ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

心に響く映画「冬の小鳥」 海外養子の子どもの孤独な内面を描く

2010-10-11 20:06:07 | 韓国映画(&その他の映画)
 「冬の小鳥」を観ようと朝11時頃岩波ホールに着いたら、30分前なのにチケット売場に人の列。結局私ヌルボの数人前で次回(14:30~)回しに。連休最後の日で、天気もいいし、ということで大勢やってきたのか、それとも作品自体の人気か?

 さて、この「冬の小鳥」の感想ですが、思っていたよりもはるかに良かったです。

 1970年代。父親に詳しい説明もなく捨てられてカトリックの児童養護施設に入れられ、養子の受け入れ先を待つ女の子ジニの姿は、ウニー・ルコント監督自身の実体験とのことです。具体的な展開のほとんどは創作とのことですが、「9歳だった時の心のままに書いた」という監督の思いがストレートに伝わってくる感じで、子どもの孤独や不安感、悲しみといったものがなんとも痛切に感じられます。(ヌルボのような第三者でも、大人の1人として罪責感のようなものに捉われてしまいます。かつてわが子を養子に出した親はこの映画を観続けることができるでしょうか?)

 韓国では、以前から海外への養子が多いことは知っていました。
 ホ・ヨンマンの漫画「食客」第1巻にも、<入養(입양.イビャン)>してアメリカに渡った子どもが成人後<思い出の米>を探し求める話がありました。

 パンフレットに、石坂浩一先生が「韓国の海外養子の歴史」という一文を寄せています。それによると、韓国から海外に渡った養子は1953~2004年に15万6242人。実際は20万人に上るともいわれるそうです。海外養子の契機は朝鮮戦争中の米軍兵士と韓国女性との間に生まれた戦争孤児。その後も貧困児童を対象に、主にアメリカへの入養が続いたとのことです。
 また、56年に設立されたキリスト教原理主義のホルト児童福祉会がこれまでの海外養子の半分を送りだしている、ということも初めて知りました。

 ドラマ関係はくわしくないのですが、ソ・ジソプがオーストラリアへの<入養児(입양아.イビャンア)>だった青年を演じた「ごめん、愛してる」や、アイルランドに入養したがアイルランド紛争で家族を失い韓国を訪れた女性をイ・ナヨンが演じた「アイルランド」も90年代以降の海外養子問題への関心の高まりのあらわれといえるようです。

 ウニー・ルコント監督は渡仏後初めて1990年に韓国を訪れ、実母にも会っているそうです。子どもがちゃんと成長して幸せになっているならいいですが、たとえば「韓国 養子」でネット検索するとその反対の事例・事件がいろいろあって、考えさせられます。

 映画の中でも、「食母(식모.シンモ.家政婦)にさせられてしまう!」と養女に行きたくないと泣き出す少女がいます。十分以上にありうるケースなのでしょう。

 この映画の原題は「旅行者(여행자)」ですが、日本題の「冬の小鳥」の方が(めずらしく)いいように思います。

 ジニ役のキム・セロンの、ほとんど笑い顔を見せない表情が印象的です。韓国の今年の大ヒット作「アジョシ」でウォンビンと共演しているのが彼女なんですね。ソチラの方も観てみたいです。

    
  【「冬の小鳥(原題「旅行者」)韓国版のポスター。】

富川1日観光(1) しくじってもそれなりに・・・・

2010-10-11 17:08:54 | 韓国旅行の記録
 9月16日は冨川市に行ってきました。
 目的は①韓国漫画映像振興院(ミュージアム漫画奎章閣) ②ファンタスティックスタジオ この2ヵ所は市街地西方に隣接しているので好都合。 ③教育博物館は逆に市街地の東端なので、どうしようかな、といったところ。

 ソウルの中心部から地下鉄の1号線で松内(송내.ソンネ)駅へ。
 地下鉄7号線の延長工事は2011年完成予定。すると上記①&②も、③も駅から歩いて行けるようになるはずです。

 事前に富川市のウェブサイト(→同日本語版)を見ると、非常に詳細な地図があったのでプリントアウトして持っていきました。

 また、ソンネ)駅からのバスについては、<ソウルナビ>中のファンタスティックスタジオの記事や、<ドラマロケ地を行く>中の記事等に記されています。

 これだけ事前準備をしておけば万全! ・・・と思うでしょうが、私ヌルボ、ぬかりましたねー。ツメが甘かった・・・。
 ソンネ駅前から5-2のバスに乗ったものの、まもなくパスが違う方向に進んでいることに気づきました。(恥&笑)
 同じ番号でも、逆方向のバスに乗ってしまったようで、やはり乗る時に一言「野人時代セットに行きますか?」と聞いておけばよかったですねー。下りて引き返そうかとも思いましたが、予定を変更して上記③教育博物館から行くことにしました。

 教育博物館は丘の中腹の総合運動場内(!)にあるのですが、バスはそちらには行かないので、丘の下の遠美洞(원미동.ウォンミドン)辺りで下車。この地名は、梁貴子(양귀자.ヤン・グィジャ)の小説「遠美洞の人々」の舞台です。三枝寿勝先生の「韓国文学を味わう」というサイトの中で、「時代(1980年代)を代表する2人の小説家として李文烈とともにあげられていた作家・作品なので(読んではいないが)記憶にありました。

 「遠美洞の人々」は翻訳されていませんが、ふつうの町のふつうの人々を描いた小説のようで、たしかに、とりたててどうということのないふつうの町でした。

      
【<「遠美洞の人々」の街>という表示がありますが、とくに関係の説明板とかは見つかりませんでした。】

   
   
【遠美洞総合市場。平日の午前中なのでまだ人は多くはありませんが、活気のあるようす。】

 遠美洞から意外に長い登り坂をたらたら歩いて教育博物館等々の博物館がある総合運動場にたどりついたのですが、教育博物館については別記事にします。

 ※梁貴子の作品で翻訳されているのは「ソウル・スケッチブック」だけのようです。帰ってから読んでみましたが、短編集というより、身近にいる人たちを共感を持って文字通り<スケッチ>したエッセイという感じで、あまり文学臭のない、「チョウンセンガク」風の読み物といった印象を受けました。

 → 富川1日観光(2) 教育博物館
 → 富川1日観光(3) ミュージアム漫画奎章閣(漫画博物館)
 → ソウル近郊・富川市内で延伸工事中の地下鉄7号線と、「野人時代スタジオ」のこと

江南まったり散策(4) パンイ洞百済古墳群

2010-10-09 14:56:21 | 韓国旅行の記録
 9月15日はただ歩き回った1日でした。
 駅三駅-(徒歩)→三陵公園→宣陵駅-(地下鉄)夢村土城駅-(徒歩)→オリンピック公園→夢村土城
 ・・・と朝から歩き、さらに歩いて芳荑洞(방이동.パンイドン)の百済古墳群に行きました。・・・と言っても、このような地味な所は地元の人でも必ずしも知っているわけでもなく、以前石村洞の古墳群に行った時も地図を広げて確認中、通行中の人が「どこに行くんですか?」と声をかけてきてくれたのですが、目的地を言うと首をかしげながら立ち去ってしまいました。
 パンイ洞の百済古墳群もオリンピック公園からそんなに遠くないと高をくくっていたところ、方角がわからなくなってしまい、わりと近づいたと思われる所で地元の人に聞いたのですがわからず。結局自転車の中学生に聞いてやっとわかりました。

 住宅地の中に意外なほどだだっ広い空間が開ける感じだった石村古墳群と違って、パンイ洞古墳群は広い通りに面した小じんまりした丘上に8基の古墳(横穴式石郭墳と竪穴式石郭墳が各4基)が並んでいます。

     
        【ここも町の中にある古墳公園です。】

     
        【(とくに予定がなければ)気が休まるところです。】
 ベンチに腰掛けて話をしている年配の女性2人と少し話をしました。当然無料の古墳公園で、近所の人の夕涼みにはいい場所ですね。フツーの外国人観光客はまず来ないでしょう。
昨日の記事で紹介した<日本人の源流を探る旅>の人たちは当然来て細かく記録していますが・・・。

 なんとなく説明文を見ていて、「アレレ!」と思ったのが下の写真。

            【えっ、百済時代じゃないの!? 】

 「発掘当時は百済の遺物と考えられ百済古墳群と名づけられたが、現在では統一新羅時代のものと考えられている」ですと! しかし、それでも百済古墳群と名のり続けるというのはいかがなもんでしょうね?

 こういう感じの旅だと、ホントにお金はかかりませんよー。

江南まったり散策(3) 夢村土城

2010-10-08 22:44:23 | 韓国旅行の記録
 蚕室方面は、考古遺跡がいくつもあります。
 地下鉄8号線の終点岩寺(암사.アムサ)には約6000年前の石器時代の有名な遺跡で、岩寺洞先史住居址博物館があり、土器作りや火起こし等体験学習もできて、学校の遠足にはもってこいのようですね。・・・といいつつ、私ヌルボ、今回は見送り。
 →公式サイト(韓国語)は、コチラ

 また、ウィキペディアの<百済遺跡>の項目をみると、この近辺では
[都城遺跡]として夢村土城風納洞土城(地下鉄千戸駅近く)、[古墳]としては可楽洞古墳群石村洞古墳群があります。

 石村洞古墳群には以前行ったことがあります。ロッテワールドの真南約5~600m、徒歩でも行ける所ですが、今回は行きませんでした。

   
        【石村洞古墳群。盛り土がこんもりとしてません。】

 夢村土城は、蚕室から1駅の、地下鉄8号線・夢村土城駅から出てすぐ、オリンピック公園内の、広大な百済時代の遺跡です。<Innolife>の記事によると、百済初期(3~4世紀)の城郭とありますが、4~5世紀となっているものもありました。

 1980年代、オリンピック施設建設に伴って発掘が進められ、その後散策路や夢村歴史館などが造られていったそうです。
 学問的なことは<日本人の源流を探る旅>というサイトを参照していただくとして、本ブログでは写真で紹介することにします。

 先に9月17日の記事で偶然撮ったリスの写真を載せました。タイトルにはテキトーに黒リスとしちゃいましたが、その後少し調べたらチョウセンリスというようです。(※9月17日の記事に付記として追加説明を入れておきました。)

    
      【とにかく広々としています。ビル群がはるか彼方に見えます。】

    
      【右手前はなぜか田んぼ。稲がほぼ稔ってきています。】

    
        【田んぼの横の畑では粟(조)を作ってます。】

      
        【発掘で確認された穴に合わせて立てられた木柵。】

    
       【夢村土城の最高地点は約45m。】

       
      【リスの他に、タヌキやウサギもいるそうです。】

     
          【水辺に咲くコスモス。今秋初めて見ました。】

訂正は、忘れた頃にやっと出る(「毎日」 金正恩の写真について)

2010-10-06 12:31:16 | 北朝鮮のもろもろ
 4月20日の朝刊で「金正銀の初の近影写真」を報じた「毎日新聞」。
 本ブログでも紹介したように、その直後、各方面から誤報との指摘がありました。
 しかし、私ヌルボも注視していたにもかかわらず、「毎日」には続報は全然載らないまま。

 ところが今日(10月6日)の朝刊の8面(国際欄)に、「4月掲載「正恩氏」は別人 東京歯科大教授鑑定」との見出しで先の記事の誤りをその根拠を示して認めるとともに、「複数の情報源 事実と誤認」と題して取材の経緯、誤報となった背景と、反省の記事を載せています。

 4月、誤報との指摘があった時点で訂正記事を出さなかった理由を考えてみました。
①<北朝鮮内部の有力な情報筋>というネタ元に対する信頼度が高かった。

 ・・・こんなところでしょうか?

 しかし、今回の記事で鑑定に出した「99年に撮影された中学校のクラス写真」と、4月20日の記事に載せられた「製鉄工場視察の金正日総書記のそばに写っている人物の写真」の2枚については4月の記事掲載の前に鑑定することもできたわけだから、周到さを欠いていたとの非難は免れないところです。
 上記3つの理由の中では、やっぱり③が一番の理由だったような気がしますねー・・・。

 少しだけ弁護すれば、ことほどさように彼の国についての正確な情報は得るのがむずかしいということでしょう。具体的にはわかりませんが、<北朝鮮内部の有力な情報筋>からのネタでも信頼を置き過ぎると誤ってしまうというわけです。
 そのことは、われわれも念頭においておくべきことだと思います。北朝鮮関係の情報は常に心の中に「?」を確保しておくことです。

 上記の件と直接関係はないのですが、金正恩について何人かの知り合いとの話の中で、彼の漢字表記が話題になりました。
 「なぜなかなかわからなかったのか?」「なぜ北朝鮮当局はもっと早く公表しなかったのか?」等々。
 私ヌルボの考えでは、こうした質問が出ること自体が日本人としての1特性だと思います。
 韓国では、親しい友人でも相手の名の漢字表記を知らないケースはめずらしくありません。
 それでも韓国の新聞等の場合、簡単で便利な漢字は用い、また必要最低限の漢字はハングルの後にカッコ書きで入っていますが、北朝鮮の場合は公式サイト<우리 민족 끼리(ウリミンジョクキリ.わが民族同士)>をみると100%ハングルです。そういう国ですから、「日本人はなんでそんなに漢字が気になるの?」という感じではないでしょうか?
 ※韓国の「東亜日報」を見ると、韓・日・中・美(アメリカ)・英・北(北朝鮮)のような国名はしばしば漢字を用いています。その他、男・女・法・大等は比較的よく見る漢字。

 さて、今回明らかになった金正恩の写真について、さっそく「金日成に似ている」「似せて整形した」等々の話から、韓国サイトでは「人相から性格・人物像をみると・・・」等々、さまざまな情報が飛びかっているようです。
 本ブログでは、このネタについてはもう少し落ち着いてから(書くことがあれば)書くというスタンスでいきたいと思います。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月1日(金)~3日(日)]

2010-10-05 22:58:26 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 鴨居のららぽーと横浜では、「瞳の奥の秘密」「TSUNAMI ツナミ」の両方を上映しています。以前から両方観ようと思っていた私ヌルボ、しめたとばかりに行ってから気づいたのが、なんと「TSUNAMI ツナミ」は日本語吹替版しかやってないではないですか! 急遽確認したところ、関東圏では日本語吹替版が83館もあるのに対して、字幕版は新宿ミラノとシネマート六本木のわずか2館だけ。まあ韓国語の勉強を最優先に映画館に足を運ぶ人はそんなに多くはなくても、ハ・ジウォンやオム・ジョンファの 声も吹き替えじゃダメという人と合わせても、吹き替え派がその40倍も多いというのだろうか?
 ・・・ということで、「瞳の奥の秘密」だけ観てきました。「周到な伏線、滲んだ記憶、軽い言葉のやり取り、狭い箱の中での緊張、歓声の中の追跡、愛を語る眼。知的で繊細で、大胆で、残酷で、切なく美しい」映画です。←「映画生活」のサイトには、洒落たレビューを書く方がいますねー。アカデミー外国映画賞受賞もナットクの佳作です。

   ★★★ Daumの人気順位(10月5日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①泣くな、トンズ(韓国)  9.9(179)
②Live in 3D フィソン It’s Real(韓国)  9.9(27)
③アジョシ[おじさん](韓国)  9.4(5377)
④サンキュー、マスター・キム(豪・日)  9.3(20)
⑤怪盗グルーの月泥棒  9.2(223)
⑥アバター:スペシャルエディション  9.0(4990)
⑦地球から来た男  
⑧ソラニン(日本)  8.7(35)
⑨シラノ:恋愛エージェンシー(韓国)  8.7(1473)
⑩僕の初恋をキミに捧ぐ(日本)  8.7(129)

②と⑦が初登場。
 ②、歌手フィソンが先月アックスコリアで撮影した公演を自ら構成・演出した 3Dドキュメンタリー。
④は9月7日の記事で紹介しました。
⑦、韓国題は「맨 프럼 어스(The Man from Earth)」と原題のまま。2007年アメリカ作のSFですが、アメリカといっても大仰ではなく、SFといっても不気味な異星人が現れるわけでもない、ある紹介記事で見るかぎりおもしろそうだな、とヌルボは思うのですが・・・。
http://cinerun.blogspot.com/2008/09/man-from-earth.html

【専門家による順位】

①アバター:特別編  9.3(8)
②オッキの映画(韓国)  8.5(5)
③ブンミおじさん  8.1(7)
④キム・ポンナム殺人事件の顛末(韓国)  8.0(8)
⑤招かれざる客(韓国)  8.0(1)
⑥インセプション  7.7(8)
⑦The Kids Are All Right  7.7(7)
⑧土の女(韓国)  7.5(2)
⑨サンキュー、マスター・キム(豪・日)  7.2(4)
⑩悪魔を見た(韓国)  7.1(7)

 ⑤だけが新登場。韓国のSFで、原題は「불청객(不請客)」です。SFといっても、韓国社会の現実を直接題材にした作品。万年受験生のジンシクは試験は迫るがスランプ状態。同じく半地下室で自炊している就職準備中のカンヨンとウンミンは廃人のように寝てばかり。この家に、ある日大きな爆発音とともに正体不明の小包が落ちてくる。ジンシクが開けてみると4次元のポイントマンが現れ、銀河連邦のロンリースター寿命銀行と契約が成立したという。ポイントマンの超能力により家ごと宇宙に連れ去られた3人。彼らは何とか帰ろうとしてポイントマンと凄絶な死闘を繰り広げるが・・・。・・・と、これもなんだらおもしろそうですよ。B級SF映画の香りが漂ってますね。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月1日(金)~3日(日)] ★★★
         シラノが2週連続1位

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・封切り日・・・・・・週末観客動員数累計・・・・観客動員数・・・・上映館数

1・・シラノ:恋愛エージェンシー(韓)・・09/16 ・・・・283,664・・・・・・・・・・・・・・1,789,638・・・・・・・476
2・・食べて、祈って、恋をして・・・09/30・・・・・・・・・186,110 ・・・・・・・・・・・・・・・229,037・・・・・・・383
3・・パンガ? パンガ!(韓) ・・・09/30・・・・・・・・・175,740 ・・・・・・・・・・・・・・・222,913・・・・・・・322
4・・無敵者(韓) ・・・・・・・・・・・・・・09/16 ・・・・・・・・・・98,992 ・・・・・・・・・・・・・1,434,911・・・・・・・371
5・・怪盗グルーの月泥棒 ・・・・・09/16・・・・・・・・・・・84,105・・・・・・・・・・・・・・・887,387・・・・・・・313
6・・解決士(韓) ・・・・・・・・・・・・・・09/09・・・・・・・・・・・81,760・・・・・・・・・・・・・・1,761,828・・・・・・・318
7・・バイオハザードIV・・・・・・・・・09/16・・・・・・・・・・・72,374・・・・・・・・・・・・・・1,128,853・・・・・・・296
    アフターライフ
8・・アジョシ(韓) ・・・・・・・・・・・・・08/04・・・・・・・・・・・55,191 ・・・・・・・・・・・・・6,103,136・・・・・・・219
9・・借りぐらしのアリエッティ(日)・・09/09 ・・・・・・・・31,672 ・・・・・・・・・・・・・1,043,953・・・・・・・222
10・・クイズ王(韓) ・・・・・・・・・・・・09/16 ・・・・・・・・・・13,949 ・・・・・・・・・・・・・・・560,197・・・・・・・203

 ドングリの背比べだったチュソク映画の中で、「シラノ」がここにきて2週連続トップで通算でも「解決士」を抜きました。
 初登場は2位と3位の2作品。
 2位、日本では9月17日から公開されています。
 3位は韓国の低予算コメディ映画。・・・といっても、これまた上述の「招かれざる客」同様韓国の若年層の就職難とか外国人労働者問題を描いています。主人公テシクは、小さな身長と容貌のために何度挑戦しても就職できず、偶然東南アジア人と誤解されたことをきっかけに東南アジア人のふりをしながら就職する。そして彼らとも親しくなって助けあったり恋に落ちたりもするが・・・。タイトルの「パンガ? パンガ!(방가? 방가!)」は「ヨロシク? ヨロシク!」とでも訳すのですかねー?

        
【「パンガ? パンガ!」のポスター。中央の白字は「就業の達人現れました!」】

「トルチャビ」 1歳の誕生日で将来をうらなう

2010-10-05 16:18:13 | 韓国・朝鮮関係の知識教養(歴史・地理・社会等)
 先日、先生(韓国人)から秋夕(チュソク)の상차림、つまりお供え物の並べ方について教わりました。
 <魚東肉西(어동육서>等の言葉は韓国の人はふつうに知っているとのことです。
しかし、それらについては<コネスト>のサイト中にとても詳しい説明記事があったので丸投げすることにして、・・・・

 ここでふと私ヌルボが思い出したのは、この夏大阪・鶴橋のソウル書林で購入した「祭禮法」という小冊子のこと。まさにそんな韓国の冠婚葬祭関係のことがいろいろ具体的に載っているんですねー。先生も、韓国の各家庭でそんな本を持っていると話してました。

         
【「祭禮法」の表紙と、内容項目の部分拡大(色合いが違うが)。上から「紙榜の書き方」「祝文の書き方」等々。】

 ツンドクになっていたその「祭禮法」をみると、新年とかとか秋夕のこと、葬儀の場合、還暦のお祝い等々とともに、돌상차리는 법(トルの膳の整え方)というページがありました。
 (トル)というのは(石ではなくて)満1年になる日。つまり子どもの初誕生日で、この時に돌잡이(トルチャビ)といってテーブルの上に並べたいろんな物の中から子どもが何を取るかによってその子の将来を占うというものです。

 その物の種類と並べ方が下の写真の通り。

  

 子どもに近い方から、
1列目、向かって左から사과(リンゴ)と배(梨)、국수(麺)、쌀(米)、떡(餅)、 
2列目が붓(筆)、돈(金)、활(弓)、
3列目が먹(墨)、벼루(硯)、책(本)、청실(青糸)と홍실(紅糸)、무명실(木綿糸)
が置かれています。

 何を取るとどうなるか? 下の説明は次の通り。
米=裕福になる。 
麺=長生きする。
本=勉強ができる。
金=金持ちになる。
弓=武人になる。
筆・墨・硯=能書家になる。
青糸・赤糸ほ長生きする。(木綿糸も同様でしょう。)

 ※대추(ナツメ)=子孫が繁栄する。・・・というのもありますが、絵にはないですね。
 ※この頃は、サッカーやゴルフボール、マイク等々いろんな物を置く、というのもあるようです。

 さて、ここでいきなりクイズです。出典は、新聞だかに載っていた4コマ漫画だった、かな?
 トルチャビで、テーブルの上の物を全部抱え込んでしまった子どもがいました。それを見て大人たちが言います。「この子はきっと、[   ]になるだろう。」
 さて、[   ]にあてはまる言葉はなんでしょう?

 正解はコチラ → [政治家] ※範囲指定をすると現れます。

金浦空港内・COFFEE STORYの韓流スターの色紙

2010-10-04 23:36:42 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 横浜在住ということもあって、ここ数年の韓国旅行はほとんど羽田~金浦を利用しています。
 難をいえば、どちらの空港もしょぼいこと。羽田は今月21日から新国際線ターミナル誕生ということで期待していますが、金浦はずっとあのままなんでしょうか?
 で、金浦で時間待ちという時にも入る店が限られてしまいます。午前発ということが多いのですが、たいていはCOFFEE STORYという店で、軽く朝食。空いていて長居できる雰囲気なのも○。

      

 この店の柱の1つに、以前からたくさんの俳優や歌手等の色紙が貼ってあって、いつも眺めたりしてます。下の写真は2008年のものです。
 ビッグネームがずらっと並んでますよ。
 私ヌルボが最初に目にとまったのはアン・ソンギ。それにチョン・ドヨンとかチェ・ミンシクとか・・・。やっぱり映画俳優ですね。サッカーのアン・ジョンファンもありますね。これを撮った時にはチェ・ガンヒは知らなかったなー・・・。残りは知ってる名前が半分ちょっと、というところですかねー。

    

 そして下が今年のもの。色が全然違いますが、違うカメラで撮ったせい?か、明るさの違いか? 角度も少し違いますが・・・。

    

 2年前と一部配置が変わって、さらに下1列分増えてますね。ダビチの2人とかね。
 また、この角度だとペ・ドゥナとかホン・ミョンボの色紙も見えます。
 そして、もうお気づきの方がいらっしゃると思いますが、パク・ヨンハさんの色紙が2年前同様貼られたままになっています。

 それぞれの色紙を解読したり、思い出せない人名を考えていると、退屈しのぎになります。

小説家・李文烈の父親のこと、そして彼の今日この頃・・・・

2010-10-02 23:09:01 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 一昨日の記事に関連して、小説家李文烈について調べたことと考えたことです。

 経歴をみると、彼の父親李元喆(イ・ウォンチョル)は社会主義者で、パルチザンとして北朝鮮に行ってしまった人です。朝鮮戦争当時ソウル人民軍治下にあった時、水原農大の学長として3ヵ月間在職していましたが、妻と子ども5人を残して越北したのです。
 残された家族の生活は苦労の連続で、先の記事に付した年譜を見ればわかるように、各地を転々としています。
 少年時代の李文烈も生活面・精神面ともに不安定だったようで、中学・高校・大学とも中退しています。

 とくに父親が<パルゲンイ(赤)>だったということは、80年代まで存続した連座制のため子どもの進路にまで影響を及ぼします。
 ※ドラマ「砂時計」の主人公テスも、そのために陸軍士官学校への進学の夢を絶たれる。

 李文烈の小説にも、そんな越北した父と残された家族の物語が取り上げられています。
「若き日の肖像」では、第1部「河口」。兄の仕事を手伝いながら受験勉強をしている「私」が遠くから来た友人と飲み屋で飲んでいると、友人は酒に酔って左翼活動中に山中で死んだ父親への恨みごとを語り始めます。士官学校を志願しても、連座制のため認められなかったのです。
 ところが、こちらの席に向ってきて、半ば狂乱状態の友人の頬を力一杯ぶん殴ったのが地元の大学生ドンホの父のソ老人です。
 「よく聞け、若造。人は死んだらそれまでだ。共産党(パルゲンイ[赤])が悪かったとかなんとか言ったところで、死んでしまったらそいつもやっぱり犠牲者ってことよ。罪は、わしらに力がなくて貧しかったことだけよ。」
 ・・・その後、このソ老人自身かつては<パルゲンイ>で、20年前に街の警察署を襲撃する事件を起こし、家族を打ち捨てて逃亡。過去を隠して江盡に隠れ住み、新しい所帯をもつこととなる、・・・という過去も明らかにされます。

 越北者あるいは<パルゲンイ>の残された家族の問題は、「若き日の肖像」の他、「英雄時代」「兄弟との出会い(아우와의 만남)」「辺境」でもに写実的に取り上げられています。

 1999年KBSテレビは<작가 이문열 아버지, 부르지 못한 이름(作家李文烈の父、呼べない名前)>という特別番組を組みました。
 その中で、その後の父の消息について明らかにされています。
 生死さえわからなかった李文烈が初めて父の消息に接したのは1987年。在日同胞の親戚から父の手紙を受け取り、さらにその後中国・延吉の朝鮮族を通して父の2通目の手紙を受け取ります。北で再婚して5人の子を持ち、農林省山河育種関係の専門家として暮らしていたが、引退して咸鏡北道漁郎郡に住んでいるという知らせでした。
 その時から小説家李文烈の父親探しが始まりますが、探しに行った延辺で、李文烈は父の死亡の知らせを聞くことになります。

 彼が各文学賞を受賞し注目されたのが1980年代。当時はやや衒学的な要素が当時の学生たちの支持を得たようです。
 しかし、近年の彼は保守論客の代表格として、マスコミで積極的に発言し、進歩派の批判・非難の的となってきました。
 たとえば、昨年のろうそくデモを批判したり、日韓合併を合法だと発言したり・・・。

 「若き日の肖像」の第2部「楽しからざりしわが若き日」に、大学に入った「私」と政治運動との関わりが(具体的ではないが)次のように記されています。

 「加入初期の群集心理にも似た熱情から覚めるにつれ、しだいにあらゆることが虚しくなってきた。私がそこで何か天賦の権利のように、あるいは自明の真理のように騒ぎ立てていたこてとは、突き詰めてみれば私たちが永いあいだ受けてきた国民形成教育の結果にほかならなかった。・・・それは私たちの信念体系全般に対する抽象的な懐疑であったが、当時私がしていたことに対する具体的な疑念へと急速に発展していった。・・・」

 前述のような自身の境遇、そして厳しい時代状況を生きてきた彼は<保守>といっても一筋縄ではいかない論客です。「中央日報」の2006年の記事で彼は「右派と左派」「進歩と保守」等についての考えを披歴していますが、論敵とするにはなんとも厄介な相手でしょう。

 ところが、最近安重根の生涯を描いた「不滅」という小説を発表しました。
 民族主義とは少し距離をおいているはずの彼がなぜ? ・・・と思いましたが、「韓国速報」の記事によると、昨年の講演で、李文烈は「安重根は日本帝国主義、共和主義者、民衆主義者、カトリック、革命論者、独立運動の各路線、民族主義者という7つの勢力によってそれぞれ必要な部分は浮び上がって、必要ない部分は抹殺、封印されてきた」とし、「歪曲・封印された安重根義士を生き返らせよう」と述べています。
 このあたりが彼ならではの立ち位置ということなのでしょう。

 また、今年3月に彼は、ネチズンたちと直接対話していますが、その「中央日報」の記事は私ヌルボも興味をもって読みました。
 韓国のネチズンといえば、盧武鉉前大統領の主要支持層だった進歩的・民族主義的傾向の強い若者が多く、まさにネット上で李文烈を非難してきた人たちです。
 その場で、李文烈は「過去あれこれ言っては争い、作家として失ったものも多かった。・・・。悪性の書き込みをする人であればあるほど、作品を読んでいない人が多く、このため作品に対する完全な疎通さえ難しかった」等々反省の弁を述べるとともに、
 「昨年末、村上春樹の「1Q84」を読みながら我に返りました。自分に近い年ごろの作家の作品なのに、急に彼と私の違いが何かを知らされたのです。私の作品には怒りがついているのが見えました」
 ・・・と発言。80年代までの政治や社会と格闘する小説、あるいはその中での自身の<身世>を綴った小説。そんな<重い>小説から、<軽い>小説の時代になり、エンタテインメント小説が大量に日本等から流入している中で、<軽くても深い>村上春樹の作品に李文烈は衝撃を受けた、という理解でいいのでしょうか?
 とすると、今後彼の小説はどう変わっていくのか? 注目していきたいと思います。(←手垢のついた結びだなー・・・。)

韓国プロ野球7冠王 李大浩選手、「僕も<オンチャン>」だって?

2010-10-01 23:22:11 | 韓国語あれこれ
 韓国プロ野球は9月26日今シーズンの全日程を終え閉幕。
 順位は①SK ②サムソン ③トゥサン ④ロッテ ⑤KIA ⑥LG ⑦ネクセン ⑧ハンファ。
 個人タイトルで特筆すべきは、ロッテジャイアンツの李大浩(이대호)選手。史上初の打撃部門7冠王に輝きました。8月4~14日9試合連続本塁打という世界記録を樹立して注目された選手です。
 獲得した7つのタイトルは、打率0.364、安打数174、本塁打44本、打点133、得点99、長打率0.667、出塁率0.444。
 投手部門を除くと、取れなかったのは盗塁王だけです。
 これまでは5冠王が最高で、プロ野球元年の1982年に日本球界から移籍した白仁天をはじめ、張鍾勲・李鍾範・李承の4選手が獲得しています。
 詳しくは「朝鮮日報」の記事を参照のこと。

 さて、この李大浩選手関係の情報を見ていると、同じ「朝鮮日報」に「이대호, 나도 '엉짱'(李大浩、僕も'オンチャン')」という見出しの写真記事がありました。

 '엉짱(オンチャン)'? ちょっと首をひねりましたが、彼の後ろ向きの写真でわかりました。
 'オンチャン'のオンは엉덩이(オンドンイ)=お尻の엉なんですね。

 ふり返ってみれば、<몸짱(モムチャン)>とか<얼짱(オルチャン)>とかが流行語になってからずいぶん経ちました。2002年のMBCのドラマ「ロマンス」からだそうです。今はすっかり定着したばかりか、類語も造られて、엉짱もその1つなんですね。

 他にどんな同様の語があるか調べてみました。またgoogleのヒット件数も併記し、その多い順に列記しました。それぞれの語の普及の度合いがおおよそ見当がつくと思います。

얼짱(オルチャン)=顔が良い。9,410,000件
몸짱(モムチャン)=身体が良い。8,670,000件
개성짱 (ケソンチャン)=個性が魅力。7,680,000件
소리짱(ソリチャン)=声が良い。4,370,000件
머리짱(モリチャン)=髪がステキ。or 頭が良い。1,900,000件
성격짱(ソンキョクチャン)=性格が良い。668,000件
다리짱(タリチャン)=脚がきれい。209,000件
엉짱(オンチャン)=お尻が魅力的。181,000件

 さて、ここで問題です。
 팔짱(パルチャン)の意味は?
 「手がキレイ」、と答えた人は間違い。正解は「腕組み」でした。