勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

そして誰もいなくなった

2011-04-18 23:31:50 | Weblog
 アガサ・クリスティーの推理小説 「そして誰もいなくなった」では、無人の孤島に招かれた10人が次々と殺され、残された人たちは、犯人が誰かわからないまま疑心暗鬼になる。最後の一人も、犯人がわからず精神的に追い詰められて自殺、そして誰もいなくなったのである。結末や如何に。。。


 江戸の情緒と下町人情、和の老舗が残る東京下町浅草は、ウィークデーはもとより週末になると、東洋系も含めた外国人観光客で賑わい、外国語が飛び交っていた。


 ところがである、福島原発事故以来、外国人の姿が全くといっていいほど見られなくなった。言うまでもなく放射能汚染から逃れるためである。


 仲見世通りもいつもの混雑は見られないが、それでも日本人観光客は、何事もなかったように浅草を楽しんでいる。国外に逃げる術もないから。。。


 突然の行使による混乱と、不公平さで不満もあった計画停電と同じ、相変わらずの無計画な計画的避難区域などという言葉で、補償の見通しも定かではない住民を避難させる無責任さ。更には、収束に6~9ヶ月というシナリオも、まだまだ不安定な放射能放出の原子炉の修復のめども立たない状況では、この収束計画も計画的とはいえない。東電の勝俣恒久会長は「計画は100%できるというものではない。とにかくやれることから行い、原子炉の冷却を達成したい」という。

 日本の観光地からは、ひとり消え、ふたり消えする外国人観光客。原発事故の福島からは住人が住処(すみか)を追われ、帰る当てもなく苦しんでいる。計画的などという、意味不明で無計画な対応に「そして誰もいなくなった」というようなことのないことを祈る。この結末や如何に。。。