勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

赤ひげ先生 PartⅡ

2009-02-26 00:18:32 | Weblog
 山本周五郎の小説に出てくる赤ひげ先生は、貧しい人のための医療と、生と死の尊厳を描いた、ヒューマニズム溢れる医者の話である。

 小田原の佐伯眼科クリニックの院長、佐伯宏三医師は、医療の前では皆平等と説く。

人間は裸にすれば一人一人皆同じ
貧富も身分も関係ない
だから患者さんを一人の人間と考え
等しく自分の持っているマキシムを
その患者さんに提供すれば良いのです

-佐伯宏三院長の言葉-


 みかん畑に囲まれた丘陵地に建つ、ホテルと見紛う佐伯眼科クリニックから見渡すパノラマは、院長のこだわりがあるという。

 「自分の収益だけを考えるなら、駅前のビルの1フロアを借りて診療を行えばよい。治療は疾病だけでなく、その心も治す必要がある。患者さんが精神的にダメージを受けたとき、人間の尊厳を思い出すような施設をつくろう。最先端の医療機器と、そこに集う医師の腕にも自信を持ってもらい、ソフトウェアもハードウェアもパーフェクトにした医療施設をつくりたかった」

 「この場所に立った時、患者さんに手術が終ってよく見えるようになったら、真っ先に緑豊かなここの景色を見てもらいたい。そして新たな希望と勇気を持って再出発して欲しい」


 これが佐伯院長が、ここにクリニックを建てた大きな理由だそうだ。さらに院長が赤ひげ先生と呼ばれるゆえんがある。

 「家族のため、社会のため、そして国のためにトップスピードで働いてきた多くの平凡な人々。その人たちが年老いて眼が悪くなってきている。その人たちに“ご苦労さまでした”と感謝するとともに眼を治して、残りの人生を元気いっぱい歩ませるのが私の仕事です」と。

 そして、佐伯院長の「医療の世界には“ごめんなさい”はない」の言葉に、我が眼を託したい。