ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

韓国内の映画の興行成績 [11月4日(金)~11月6日(日)]と人気順位 ►原作小説が好評だった「ザリガニの鳴くところ」、映画はどうなんだろ?? ►「自白」2週連続1位もさらに落ち込む動員数(😢涙)

2022-11-14 17:59:14 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
※日付要確認! 1週間以上も遅れてしまいました!

▶2018年以降、本ブログはほとんど映画の記事になってしまいました。字数も多過ぎます。それ以前、とくに2009年の記事を見ると(自分で言うのもなんですが)記事の内容も多彩でおもしろかったと思います。自身の老化は如何ともしがたいとは言え、今後工夫してなんとか立て直しを図らなくては。とりあえずは映画関係の記事をもっとスリムにして読みやすくする。また週に1度は映画以外の記事を載せる・・・といったことを考えています。ネタはいろいろあるのですが、ほとんど記事にしないまま虚しく消えていく感じだしねー・・・。

▶今回の記事中でちょっとだけ注目の韓国映画その1は、ホン・サンス監督の新作「塔」・・・なのですが、下の記事の簡単なストーリーを読んでもやっぱりほとんど意味不明。しかし実際に観てみるとなぜか引き込まれてしまうのがこの監督の持ち味でしょうね。今年4月公開の「小説家の映画」は今年2月<第72回ベルリン国際映画祭>で銀熊賞(審査員大賞)を受賞。この2作ともたぶんそのうち日本ても公開されるでしょうが、ワクワク感はありません。と言いながらも観に行っちゃうんだよなー(笑)。
 続いてちょっとだけ注目の韓国映画その2は、原題(韓国語)が「초선(チョソン)」で英題が「CHOSEN」という韓国のドキュメンタリー。このタイトルを見て「むむっ、<朝鮮>だと?」と緊張する方も少なからずいそうですが、<朝鮮>とは直接関係ナシ。韓国系アメリカ人が先日行われた下院議員選挙に5人が出馬して・・・という話。「초선」は漢字だと<初選>つまり<初当選>の意味になります。また<CHOSEN>はchooseの過去分詞で<選ばれた>の意。この作品の内容をチラ見した限りではアメリカ国籍になっても本国の韓国人の彼らに対する同朋意識は日系◯◯人に対する日本人の意識よりかなり強い感じが窺われます。

▶今回の記事中で注目の外国映画は「ザリガニの鳴くところ」。昨2021年世界的なベストセラーとなった同名のミステリーの映画化作品で、日本でも11月18日公開されます。私ヌルボも去年発売直後さっそく読もうと思ったのですが、単行本の2,090円という定価に二の足を踏んでいまだに未読。「9割以上は映画より原作が上」という私ヌルボの経験則を考えるとなんだかなーの感もありますが、良い本は映画を観た後読んでも失望したことはないので観ることにしよう。※韓国の映画誌シネ21の記者氏は「原作の最大の強みを除いているので、むしろ平凡な通俗劇になった」と5/10点と低めの評点しか付けてないのも気になります。

  ★★★ NAVERの人気順位(11月9日(水)現在上映中映画) ★★★
    ※[記者・評論家による順位]とも①など右の( )は前週の順位。評点の後の( )は採点者数。
     初公開から1年以内の作品が対象。「初登場」とは本ブログでの初登場。

     【ネチズンによる順位】 

①(新) 初戦[CHOSEN]  9.48(21)
②(8) 映画クレヨンしんちゃん 謎メキ! 花の天カス学園(日本)  9.35(1,277)
③(9) 人生は美しい(韓国)  9.24(7,298)
④(10) 劇場版呪術廻戦 0(日本)  9.24(1,705)
⑤(新) STARGAZER: ASTROSCOPE(韓国)
⑥(2) 私を殺して(韓国)  9.22(104)
⑦(3) スープとイデオロギー(日本)  9.21(56)
⑧(-) 劇場版 キジのかあさん:都市へ行ったひなキジ家族(韓国)  9.15(183)
⑨(-) 水滴を描く男(韓国)  9.02(51)
⑩(新) 映画『ゆるキャンΔ』(日本)  8.88(25)

 ①⑤⑩の3作品が新登場です。
 ①「初選[CHOSEN]」は韓国のドキュメンタリー。最初韓国題の「초선」を見て一瞬<朝鮮>!?かと思いましたが、ソチラは<조선>。激音だと<初選>つまり初当選の意になります。カタカナだと同じ<チョソン>ですが平音と激音の違い、紛らわしいです。
 「私たちはこの場所でも芽を出します」「世の中に在米韓国人を見せたかった」。
 コロナと景気沈滞、人種的葛藤が最高潮に達した2020年、政治的理念、世代、性別、そして出身の異なる5人の在米韓国人がアメリカ大統領選挙と共に行われる下院選挙に挑戦します。5人の韓国系アメリカ人の出馬は過去最多。在米韓国人で弁護士出身のチョン・フソク監督は今回の作品で米国内の韓国人社会の今を描きたかったと語っています。彼らが移民としてどのように成長し、アメリカの政治界になぜ飛び込んだのか、そして1992年にあのLA暴動が彼らにどのような影響を与えたのか等々。とくに本作の主人公である新人デビッド・キム候補は自身選挙区を周る草の根選挙を展開して共感を引き出し、当選の可能性もありそうとのこと。また本作に登場した4人の現職韓国系候補たちも再選の可能性が非常に高いと予想されています。
 ・・・というこで結果はいかに?と→朝鮮日報の記事(日本語)を見ると「現職下院議員4人そろって当選」したが「デビッド・キム候補は「当選の可能性は高くない」とありました。
 なお、英題の「CHOSEN」も<チョーセン>と読まれそうですが(選挙で)<選ばれた>の意味。なんともややこしいタイトルです(笑)。
 ⑤「STARGAZER: ASTROSCOPE」は韓国の6人組男性アイドルグループASTROの公演実況&ドキュメンタリー。
 ASTROを撮った最初の映画です。2022年5月ASTROの3回目のコンサートが行われました。ASTROならではのカラフルな魅力いっぱいのステージと、そこに到るまでの数多くの汗や様々な悩みが滲んでいるコンサート準備過程、そしてどこでも公開されたことのないメンバーたちの本気満載のインタビューまでを収めています。ASTROと、その公式ファンクラブのAROHAが一緒に走ってきた道、そして一緒に進む光る旅の記録です。
 本作は12月23〜29日の1週間東京・大阪・愛知・北海道・福岡の5ヵ所で上映される予定です。原題は「스타게이저: 아스트로스코프」です。
 ⑩「映画『ゆるキャンΔ』」は、(毎度のように)私ヌルボ、語る資格がないので説明等はスルーします。韓国題は「극장판 유루캠△」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 別れる決心(韓国)  8.71(14)
②(新) 塔(韓国)  8.50(2)
③(4) エブリシング・エブリホエア・オール・アット・ワンス  8.33(9)
④(5) 2次送還(韓国)  8.20(5)
⑤(6) 私は最悪。  8.00(9)
⑥(7) 小説家の映画(韓国)  8.00(3)
⑦(9) #AfterMeToo(韓国)  7.67(3)
⑧(10) シン・エヴァンゲリオン劇場版(日本)  7.50(2)
⑨(-) 水滴を描く男(韓国)  7.25(4)
⑩(-) 昼間は暑く夜は寒く(韓国)  7.00(6)

 ②「塔」が新登場です。ホン・サンス監督の新作。今年日本で公開された「イントロダクション」「あなたの顔の前に」に続いて、今年も「小説家の映画」に続き2作目。実に旺盛な制作意欲です。また主演のクォン・ヘヒョとイ・ヘヨンも「あなたの顔の前に」「小説家の映画」に続いての出演です。
 中年の映画監督が久しぶりに出会った娘と一緒にインテリアデザインをしている女性の建物を訪ねます。娘がインテリアデザインを学びたくて彼女の助言を得るためです。デザイナーは直接直したその4階建ての建物の所有者であり、自分がどのように直したのかを見せたいと思って1階から順に2人を案内して上がります。各階の部屋を全部開けて入ってみる3人。そのように始まった映画はその後再び下から1階ずつ上がります・・・。原題は「탑」です。

★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績11月4日(金)~11月6日(日) ★★★

「自白」が2週連続1位だが、さらに落ち込む観客動員数
                      
【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・自白(韓国) ・・・・・・・・・・・10/26・・・・・・172,270・・・・・・・536,004・・・・・・5,336 ・・・1,100
2(2)・・リメンバー(韓国) ・・・・・10/26・・・・・・・69,483・・・・・・・366,876・・・・・・3,562 ・・・・・963
3(3)・・ブラックアダム ・・・・・・・10/19・・・・・・・64,315・・・・・・・755,364・・・・・・7,804 ・・・・・777
4(4)・・映画クレヨンしんちゃん・・9/28・・・・・・42,765・・・・・・・752,940・・・・・・7,551 ・・・・・581
       謎メキ! 花の天カス学園(日本)
5(6)・・エブリシング・エブリホエア・・10/12・・40,567 ・・・・・・241,471・・・・・・2,588 ・・・・・421
       ・オール・アット・ワンス
6(5)・・人生は美しい(韓国)・・・・・・9/28 ・・・・・・28,352・・・・・1,118,238 ・・・・10,453 ・・・・・562
7(7)・・共助2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/07 ・・・・・・13,784・・・・・6,974,145 ・・・・70,856 ・・・・・357
       :インターナショナル(韓国)
8(新)・・高速道路家族・・・・・・・・・・10/26 ・・・・・・・9,174・・・・・・・・17,107・・・・・・・・135 ・・・・・222
9(8)・・アインボ・・・・・・・・・・・・・・・10/26 ・・・・・・・8,035・・・・・・・・31,178・・・・・・・・253 ・・・・・176
       :アマゾンの精神
10(26)・・ザリガニの鳴くところ・・11/02 ・・・・・・5,024・・・・・・・・・9,674・・・・・・・・・97 ・・・・・258
  ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン

 2位でも10万人を割るとは前週に輪をかけて低調な数字です。新登場は8・10位の2作品のみです。
 8位「高速道路家族」は韓国のドラマ。
 ギウ(チョン・イル)とその家族たちは高速道路の休憩所のテントを住まいに、夜空の月を灯りにして暮らしています。彼らは再び出会うことのない休憩所の訪問客たちにお金を借りて、キャンプをするように流浪して生きてきました。ところがある日、すでに1度会ったことのある女性ヨンソン(ラ・ミラン)と別の休憩所でまた出会ってしまいます。人生は遊び、一生は旅のように生きてきた高速道路家族と、彼らのことが気になる中古家具店社長のヨンソン。この2度の偶然の出会いは予期せぬ事件につながっていきます・・・。原題は「고속도로 가족」です。
 10位「ザリガニの鳴くところ」はアメリカのドラマ&ミステリー。ディーリア・オーエンズによる同名の原作小説は世界で1500万部超というベストセラーで、日本でも2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位となる等好評を得ました。日本公開は11月18日で、すでに→公式サイトも用意されているので内容説明等は省略します。韓国題は「가재가 노래하는 곳です」。

【独立・芸術映画】
順位 ・・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(3)・・プロメア(日本)・・・・・・・・・・・・・・・10/20 ・・・・1,576 ・・・・・・・・・6,799・・・・・・・・・・74 ・・・・・・・17
2(34)・・隣りの家の人(韓国) ・・・・・・・・・11/03・・・・・1,523 ・・・・・・・・・3,417・・・・・・・・・・26 ・・・・・・・69
3(28)・・アルカラス ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/03・・・・・1,403 ・・・・・・・・・2,293・・・・・・・・・・21 ・・・・・・・44
4(再)・・はじまりのうた・・・・・・・・・・2014/8/13・・・・・1,043・・・・・3,474,029 ・・・・・27,387・・・・・・・・・1
5(13)・・大巫歌(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/12 ・・・・・1,027・・・・・・・・62,470 ・・・・・・・・562・・・・・・・・・6

 2・3位の2作品が新登場です。
 2位「隣りの家の人」は韓国のスリラー&コメディ。国内の映画祭の他、<第40回ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭>、<第42回ハワイ国際映画祭>等々の映画祭にも引き続き招待され上映された作品です。
 夜中に何が起こったのだろう? ・・・と警察公務員を目指して5年目のチャンウ(オ・ドンミン)がひどい二日酔いで目を覚ますと、そこは見知らぬワンルームの中。いや、これまでひどい騒音で自分を狂わせてきた隣の404号室だ。とすると、ここで死んでいる人がその住人なのか? チャンウはあせります。すると犯人は自分、えっ自分ってこと?? 原題は「옆집사람」です。
 3位「アルカラス」はイタリア・スペイン合作のドラマ。今年2月の<第72回ベルリン国際映画祭>で金熊賞を受賞した作品です。タイトルの<アルカラス>はスペイン北東部(地中海側)のカタルニア地方の地名です。そこで土地の権利書を所有していなかったために農地を追われることになった桃栽培農家の家族が過ごす最後の夏を描いた作品です。
 太陽が照りつける小さな村アルカラス。桃を収穫するために、夏が来ればソレ一家は家族3代が集まり、輝くような季節を味わいます。桃のように見栄え良く熟していく家族たち。その年の夏の桃はそれぞれの記憶の中で育ち続けることでしょう。
 この映画の魅力は主人公が俳優ではなく、お互いを知らないアルカラスの住民によって演じられていることです・・・。韓国題は「알카라스의 여름(アルカラスの夏)」。日本公開は未定のようです。あるとは思うんですけどねー。
 なお4位「はじまりのうた」は2013年製作のアメリカ作品の再上映。日本では2015年公開されました。韓国題は「비긴 어게인(ビギン・アゲイン)」です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 韓国内の映画の興行成績 [10... | トップ | 韓国内の映画の興行成績 [11... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国内の映画の人気ランク&興行成績」カテゴリの最新記事