ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [2月19日(金)~2月21日(日)]と人気順位 ►韓国でも人気の中国アニメ「熊出没」シリーズ初めて観たけど・・・ ►ギンレイホールで「薬の神じゃない!」を観てうるうる・・・

2021-02-25 11:51:18 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶19日以降に観た映画は以下の4本です。これで今年に入って21本か。年間123本観た一昨年は同時期で18本。うーむ、ペースを落とさなければ・・・。
 ・「薬の神じゃない!」★★★★☆ (首都圏で約半世紀も暮らしているのに飯田橋ギンレイホール(→日刊スポーツの紹介記事)が初めてとは映画ファンの名に値しないよねー(スミマセン)。ほぼ満席(3分の1がコロナ空席)で120人以上か。外観も中もさすがに風格がある名画座です。で、この作品を観たのは東京で最後の劇場上映の最終日。これは大正解! 通俗的な要素はあるけど、うるうるきちゃった。主題歌も涙腺を刺激するんだよなー・・・。事実に基づくとのことだが、そうだとするとホントにひどい話だ。)
 ・「熊出没・ワイルドランド大冒険」★★★☆ (日曜のアップリンク渋谷の最終回。おっ、これは約30年ぶりのお一人様鑑賞か?と思ったところで暗くなる直前に2人目の客が入場。この中国アニメを観た動機は、韓国では「熊出没」ではなく英題をもとに「부니베어(Boonie Bears)」シリーズのタイトルで2014年以降シリーズの6作全部劇場公開されているから、どんなものなのかなと。すると<中国&熊>からのイメージとは大違い! 一見ディズニーランドみたいなワイルドランドの<売り>は腕時計のような変身器で即座にライオン、トラ等々の動物に変身できちゃう・・・ということよりもアレアレと思ったのはとにかくスピーディ。車のスピードも話す速さも物語の展開も・・・。それと変身コンテストの賞金が100万元( ?)とかツアー客が来たら儲かるとかお金がらみのやりとりも少し気になった・・・ということは、中国の進歩発展の勢いはとっくに日本を追い越しているのかもなー、と思った次第。アニメ作品としては3Dキャラクターはアメリカ風で魅力に乏しくストーリーも新味に欠ける感じ。日本で一般劇場公開がない理由が少しわかったような・・・。まあ新しい情報を得たということで☆1つ追加。)
    
【「熊出没・ワイルドランド大冒険」のポスター(左)と、主な登場人物(+熊)。中央が主人公・木こりの強(チャン)さん。】

 ・「空に住む」★★★ (これも首都圏(全国?)最後の目黒シネマで鑑賞。諸情報からおそらく失望しそうだな、と思いつつ、多部未華子と岸井ゆきのが気になって迷った末に観に行った・・・が、やっぱりねー、の結果だった。あーあ。いろんなネタが盛り込まれているのにどれも掘り下げられていないし、焦点もさだまらず。タワーマンションの高層階の住人のように足が地についていない? )
 ・「ジャスト6.5 闘いの証」★★★★☆(最初から最後まで緊張感が途切れない。薬物撲滅警察特別チームと麻薬ディーラーの壮絶な闘い、といっても前者=正義で後者=悪、といった図式的なものではない。貧しい麻薬常習者だけでなく、巨額の金を稼ぐディーラーにも言い分はある。全編いろんな場面でいろんな人間同士が大声で言い争う。善悪以前の厳しい生存競争の社会? 死刑を科しても無駄のような・・・。では死刑をなくす? それよりも貧困対策なのかなあ。なお日本はいい取引先なんだそうな。主演の刑事役ペイマン・モアディ(ベルリン映画祭俳優賞受賞者)もさることながらギャングの親玉ナヴィド・モハマドザデー(ヴェネチア映画祭主演男優賞受賞者)の迫力ハンパない。)

▶先週の記事で3月19日公開予定のアメリカ映画「ミナリ」を紹介しました。その関連情報。2月23日の報道(→コチラ等)によると、アメリカに移民した韓国人家族のおばあさん役を演じたユン・ヨジョン(尹汝貞)さんがアメリカ・サウスイースタンと、カナダ・バンクーバー批評家協会の助演女優賞を受賞して、「ミナリ」だけで合計26個の演技賞を獲得しました。金綺泳監督の「火女」で青龍映画賞の女優主演賞、大鐘賞映画祭の新人女優賞を受賞したのが1971年。以来半世紀で数々の賞を受賞して来ましたが、1985年芸能界に復帰して以降俳優としての存在感が増してきて今に至るという感じではないでしょうか? 彼女は後輩の俳優たちからユン・ヨジョン先生(윤여정 선생님)とよく呼ばれていて、これらでググるといろんな記事がヒットしますが、それ書いてると長くなるので、また機会があれば、ということにします。

         ★★★ NAVERの人気順位(2月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(-) ソン・ガイン ザ・ドラマ(韓国)  9.60(336)
②(新) デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆(日本)  9.56(698)
③(1) 劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(日本)  9.50(989)
④(2) 天使はウイルス(韓国)  9.49(51)
⑤(6) ソウルフル・ワールド  9.36(5,898)
⑥(5) 復活: その証拠(韓国)  9.34(399)
⑦(新) 若おかみは小学生!(日本)  9.25(133)
⑧(8) 映画 ギヴン(日本)  9.22(64)
⑨(7) 劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(日本)  9.23(6,187)
⑩(-) ファティマの奇跡  9.21(124)

 ②と⑦が新登場。どちらも日本の作品です。
 ②「デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆」は、「1990年代に人気を博した携帯型ゲームに基づく大ヒットアニメシリーズの劇場版」とのことですが、私ヌルボ、その<携帯型ゲーム>も<大ヒットアニメシリーズ>も知識はまったくナシ! あらすじ等を読んでもわからず。おそらくここらへんが世代間の意思不疎通の中心部あたりなのかな? むしろ今まで何度か書いたように日韓の同世代同士がずっと多くのものを共有しているのかも・・・。韓国題は「디지몬 어드벤처 라스트 에볼루션 : 인연」。<絆>を<因縁>と訳しています。
 ⑦「若おかみは小学生!」は私も観ました。主人公のおっこ、とてもいい子なんだけど、いい子過ぎる感じがなきにしもあらず、でしたね。韓国題は「옷코는 초등학생 사장님(おっこは初等学生社長様)」です。

     【記者・評論家による順位】

①(1) ソウルフル・ワールド  8.44(9)
②(-) Mank/マンク  8.14(7)
③(2) 水を抱く女  8.00(6)
④(3) 夏時間[ハラボジの家](韓国)  7.83(12)
⑤(4) 冬の夜に(韓国)  7.33(6)
⑥(5) 私は私を解雇しない(韓国)  6.88(8)
⑦(新) 光と鉄(韓国)  6.83(6)
⑧(6) 三姉妹 (韓国)  6.80(5)
⑨(7) ヨーヨー現象(韓国)  6.75(4)
⑩(8) フェアウェル  6.71(7)

 ⑦「光と鉄」が新登場です。韓国のドラマ。2人の女性のそれぞれの夫が交通事故に遭います。ヒジュ(キム・シウン)の夫は亡くなり、ヨンナム(ヨム・ヘラン)の夫は意識不明なって2年目になります。2年ぶりに故郷に帰ってきたヒジュは偶然にヨンナムに出くわし、ヨンナムの娘ウンギョン(パク・ジフ)はヒジュの周囲を何か思惑ありげにぐるぐると回ります。1つの事件、各々の理由、ばらばらに食い違った真実・・・。あの日の夜の秘密が明らかになっていきます・・・。原題は「빛과 철」です。

 ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績2月19日(金)~2月21日(日) ★★★
       韓国のコメディ「ミッション・ポッシブル」が「ソウルフル・ワールド」に替わって1位

【全体】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・ミッション・ポッシブル(韓国)・・2/17 ・・130,376 ・・・・・・180,887 ・・・・・・1,659 ・・・・・・930
2(1)・・ソウルフル・ワールド・・・・・・・・・1/20・・・・101,681 ・・・・1,748,380 ・・・・・16,202 ・・・・・・917
3(2)・・劇場版「鬼滅の刃」・・・・・・・・・・・・1/27・・・・・63,893 ・・・・・・749,785・・・・・・・7,182 ・・・・・・645
       無限列車編(日本)
4(3)・・新年前夜(韓国)・・・・・・・・・・・・・・2/10・・・・・11,775・・・・・・・163,891・・・・・・・1,514・・・・・・・438
5(5)・・ハリー・ポッターと・・・・2005/12/01 ・・・・10,708・・・・・3,486,640・・・・・・21,976・・・・・・・・49
       炎のゴブレット
6(23)・・アイ・ケア・ア・ロット・・・・・・・・2/19 ・・・・・8,577・・・・・・・・11,370 ・・・・・・・・・・93・・・・・・・308
7(4)・・モンスターハンター・・・・・・・・・・2/10・・・・・・5,506・・・・・・・100,210・・・・・・・・・955・・・・・・・335
8(新)・・ダブルパティ(韓国)・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・4,450・・・・・・・・11,268・・・・・・・・・・98 ・・・・・・・227
9(6)・・子ども(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・2/10 ・・・・・3,492・・・・・・・・34,330 ・・・・・・・・278 ・・・・・・・220
10(新)・・マリオネット ・・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・3,311・・・・・・・・・5,800・・・・・・・・・・48 ・・・・・・・138
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・6・8・10位の4作品です。
 1位「ミッション・ポッシブル」は韓国のコメディ&アクション。言うまでもなくタイトルはあの「ミッション・インポッシブル」のもじり。入金さえしてくれれば何でもやるという興信所社長ウ・スハン(キム・ヨングァン)の前に、ある日情熱にあふれる秘密要員ユ・ダヒ(イ・ソンビン)が現金千万ウォン持ってやって来ます。武器密売事件を解決しようと言って、遠慮なく共助を要請してきたのです。なんだかんだと言う言葉ごとにタックル、ドタバタする間にもまた事件! 1人の時よりも2人の時のが目につく、そんな2人が作戦を重ねていくうちに事件はますます大きくなっていきます。ウ・スハンとユ・ダヒは、刑事たちが誤解しそうな手がかりをあちこちに流したりて手配リストに上がったりもしますが、彼らのめくるめく共助を誰も止めることはできません・・・。原題は「미션 파서블」です。
 6位「アイ・ケア・ア・ロット」は、イギリスの犯罪&スリラー。マーラ(ロザムンド・パイク)は退職者たちの健康と財産を管理する会社のCEO、・・・ですが、この会社はわかってみれば一糸乱れぬ金もうけ企業です。人は老人ホームに、家や家具は競売にと、すべてをさらうのが彼らの仕事。緻密な計画の下、法の枠から一寸も外れません。このように完璧なマーラのケアビジネスに、ある日ジェニファー(ダイアン・ウィースト)という素朴な羊のような身寄りのいない資産家が新しいターゲットとして捕まり、さらに完璧なケアサービスを計画し始めるのですが・・・。韓国題は「퍼펙트 케어(パーフェクト・ケア)」。日本公開は未定のようです。NetflixやAmazonビデオがアメリカをはじめ多くの国で配信権を獲得しているそうですが・・・。
 8位「ダブルパティ」は韓国のドラマ。ウラム(シン・スンホ)はシルム(韓国相撲)の有望選手。ある日ハンバーガーの店でアルバイトをしているアナウンサー志望のヒョンジ(Red Velvet アイリーン)と知り合います。その時2人の縁となったのがダブルパティハンバーガーで、以後互いに励まし、慰め合うようになります。ウラムはさすがに大食漢で、本作ではジャージャー麺、モツ鍋(コプチャンチョンゴル곱창전골.)、アンコウの煮込み(アグチム.아구찜)、ガンギエイの刺身(ホンオフェ.홍어회)までいろんな料理が出てきて、さながらモッパン(먹방.グルメ放送)・・・って、物語の展開はよくわかりませんが、ある評者の「空虚な慰めの代わりに温かいご飯一食の心強さで・・・」という言葉はうなずけます。「チーズとパティソースがもっと強かったら」との注文もありましたが・・・。原題は「더블패티」です。
 10位「マリオネット」は、オランダのミステリー&スリラー。ひどい交通事故、巨大な洪水等々。少年が描けば現実になる! 児童心理治療士のマリオンはマニーという9歳の特別な少年の世話をすることになります。いつも黙って絵だけ描いていたマニーは、関心を向けるマリオンに対して、自分が未来を制御することができると言います。マニーの言葉を信じなかったマリオンの前にマニーが描いた絵が1つ2つ現実になると、彼女は皆が隠した少年の秘密を暴き始めるのですが・・・。韓国題は「마리오네트」。日本公開は未定のようです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(新)・・マリオネット・・・・・・・・・・・・・・・・・2/17 ・・・・・3,311・・・・・・・・・・・5,800・・・・・・・・・48・・・・・・・138
2(新)・・時間の果てで君を待つ・・・・・・・・・2/17 ・・・・・1,635・・・・・・・・・・・3,572・・・・・・・・・29・・・・・・・101
3(1)・・ドリーム・ビルダーズ ・・・・・・・・・・2/10・・・・・・1,297・・・・・・・・・・17,534 ・・・・・・・149 ・・・・・・・80
       ミナと秘密の夢工場
4(2)・・三姉妹(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/27・・・・・・1,019・・・・・・・・・・79,982 ・・・・・・・679・・・・・・・・50
5(新)・・ゴー・バック(韓国)・・・・・・・・・・・・2/24・・・・・・・・862 ・・・・・・・・・・・2,213・・・・・・・・・12・・・・・・・・10

 1・2・5位の3作品が新登場です。
 1位「マリオネット」が新登場ですが、この作品については上述しました。
 2位「時間の果てで君を待つ」(仮)は、香港のファンタジー&ラブロマンス。幼い頃林格[リンゴ](李鴻其[リー・ホンチー])の唯一の友人は邱倩[チウ・チェン](李一桐[リー・イートン])でした。邱倩の転校で別れた2人はその後高校で再会し、お互いに好感を感じるようになります。林格の誕生日に彼女は祝ってくれ、誕生日プレゼントまで贈られます。しかしその帰りに、彼女は交通事故に遭って死んでしまいます。絶望に陥った林格は、彼女を生かしてくれとプレゼントしてくれた時計に向かって哀願すると、彼女は生き返りますが、林格はみんなの記憶から消え、そして彼の身体は老けてしまいす。ただ、かつての仲間たちに彼らだけにしか知らないことを話すうちに信頼を得て、結局は邱倩を留学させるのを助けます。と、物語はこの後も続きます。「時間の果てで・・・」という言葉が誇張でないくらいに? そして最後に2人は再会することができるのでしょうか・・・? 韓国題は原題「我在时间尽头等你」のほぼ直訳(?)で「시간의 끝에서 널 기다려」。日本公開は未定のようです。
 5位「ゴー・バック」は、韓国のドラマ&犯罪。国民1人当たり千ウォン(約百円)ずつ、1週間以内に1億ウォンにならなければ誘拐した子供を殺すという前代未聞の誘拐事件が発生します。千ウォン誘拐事件が全国民の関心事となる中、社会福祉士オスン(パク・ハソン)が面倒を見ていたボラ(カム・ソヒョン)という子の父親が遺体で発見され、ボラもどこかへ消えていました。事件を捜査する新人警官のジウォン(ハ・ユンギョン)はボラの父親はもちろん、虐待する親たちの不正に耐えられないオスンを疑いますが…。虐待する親、救ってくれる(?)誘拐犯(?)。私たちは、誰の側に立たなければいいのですか? 韓国題は「고백」なので、<告白>と思ったら<Go Back>。ハングルだと同じ表記になることに気づきました。※本作品のソ・ウニョン監督も、社会福祉士・子供・新人警官も皆女性です。