、国内で一気に大虐殺
   (100万人!)
が進んだルワンダと、
   暴走する粉飾経営の果てに投資家22万人が一瞬のうちに
   甚大な被害を受けたライブドア。


②内紛の元は民族間の対立(フツ族とツチ族)。
 しかし、その元をたどっていくと第一次大戦後、国際連盟から戦利品として
 与えられたベルギーに突き当たる。
 ベルギーによる人種差別政策が、まとまっていたルワンダ国家を崩壊させて
 しまった。いつも、きっかけは強国のエゴですね。


③国連平和維持軍やマスコミは大虐殺の前では無力だった。
 大虐殺を撮影した外国人カメラマンは、ルワンダ出国の際、
 「世界の人々はあの映像を見て-“怖いね”というだけで
 ディナーを続ける」と痛烈な皮肉を言う。
 この言葉に、自分のことを見透かされている!と思った観客は
 かなりいたに違いない。


④地獄の沙汰はやっぱりカネなのか。
 軍部、権力者を懐柔するために主人公は賄賂のオンパレード。

 これが現実なのだろう。
  人間の極限状態においては、
  ホリエモンのいう「金があれば何でもできる」という主張は
  正しいのかも知れない。

  しかし、今の日本は余りに平和すぎた。

 
 日本でもたとえば食糧供給が細るだけで大量の難民が発生しかねない。
 私も有事に備えて、ドル預金を始めることにした
  (←これは壮大な勘違いですけどね)。


⑤主演のドン・チードルの演技では、大虐殺を見てしまった直後、
 ホテルに戻ってネクタイを結ぶシーンが秀逸でした。
 (なお、私は平常時でも時々、“あのように”に結んでしまいます)


 また妻役のソフィー・オコネドーの演技は節々で冴えていました。
 特に死の危険に晒された直後に、主人公に対して取り乱すシーン。
 強烈でした。


⑥パンフットの中身は、ほぼ公式ホームページと同一でした・・・。
 ですから公式HPを印刷して持って行かれれば、買わなくて済みます。


“有頂天”と対極をなず骨太ドラマ。
 教養の一環としても鑑賞をお勧めします。

 


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4 コメント

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まいど、まいどの堀江ネタですが (ハリマオ)
2006-02-06 11:58:50
取調べに対して堀江容疑者は否認しているけれど、同時にタイーホされた

他の3容疑者は「落ちて」自白しているという報道です。否認するくらいは

プロの検察にとって、「想定の範囲内」でしょうね。



報道が事実なら、物的証拠がたぶん続々とあがっているだおうと

思いますので、堀江容疑者ただ一人だけ、「覚えていない」とか

「やっていない」と否認し続ければ、そんなふてぶてしい態度なら

証拠隠滅のおそれさえ、ありと拘置所から仮釈放も認めないかもですね。



法廷で裁判官も、事実を認めなかった、反省の気配もないのかと

心証が悪くなるっていうのが、検察出身の弁護士を雇ったと報道が

ありますが、本人はアドバイスを聞いているのかねと、思います。

まあ、仮釈放なら、保釈金がいくらになるかも、楽しみですね。



検察の取調べの係官も、だからさぁ、キミはねぇ、将棋で言えば

もう詰んだも同じなんだよ。アナグマしても意味ないでしょう。

早く全部自白して今後のことを考えたらっ、ていってるかも。



見世物としては裁判で堀江と元カレならぬ元部下の対決ってのが

あれば面白いのかもですね。とにもかくにも現在日本一の視聴率男ですね。











格差社会

 小泉純一郎首相は1日の参院予算委員会で、小泉改革で社会格差が拡大したとの批判に対し「格差が出るのは悪いことではない。能力を生かせる機会が提供されることが大事」と反論した。首相はこれまで格差拡大の否定を強調していたが、改革の「影」を重視する議論の活発化にいらだちを隠せなかった形だ。

(毎日新聞) - 2月1日23時19分更新





松井やイチローと、入団したての2軍の選手



留学経験のある東大卒の医者も駅前私立大学裏口入学の

医者も同じで、



国会議員の給料と町の青年消防団の給料も同じ

返信する
コメント有難うございます (dancing-ufo)
2006-02-06 23:24:53


ハリマオさま



毎度毎度コメント有難うございます。





後段の「格差社会」ですが、

ある種、予想された話ですよね。

税制も昔と比べると

富裕層に有利になってますし。







私が気になっているのは、

「財政的幼児虐待」。

世代間の格差を放置したままで

若者に頑張れ!って言うだけでは

ちょっとズルい。

(と言っても妙案はないですけど)







あと、月並みですですけど、

ライブドア問題を

規制緩和のせいにするのは

筋違い。



結局、法規制の運用・監督が

なってなかったということでしょう。











返信する
削除お願い (ハリマオ)
2006-02-06 23:26:01
格差社会のところは、間違えて

投稿してしまいました。できたら

この後半削除お願いします。



これらは、もうすこし考えが

固まってから再投稿します。
返信する
続きを待ってます。 (dancing-ufo)
2006-02-07 07:31:26


ハリマオさま



コメントの修正はできないので

いいですよ。

続きを待ってまーす。



返信する

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