りあるえすてぇいと・にゅうす

徒然なるままに更新しておりました・・・

読書の秋なので…

2009-10-22 13:58:00 | 読んだ本あれこれ
 秋も深まり、ワセリンとボディクリームがないとえらい事になる季節がやってきました。

 さて今回の(も?)読書レビューは、私が今年読んだ中でベストといえるでしょう。吉田 修一 作 『横道世之介』です。


先日『王様のブランチ』でもとり上げられたので、ご存知の方もいるかと思います。
 主人公の横道世之介が、大学進学とともに上京した一年間を描いた物語で、舞台は80年代なのですが、途中途中で登場人物の今が挿入されているという構成になっています。

 読了後、あったこともないの(当たり前だ)に、なぜか横道世之介という登場人物に引き込まれていました。AMAZONのレビューにもありましたが、この本の中の世界がいとおしくてたまらないです。

 感動の押し付けなどどこにもないのに、笑いや涙が自然と出てくる、すばらしい一冊です。是非ご一読を。

アレ読みましたか?

2009-10-14 16:34:00 | 読んだ本あれこれ
 10月もはや半ば、日がくれるのがどんどん早くなって物悲しい気分になる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

 秋だというのに、読書のことをまったく取り上げていなかったので、今年一番話題に上ったあの本のレビューでも使用かなと思います。

 出版不況の中、あっという間にBOOK1・2で200万部を売り上げた、あの『1Q84』です。



 あらすじは、塾講師をしながら文章を書いている天吾(男性)と、トレーニングジムで働きながら、殺し屋をしている青豆(女性)が、1984年から、1Q84年に入り込んでしまう、そんな中で、天吾は『空中さなぎ』という、魅力的だが荒削りの作品のゴーストライターとなり、青豆は、自分の生い立ちに影響を与えたある宗教とかかわることなり…
 とまぁ、ネタバレしないように書きましたので、この先は読んでみてのお楽しみということで。

 読了して、良くも悪くも村上春樹の作品だな、と強く感じました。熱狂的というほどファンではないにしても、村上春樹作品はそこそこ読んでおります。正直、読了時に、「あれ、こんな感じの話、昔の作品になかったかな」と思ってしまいました。かといって、じゃあどの作品なのかといわれても、どれだというわけでもない…うーむ。

 勿論、二冊を一基読みさせるだけの文章構成のうまさ、キャラクターに余計な熱を与えない繊細な人物の書き分けは、流石だと思います。この作品を、いままで一度も村上春樹作品を読んだことのない人に読んで、感想を聞いてみたいなと思いました。

 最近、この続編が出る、というのがニュースになっていましたが、正直がっかりしました。2巻の終わり方から、次の作品を連想するのは、私には出来ませんし、はじめから三部作で出すのなら、そのようにアナウンスするなり、1が出来上がった時点で出版するなりすべきだと思います。