ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

「景福宮の秘密コード」はおもしろかった、が、歴史としては疑問も・・・ [2]

2012-10-04 20:31:59 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 前の記事では、主に「景福宮の秘密コード」を読んで勉強になったことを記しました。
 今回は、疑問に思ったことを書きます。これが実は本論です。

 私ヌルボ、ドラマ化された「根の深い木」は見ていません。そこで内容が詳しく書かれている関係ブログを読んでみたところ、なんかぜ~んぜん違うじゃん! ラストなんか、「えっ、この人たちがこうなっちゃうの!?」なんて驚いてしまいましたがな。

 ま、そっちはこの際おいとくとして、このミステリーでは、わりと早くから事件を取り巻く背景が説明されています。
 それで読者は、細部はわからなくても「善い方」「悪い方」が明確に書かれているので、事件の「黒幕」はおよそ見当をつけることができます。

 「善い方」は、まず世宗。彼が悪く描かれることは考えられません。
 そしてチョン・インジ(鄭麟趾)を中心とする一派。
 これに対して「悪い方」チェ・マンリ(崔萬理)シム・ジョンス(沈種樹)の一派。

 この両派がどう違うか、対比してみます。
   [善い方]                             [悪い方]
チョン・インジの一派                       チェ・マンリの一派
革新派                              保守派
実学(農学・地理・数学・天文学)の重視           実学を否定し、観念的・抽象的な儒学を尊重
商業の自由化、商業の振興を図る              商業の統制
 (市廛(してん。公認の商人)の特権の否定・貨幣の普及) (市廛との癒着・乱廛(らんてん。非公認の商人)の排除)
ハングル創製に情熱的に取り組む              漢字を尊重し、ハングルに反対
中国からの自立を内に秘める                 事大主義(中国を尊奉) 


 これを見て思うのは、この「善い⇔悪い」を分けるモノサシ(価値観)は、現代韓国ならではのバイアスがずいぶんかかっているなあということ。

 たとえば、ハングルに対する偏愛。(といったら失礼かな?)
 ウィキペディアの<ハングル優越主義>の項目、あるいは私ヌルボが愛読するアンサイクロペディアの<ハングル>の項目等でいろいろ揶揄されていますが、2009年韓国の世宗文化会館(!)で開かれた第1回世界文字オリンピック大会などというのはまさにその表れ。もちろんハングルが優勝しました。※関連記事は→コチラコチラ

 しかし、「訓民正音」(東洋文庫)の趙義成先生の解説によると、訓民正音の作成には朝鮮語をありのまま表記するという実用上の必要性だけでなく、それ以上に漢字音を正しくあらしめて理想的な王道政治を敷くという儒学的な理念を具現させる意図があった、とのことです。
 野間秀樹「ハングルの誕生」(平凡社新書)にも、「当時申淑舟が何度か遼東に派遣されているのは、正確な漢字音の発音を得るためだった」とあります。
 つまり、ハングルは決して漢字に相反するものではなく、むしろそれを補うものだったというわけです。

 また朴永濬等「ハングルの歴史」(白水社)では、今は「悪役」を割り振られている崔萬理に対して、「崔萬理を理解するために」と題して多くのページを割いて彼の弁護(?)を展開しています。
 「朝鮮王朝実録」には、1442年(世宗24年)中国の皇后冊封を祝う使臣を北京に送ったことやその祝いの言葉等が記録されているが、そこからは「中国に対する事大と慕華が一般的だったことがあますところなく読み取れる」とのことです。
 礼と名分を重視する性理学という儒学の政治的理念が政治的安定を支えていた当時の朝鮮で、新しい文字の創製が中華制度の遵行に逆行すると信じたのが崔萬理たちです。
 その彼がなぜ反論を提起したかというと、彼は世宗とは格別な間柄で、その政策に諫言できる立場にあり、かつ原則を重んじる一本気な人物だったのでは? ・・・というのが「ハングルの歴史」の推測するところです。
 契丹・女真・日本等の文字にも通じていた崔萬理は諺文(おんもん.ハングル)についても綿密に検討したと思われ、それが漢字よりはるかに習得しやすいこともわかっていました。彼が憂慮したのは、むしろそのことにより漢字の習得が疎かになり、文化が浅薄化するのではないか、というものでした。
 「ハングルの誕生」で野間秀樹先生は、「崔萬理たちはある意味では、世宗たち以上に<正音>のラディカルさを読み取っていた。ハングル・エクリチュールの圧倒的な制圧という今日的事態をも、見据えていたことになる」と評しています。

ハングルについて長々と書いてしまいましたが、要は今の韓国のハングルに対するイメージが「景福宮の秘密コード」にはそのまま投影されていて、それは史実とはズレがあるということです。

 また、保守派の重視する観念的な儒学に対し、実学を高く買っている見方も多分に現代的な評価でしょう。後世の正祖の時代の丁若等もドラマの主人公として扱われていますが、小川晴久先生の著作等によると、彼ら実学者が注目されるようになったのは日本の植民地時代ということです。

 さて、これらにもまして「これは違うぞ」と思ったのは、当時の商業のこと。本書に登場する市廛(シジョン.시전.してん)というのは公認の商人で、日本史でいえば座の商人に相当します。本書では、「悪い方」が非公認の商人=乱廛(ナンジョン.난전)を排除することで市廛から裏金を受け取っていたのに対し、「善い方」は規制を撤廃して自由な商業の発展をめざしていたように描かれています。

 ところが、日本で戦国大名により楽市・楽座が行われたのは16世紀半ば以降。本書にあるように世宗時代には1425年に朝鮮通宝が鋳造されたもののさほど用いられませんでした。
 一方当時の日本は、4年後の1429年に来日した朝鮮通信使朴瑞生がその報告書の中で「銭が盛んに用いられ、布や米による支払いを凌駕している。だから千里の旅をするものであってもただ銭貨を帯びるだけでよく、穀物を携帯しなくてよい」(「李朝世宗実録」)と記しているほど貨幣経済が発達していました。しかし、そのように貨幣の流通が先行していた日本でも楽市・楽座が政策として打ち出されるのは上記のように1世紀以上後のことです。

 つまり、世宗の時代には、本書で描かれたような乱廛の排除撤廃=商業の自由化という政策はありえないでしょう。むしろ、この点ではドラマ「イ・サン」の方が史実に近いのではないでしょうか。
 →コチラのブログ記事に、イ・サン(正祖)の時代に行われた禁乱廛権(クムナンジョングォン.금난전권)すなわち市廛以外の商行為禁止を廃止する、3度にわたる通共(トンゴン.통공)についてわかりやすく説明しています。それが18世紀後半、世宗の時代から300年以上も後のことです。

 ドラマの時代考証が相当にいい加減なのは日本の時代劇でも素人目にもわかりますが、おおよそは見る側にとっても「お約束」の範囲内でしょう。ただ、本書のとくに商業に関する点は歴史の大枠に関わるように思われ、ついついこだわってしまいました。

[韓国語] 彼岸花 韓国語では曼珠沙華の音読み、じゃなくて・・・

2012-10-04 20:07:24 | 植物の韓国語
     

 「ノウゼンカズラを韓国語では何というか?」という記事を書いたのが9月2日。
 早いもので、もう一月経ってしまいました。そして今、街中を流れる川沿いの花壇に咲いているのが彼岸花。

 子どもの頃、徳島の田園地帯でたくさんの彼岸花が群生して咲いていたのが印象に残っています。とくに墓地の周辺。たぶん今もそうでしょう。
 あの花の根は毒だということは皆知っていて、触ろうともしませんでしたが、後に日本史関係の本で、球根をよく水にさらせば食用になるが、飢饉の時に備えた救荒植物として、ふだんは毒性を強調したということを読みました。もちろん子どもによる誤食を防ぐ意味もあったのでしょう。

 私ヌルボ、彼岸花は韓国語では別名の曼珠沙華をそのまま音読みして만주사화(マンジュサファ)というのかな、と何となく思っていたのですが、辞書を引くと석산(ソクサン)というのが一般的なんですね。漢字だと石蒜。日本のウィキの「ヒガンバナ」の項目では「ヒガンバナの鱗茎は石蒜(せきさん)という生薬名」という箇所でこの言葉が出てきます。
 また「死人花」「地獄花」「幽霊花」「剃刀花」「狐花」「捨子花」「はっかけばばあ」等の不吉な異名が紹介されていますが、韓国ウィキの方にも「球根に有毒なアルカロイドが含まれているため、地方によっては「사인화(死人花)」「장례화(葬礼花)」「유령화(幽靈花)」ともいう」とあります。

 さて、「만주사화」で検索すると韓国サイトで多くヒットするのが山口百恵の「曼珠沙華」。そして埼玉県日高町の曼珠沙華の里・巾着田(きんちゃくだ)。※たとえば→コチラのブログ記事。巾着田の訪問記です。
 巾着田の公式サイト(→コチラ)によると今ちょうど満開のようですよ。写真を見ると、ホントにみごとなものです。
 日高町といえば、高麗神社等々がある古代の渡来人ゆかりの地で、高麗の里を訪ねる散策コースも設定されています。
 しかし私ヌルボ、まだ行ったことがありません。ホントは曼珠沙華やコスモスが見頃の今時分に行くのがいいんだけどなー・・・。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[9月28日(金)~30日(日)]

2012-10-02 17:26:23 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 先日ブルガリア映画を観ました。「さあ帰ろう、ペダルをこいで」。厳密にはブルガリア=ドイツ=ハンガリー=スロベニア=セルビア合作なのかな。これは観て大正解でしたね。
 ブルガリアと聞いて思い浮かべるのは、ヨーグルト、ジャム、琴欧洲、およそこの順番でしょうか? 私ヌルボの場合は、20年前に観た「ぼくと彼女のために」というブルガリア映画が非常に強く印象に残っています。1952年、スターリニズム体制下の小学校が舞台。党幹部の娘の美少女に主人公の少年は憧れるものの、見向きもされません。ところが彼女、父が失脚し逮捕されると、一転して村八分になってしまいます。そんな彼女を励ますのは少年ひとりだけ・・・。細部は覚えてませんが、ヌルボのお薦め映画外国編全100本には入れてます。
 この「さあ帰ろう、ペダルをこいで」も、1983年(琴欧洲の生年!)の社会主義政権の圧政下と、2008年を重ね合わせています。キーワードは、バックギャモン、2人乗り自転車、そして家族の絆。音楽も印象的。主演のミキ・マノイロヴッチは「アンダーグラウンド」や「黒猫・白猫」にも出ていましたが、そんなクストリッツァ作品にも効果的に用いられていた、金管楽器やクラリネット等の超絶技巧入りの、一種もの哀しくも陽気な民族音楽はやっぱり魅力的です。パンフレットに、「コカコーラ・キッド」のマカヴェイエフ監督(旧ユーゴ出身)の「同じ東欧でも、北のポーランドは悪魔と対話してしまうようなところがあるが、南の国は太陽を対話をする」という言葉が紹介されていましたが、な~るほど、です。昨年観てとても良かった「テザ 慟哭の大地」同様、日本にはなじみのない国の、あまり目立たない映画には注目です。

 さて<東京フィルメックス2012>ですが、上映作品やスケジュールは公式サイト(→コチラ)で確認されたし。韓国映画はコンペ部門にキム・ヒジョン監督「グレープ・キャンディ」、特別招待作品としてホン・サンス監督「3人のアンヌ」、キム・ギドク監督「ピエタ」、チョンジュ・プロジェクト2012として合作作品の「黄色い最期の光」「グレート・シネマ・パーティー」「私には言いたいことがある」の3作が上映されます。

[速報] 今日(10月2日)19:10の聯合ニュース(日本語版)によると「映画「泥棒たち」韓国映画観客動員数1位」とのことです。「累計で1302万393人となり、韓国映画史上最高を更新した。「グエムル~漢江の怪物」(2006年)の1301万9740人を上回った」ということだそうですが、SARUさんのtwitterの「追い抜くまでは?とズルズル上映してたしね。よく出来ていても娯楽作以外の何者でもない「泥棒たち」が1位とは、商業化の果ての今の韓国映画はこうですというのを表しているのかも」というコメントは一応同感。「一応」というのは、100%の娯楽作でもあながち否定できないと思うので、そこらへんは実際に観てみないと・・・という意味。※原記事(韓国語)は→コチラ

          ★★★ Daumの人気順位(10月2日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①地上の星のように  9.2(119)
②おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.2(152)
③ホノカアボーイ(日本)  9.2(52)
④ヤコブへの手紙  9.2(30)
⑤ピエタ(韓国)  9.0(1217)
⑥チャイニーズ・フェアリー・ストーリー  8.7(51)
⑦メリダとおそろしの森  8.5(58)
⑧光海、王になった男(韓国)  8.5(2095)
⑨ピナ・バウシュ 夢の教室  8.5(33)
⑩あの頃、君を追いかけた  8.4(194)

 新登場は⑦「メリダとおそろしの森」だけです。日本では7月21日に公開され、今も上映中。韓国題は「메리다와 마법의 숲(メリダと魔法の森)」。
 ①「地上の星のように」についてですが、最近読んだ今ソウルでワーホリ中の女性の方のブログ<★TAEYANG★AYANG★>の記事では「今年観た映画の中で、断トツ。いや、ここ数年で1番よかった!!!!」と大感激のコメント、「もし日本語字幕でも出ているなら、みんなにも絶対に観て欲しい」とのことです。しかし、2007年の映画なのに一般公開もなく、DVDも出てないんだよなー・・・。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.0(5)
②Bonsai~盆栽  8.0(1)
③ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
④少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
⑤二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑥メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑦テイク・ディス・ワルツ  7.4(5)
⑧光海、王になった男(韓国)  7.2(8)
⑨ぴちぴち(韓国)  7.0(6)
⑩テッド  7.0(2)

 ⑦と⑩の2作品が新登場です。
⑦「テイク・ディス・ワルツ」は、日本では8月11日に公開されました。ヒューマントラストシネマ有楽町で上映中です。韓国題は「우리도 사랑일까」です。
⑩「テッド」は、アメリカのコメディ。韓国題は「19곰 테드(19熊テッド)」。「곰(コム.熊)」と「금(クム.禁)」をかけているんですね。つまり「19禁」。未成年者観覧禁止。友だちのいない少年のために両親がプレゼントしたのがクマのぬいぐるみテッドは、ある日魂が宿って動いたりしゃべったりしはじめて人気者に・・・。その後30年、少し子どもっぽい持ち主と一緒に成長したテッドの方は、外見はそのままですが酒も飲むし、かなりスケベになっちゃって、・・・でこの映画もR指定というわけです。日本公開は未定。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月28日(金)~30日(日)] ★★★

         「光海、王になった男」が500万人を突破し、トップを堅持

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・1,379,346 ・・・・・・・・5,234,405 ・・・・・・・・38,342・・・・・・・935
2(新)・・96時間 Ⅱ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・776,831 ・・・・・・・・・・962,338 ・・・・・・・・・7,368・・・・・・・682
3(2)・・間諜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・275,007 ・・・・・・・・・・840,498 ・・・・・・・・・5,991・・・・・・・454
4(13)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・208,613 ・・・・・・・・・・223,901 ・・・・・・・・・1,729・・・・・・・435
5(24)・・テッド ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・66,326 ・・・・・・・・・・・83,150 ・・・・・・・・・・・633・・・・・・・248
6(新)・・占い師たち(韓国)・・・・・・・・・・10/03・・・・・・・・・・・・・・・・48,271 ・・・・・・・・・・・53,628 ・・・・・・・・・・・385・・・・・・・176
7(6)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・28,266 ・・・・・・・・・・217,147 ・・・・・・・・・1,492・・・・・・・145
8(4)・・テッド:黄金都市 ・・・・・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・20,515 ・・・・・・・・・・127,868 ・・・・・・・・・・・917・・・・・・・194
        パイティティを探して
9(5)・・ピエタ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・9/06・・・・・・・・・・・・・・・・18,365 ・・・・・・・・・・570,949・・・・・・・・・・4,111・・・・・・・142
10(8)・・バイオハザードV・・・・・・・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・・10,870 ・・・・・・・・・・550,480・・・・・・・・・・4,698・・・・・・・132
        リトリビューション
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回、とくに5位以下の観客動員数がかなり少ないのは、この週末はちょうど民族大移動の秋夕(チュソク)と重なったためでしょうか。
 新登場は2・4・5・6位の4作品です。
 2位「96時間 Ⅱ」(ヌルボによる仮題)は「96時間」の第2作。韓国題「테이큰 2」は原題「Taken 2」そのまま。日本公開は不明ですが、もしかして来年?
 4位「メリダとおそろしの森」は上述の通り日本では既公開。
 5位「テッド」は上述の通り。8位の方と紛らわしいタイトルです。
 6位「占い師たち」はホラーコメディという新ジャンル映画なのだそうです。「人喰猪!公民館を襲撃す!」のシン・ジョンウォン監督、とここまででもうB~C級映画の香りが漂ってきそう。田舎の村で数十数年間繰り返されている謎の事件の解決のために、幽霊を追い払う、科学を駆使、幽霊を見る、未来を見る、過去を見る等々の能力を持った占い師たちが集まり、住民が隠している秘密や呪いを解決するいうストーリー。キム・スロが悪霊にとりつかれた女性に除霊儀式を施したり、火のついたような姿から死んだふりまで熱演してるそうですが・・・。原題は「점쟁이들」。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・地上の星のように ・・・・・・・・・・・・・9/06 ・・・・・・・・・・・・・・・1,016 ・・・・・・・・・・・・・16,756・・・・・・・・111・・・・・・・・・・13
2(3)・・ピナ・バウシュ 夢の教室 ・・・・・・・8/30 ・・・・・・・・・・・・・・・・・667 ・・・・・・・・・・・・・15,634・・・・・・・・291・・・・・・・・・・・6
3(5)・・メゾン ある娼館の記憶・・・・・・・・・9/20・・・・・・・・・・・・・・・・・・152 ・・・・・・・・・・・・・・・・959・・・・・・・・・・7・・・・・・・・・・・6
4(7)・・あの頃、君を追いかけた・・・・・・・・8/22 ・・・・・・・・・・・・・・・・・132・・・・・・・・・・・・・・34,373 ・・・・・・・243・・・・・・・・・・・4
5(15)・・ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド・・8/02 ・・・・・・・・・・123・・・・・・・・・・・・・・・8,095・・・・・・・・・62・・・・・・・・・・・1

 新登場は5位「ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド」だけ。しました。レゲエの神様ボブ・マーリーが36歳で病死したのが1981年なのか。もう30年以上前になるんだなー・・・。この映画は彼の生涯のドキュメンタリー。日本ではすでに9月1日に公開され、上映中です。韓国題は「말리(マルリ)」、これだけでは何だかわかりませんでした。

韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20(2012年9月24日~30日)

2012-10-01 21:44:12 | 韓国のTV番組 週間視聴率ベスト20
 2ヵ月に1回の記事です。前回は→コチラ

 データの出所は韓国の視聴率調査機関TNmSのサイトです。

 前回はベスト20のうち9つがロンドン五輪の中継でしたが、今回は通常の形に戻った、と言っていいかどうか・・・。今年は9月30日(日)が秋夕(チュソク)で、その前後で特別番組も組まれてますからねー。

【9月24日(月)~30日(日)】

①日日連続劇「星も月も取ってあげる[별도달도따줄게]」(KBS1)  26.8%
 6位から大幅アップ。8月30日から始まったKBS WORLDでは「星も月もあげる」になってます。詳しい展開は言わぬが花ですね。あいかわらず大波小波の続く展開で、静かな湖の表面のように変化のない私ヌルボの日々とは大違い。いや、湖じゃなくて沼だな・・・。

②週末連続ドラマ「私の娘ソヨン[내 딸 서영이]」(KBS2)  24.9%
 <国民的ドラマ>「タナボタのあなた」の後続ドラマとして9月15日にスタート。大学4年の夏休み、心臓病の母が容態悪化との知らせにバイト中のソヨン(イ・ボヨン)は他人のバイクを寸借(!)して空港に駆けつけ、済州島の病院へ。しかし母の臨終に間に合わず。葬式後、父の借金まで返すためにまた休学して大会社社長の息子の問題児高校生の家庭教師をやることになるのですが、その高校生の兄カン・ウジェ(イ・サンユン)がなんとバイクを取られちゃった男! またソヨンには双子の兄イ・サンウ(パク・ヘジン)がいるのですが、彼とウジェの妹も交通事故現場で偶然知り合っていて・・・。いやー、最初からこの濃ゆさ、韓ドラらしさ全開です。

③KBSニュース9(KBS1)  21.3%

④ギャグコンサート[개그콘서트](KBS2)  18.8%
 視聴率は上がったが順位は2つダウン。オリンピックが終って前々回の順位に復活。

⑤無限挑戦[무한도전](MBC)  18.5%
 今年1月以来、久々の登場。実はこの番組、MBC労働組合のストライキで2月4日から24週間本放送の代わりに再放送分を放送していたのですが、7月21日から本放送が再開されました。この番組関係では、最近こんな話題も・・・。→コチラ参照。

⑥週末特別企画ドラマ「メイクィーン[메이퀸]」(MBC)  16.5%
 ジャガイモの話、じゃないです。一人の女性が逆境と苦難を乗り越えて海洋専門家として成長していく過程を描くという物語。メイクィーンというのは、ヒロインのヘジュ(ハン・ジヘ)が夢みる船の名前です。で、対照的な2人の男がいて、彼女をめぐって三角関係に陥る・・・。

⑦朝ドラマ「天使の選択」[천사의선택](MBC)  16.5%
 前回の⑰位から大幅アップ。

⑧日曜日がいい[일요일이 좋다](SBS)  16.4%
 5月以来の再登場。

⑨ラブ・イン・アジア[러브인아시아](KBS1)  16.0%
 前々回(5月)で紹介しましたが、KBS WORLDのサイトでは「ラブ人アジア」。そうなの?

⑩日日ドラマ「それでもあなた[그래도 당신]」(SBS)  15.3%
 財閥の経営権紛争に巻き込まれ、離婚した夫婦とその家族の物語を通じて、結婚の条件を描くドラマ、なのかな? 偽装離婚で本当に夫を奪われたチャ・スニョン(シン・ウンギョン)が、変心した夫と奪われた娘を取り戻すために夫のライバルと偽装恋愛を敢行しながら繰り広げられる背信と復讐を描く、・・・ってすごいドロドロしてるなー。

⑪水木ドラマ「世界のどこにもいない優しい男[세상 어디에도 없는 착한 남자]」](KBS2)  15.3%
 「カクシタル」の後続ドラマ。自分の欲望のためにカン・マル(ソン・ジュンギ)を裏切ったソ・ウンギ(ムン・チェウォン)。知らずに彼女を愛しつづけたカン・マルは、その後女性の裏切りに気づき、優しい男から悪い男に変わる・・・。
 ところで、このドラマのタイトルは、当初は意図的に「차칸 남자」とされていたのですが、正しい表記にすべきだとの抗議が上がり、第3話から「착한 남자」に変更されました。この番組は「チキンマル(치킨마루」というフライドチキンの会社がメインスポンサーになっており、最初のタイトルはチキン(치킨)を連想させる宣伝で、主人公の名前マル(마루)もその一環だ、とネット上で話題になっていたために変更したようだ、とKBS WORLDの記事にありました。その記事には、MBCで今春に放映されていた「The King~Two Hearts」はハングル表記は「더킹 투 하츠(ド・キング・トゥ・ハーツ)」で、「これはメインスポンサーの「던킨도너츠(ダンキンドーナツ)」を連想させると言われています」とのこと。うーむ、これは相当にアヤシイぞー・・・。

⑫「地球村歌自慢[지구촌노래자랑]」(KBS1)  14.6%
 「全国歌自慢」の秋夕特集として9月30日放映。汝矣島公園特設ステージで、在韓国外国人(労働者、結婚移住者、中国同胞、留学生など)が歌やダンス、さらには各国の風習などを自慢する、という内容だったようです。

⑬水木ミニシリーズ「アラン使徒伝[아랑사또전]」(MBC)  14.1%
 この世をさまよう女性鬼神アラン(シン•ミナ)はあの世に行かず、自分が誰なのか知りたがり、助けてくれる人を探し続けます。鬼神を見ることができる使徒ウノ(イ•ジュンギ)は、アランを見ながらも知らないふりをしていますが、これを知ったアランは・・・、という時代劇ファンタジーなんですかねー。

⑭「父の背負子[아버지의 지게]」(KBS1)  13.9%
 旧正月特集「母の甕」に続く番組。老いてなお背負子を背負い続けようとする姿を見かねて息子が背負子を壊しても、101歳になった今も農作業を続けるソン・ビョンウさんのお父さん。狭い階段を上がって高台の街に25年練炭の配達を続ける72歳のイ・チュンウンさん。平和市場のチュ・ギオプさん(62歳)も背負子に反物を一杯積んで商店街の高い階段を昇り降りする。そんな忘れられていた父の人生と出会うヒューマン・ドキュメンタリー。

⑮瞬間捕捉 世の中にこんなことが[순간포착 세상에 이런 일이](SBS)  13.8%
 これも前回の圏外から復活してランク入り。

⑯知りたい話Y[궁금한 이야기 Y](SBS)  13.7%
 3月以来のランク入り。

⑰月火特別企画「ゴールデンタイム[골든타임]」(MBC)  13.3%
 ホントに多い医者関係のドラマ。9月25日が最終回でした。患者の命がかかっている救急室が舞台で緊迫した状況が多く、視聴者が目を離せないシーンも多い一方、ところどころでくすっと笑わせる仕掛けも・・・。そしてやっぱり金とか医療界のモロモロの問題が絡む・・・。

⑱韓国人の食卓[한국인의밥상](KBS1)  12.8%
 9月27日の放送では「秋夕企画 韓国人の食卓世界へ行く」ということで、中国の朝鮮族自治州を訪れ、延吉の市場や朝鮮族の家庭に行ったり、豆満江を前にして「涙に濡れた豆満江」(→YouTube)を口ずさんだり、詩人・尹東柱の生家を訪れたり等々。

⑲テレビ小説「愛よ愛よ[랑아 사랑아]」(KBS2)  12.7%
 7月17日スタートのKBS WORLDでは、「愛よ、愛」というタイトルになってます。70年代、愛を語るには少し照れくさい時代、お互いの気持ちが分かるようで分からなく、何もできない美大生のホン・スンヒ(ファン・ソニ)と新任検事のパク・ノギョン(オ・チャンソク)の間に現れたソウル検察庁の娘ユ・ソジン(オ・ウジョン)がノギョンに心惹かれ始め、積極的にアタック開始、そんな2人を見てスンヒは自分の気持ちに少しずつ気付いていく・・・。スンヒの同郷の友人役で登場していた女優チョン・アユルが6月自殺してしまい、「ドラマの修整不可避」との記事がありました。韓国の俳優の自殺、ホントに多いです。

⑳KBSニュース広場(KBS1)  12.4%