勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

いのち

2008-02-20 01:59:29 | Weblog
  昨年の2月6日、東武東上線ときわ台駅で、自殺しようとして線路内に入った女性を助けようとして、電車にはねられて亡くなった宮本邦彦巡査部長(当時)のドラマを見た。地域の人たちにあれほど愛されていたことを、奥さんは宮本さんが亡くなってから知ったという。

 いつも命の大切さを口にしていたという宮本さん。ひとりの愚かな人間によってその命と引き換えに、自分の命を落としてしまった。事故が報道された当時から、宮本さんのとった行動と勇気には胸が熱くなる思いをしていた。そしてその人間性を知れば知るほど目頭が熱くなる。

 マラソンの応援の帰り、東京駅で、ドアに挟まれたバッグを手放さず、電車に引き摺られる女性を見たとき、手でも挟まれているのではないかと思い、とっさに走り寄った。もしもあの時、手が挟まれていたとしたら、あの女性にしがみついてでも電車から引き離そうとしただろうか?多分しないだろう。しかしあの瞬間、無意識に走り寄って助けようとしたことは事実である。

 海上自衛隊の最新鋭のイージス艦が小さな漁船と衝突事故を起こした。国を護るはずの自衛艦が親子2人を海に投げ出し、未だにその行方がわからないという。艦のずさんな航行や連絡の不備、そして防衛省の相次ぐ不祥事が取りざたされている。そしてイージス艦には、300人もの乗組員がいたというが、彼らの救助活動が少しも見えてこない。午前4時はまだ暗い。しかし、暗い海に投げ出された人がいることを知って何の行動も起こさないでいられるのだろうか?

朝日新聞から

 全長165㍍、7,750㌧、建設費1,400億円、高性能レーダーの装備、従来のイージス艦にはないヘリコプターを搭載できる格納庫があり、防空の要として活動するという最新鋭艦が、目の前の海に投げ出された二人の命を救えないのだろうか?いや、救おうとしたのだろうか?

 20年前に起きた海難事故「なだしお」でも乗組員が救助活動もせず、ただ立って見ていたと報道されたような気がする。自分たちが起こした事故なのに・・・。