ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 週末の興行成績 [5月8日(金)~5月10日(日)]と、人気順位 ►「映画館、もうどうでもよくない? 単に惰性と老人の習慣と業界の利権なだけで。」という主張に衝撃

2020-05-13 20:14:52 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績

▸1週間前頃は、韓国では新型コロナもほぼ鎮静化とも思われ、6日(水)には政府が感染拡大に伴う外出や集会の規制を緩和したその矢先、8日(金)に梨泰院(イテウォン)のナイトクラブでの集団感染が判明との報道。100人を超える感染者が確認されたとか。復活するかにみえた劇場の週末観客動員数も逆に少し減ってしまいました。
 関連のニュースでちょっと驚いたのは、ナイトクラブの客等で連絡が取れていない2千人近くを追跡するために警察官8千人以上が動員され、クレジットカードや携帯電話提供のスマホ情報を利用するとか。CCTVもかな? そして何といっても、韓国には1968年の北朝鮮特殊部隊による青瓦台襲撃事件を契機に創設された住民登録番号制度があるからなー・・・。いつくものウェブ記事で書かれてぃるように、これが新型コロナ対策の重要なカギになっているようですが、日本人の中にそれを「うらやましい!」「みならうべきだ」という人はどれほどいるのでしょうか?
▸ただ、そこまでいかなくても日本もすでにかなりのレベルまで自分の個人情報がいつのまにかどこぞで蓄積されていますよね。・・・と思ったのは先週<Google Maps Timeline>というとこから初めてメールが届いたのですが、見るとこれまで私ヌルボが行った場所をポイントによっては画像まで付けて、実に詳細な地図をタイムラインに沿ってまとめられているではないですか?(←今頃知ったというのは遅すぎ??) そのポイントも近所の横浜(右画像)から全国、あるいは韓国まで。「うーむ」とうなって「俺のこと俺より知ってるグーグルは」などと川柳ができちゃいましたが、考えてみれば恐いことではあります。しかし世の中すでにそうなってしまってるわけで、Tカード等ならどこの店で何を買ったかもわかる(=知られる)し、図書館のカードでも(誰かがそうしようと思えば)その個人の読書傾向≒思想傾向もわかるというもの。90年以降のインターネットの普及と技術的進歩が世の中全体にもたらした(現在も進行中の)大変貌のすさまじさを前に、私ヌルボのような昭和老人は口あんぐりでたたずむばかりです。(近日内に例のウェブ会議もやらなならん[←徳島弁]し、気が重い・・・。)
 若い人たちはと見ると、先月、毎日新聞に「函館の高校2年生がコロナ感染経路の確認用アプリ開発、絶賛の声」と題した記事がありました。(→コチラ。) この加藤君、「個人情報保護にも配慮し、行動履歴を保存するのはアプリをダウンロードした端末のみ」とも。いやあ、たいしたもんだなー。

▸これも若い人の意見なのかどうか? 昨年7月、<はてな匿名ダイアリー>の中で「映画館というものに思い入れが無い。」と題した一文がありました。(→コチラ)。「劇場やライブハウスはわかるよ。1回性(その時、その場所でしか起こりえない)がある。でもさ、映画館、もうどうでもよくない? 単に惰性と老人の習慣と業界の利権なだけで。」ですと・・・。これについては昨年11月にも1度書きました。私ヌルボにとって不可欠な「紙の新聞」共々バッサリと、そしてアッサリと斬り捨てられています。映画について言えば、映画をDVDや配信等により家で観るのと映画館で観るのと2択ならそれぞれ何割の人が択ぶのでしょうね? もしかして、コロナ時代に入る前からすでに後者が相当多くなっていたのかもしれません。この2択以前に、「映画館で観ようにも近場に映画館がない」というのが全国的な状況だし・・・

▸映画関係の人等が家で観るならこの映画!といった記事を公開しています。私ヌルボもこの際20年ほど前に作成した<高校生に薦める映画>という日本映画・外国映画各120作品のリストを整理し直して公開するかなと作業に取りかかり始めましたが、最初からつまづきっぱなし。まあ、そのうち・・・って、これもいつになることやら・・・

         ★★★ NAVERの人気順位(5月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) モンマルトルのパパ(韓国)  9.50(115)
②(4) サンティアゴの白い杖(韓国)  9.45(22)
③(3) ライド・ライク・ア・ガール  9.40(134)
④(6) 祈りのちから  9.25(44)
⑤(7) ジョジョ・ラビット  9.16(1,295)
⑥(9) ネヴァー・ルック・アウェイ  9.14(122)
⑦(-) 大田[テジョン]ブルース(韓国)  9.06(18)
⑧(-) 燃え立つ若い女性の肖像  9.04(1,568)
⑨(-) 改葬(韓国)  9.01(82)
⑩(10) ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!  8.98(80)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 燃え立つ若い女性の肖像  9.22(9)
②(2) パラサイト 半地下の家族[寄生虫](韓国)  9.06(16)
③(3) はちどり(韓国)  8.38(13)
④(4) ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語  8.00(10)
⑤(5) 1917 命をかけた伝令  7.67(9)
⑥(-) チェ 28歳の革命、チェ 39歳 別れの手紙  7.25(4)
⑦(7) ミッドサマー  7.20(10)
⑧(8) ジョジョ・ラビット  7.17(6)
⑨(9) チャンシルは福も多いね(韓国)  7.00(10)
⑩(10) 透明人間  7.00(2)

 今回新登場の作品はありません。なお、「チェ 28歳の革命」は、チェ・ゲバラの半生を描いたスペイン・米・仏合作の伝記映画「チェ」(2008)の第1部。日本では2009年に公開されています。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績5月8日(金)~5月10日(日) ★★★
           ウディ・アレン監督の新作(?)「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」が1位に

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(34)・・レイニーデイ・イン・ニューヨーク・・5/06・・・・・34,426 ・・・・・・・・46,730・・・・・・・・・・419・・・・・・・・563
2(1)・・トロールズ ミュージック★パワー・・4/29 ・・・・・30,883 ・・・・・・・・57,115・・・・・・・・・・435・・・・・・・・311
3(新)・・エスケープ・フロム・プレトリア ・・・5/06 ・・・・・18,827 ・・・・・・・・22,997・・・・・・・・・・200・・・・・・・・326
4(5)・・あの山を越えて韓国)・・・・・・・・・4/30 ・・・・・・・・・・16,034・・・・・・・・76,135・・・・・・・・・・568 ・・・・・・・・407
5(4)・・さらば、わが愛/覇王別姫・・1993/12/24・・・・・・・・14,640・・・・・・・・58,368・・・・・・・・・・523 ・・・・・・・・404
6(2)・・私の青春はあなたのもの ・・・・・4/29 ・・・・・・・・・・10,075・・・・・・・・71,222・・・・・・・・・・603 ・・・・・・・・350
7(3)・・ホテル・レイク(韓国)・・・・・・・・・4/29 ・・・・・・・・・・・8,716・・・・・・・・61,129・・・・・・・・・・517 ・・・・・・・・294
8(8)・・1917 命をかけた伝令・・・・・・・・・2/19 ・・・・・・・・・・・8,148・・・・・・・858,817 ・・・・・・・・7,767 ・・・・・・・・233
9(7)・・マイ・スパイ ・・・・・・・・・・・・・・・・4/29 ・・・・・・・・・・・7,420・・・・・・・・51,332・・・・・・・・・・439 ・・・・・・・・187
10(9)・・ラ・ラ・ランド・・・・・・・・・2016/12/07 ・・・・・・・・・・・5,754 ・・・・・3,728,010 ・・・・・・・30,784 ・・・・・・・・196
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 冒頭に書いたように、ようやく映画界が活気を取り戻し始めたかに見えたところに梨泰院での新型コロナのクラスター発生。観客動員数もまた少し減ってしまいました。新登場も1・3位の2作品に止まっています。 
 1位「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」は、アメリカのロマンティック・コメディ。ウディ・アレン監督の新作、といっても撮影は2018年に製作されてはいたものの、その間彼による性的虐待(?)が問題化して本作の出演俳優たちがギャラを(セクハラに反対する)Time's Up基金に寄付したり、アメリカ国内での上映が(今も)できない状態が続いている中、昨年から外国での上映が始まったというものです。以下、物語。ジャズを愛するギャツビー(ティモシー・シャラメ)と映画にすっかりはまっているアシュレー(エル・ファニング)は大学生のカップル。アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ローランド・ポラード(リーヴ・シュレイバー)にマンハッタンでインタビューする機会を得たことを利用して、2人はニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうということに。生粋のニューヨーカーであるギャッツビーとしてはアリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークをぜひ案内したいとの心づもりも。いろいろ周遊コースも考えていたのですが、計画通りに行かないのが世の常、まして映画となると・・・。あっという間に計画は狂い始め、思いもよらぬことが次々と起こるのでした・・・。韓国題は「레이니 데이 인 뉴욕」。日本公開は2020年夏とのことですが・・・。
 3位「エスケイプ・フロム・プレトリア」(仮)は、英・豪合作のサスペンス。物語の当事者のティム・ジェンキンによるノンフィクション「Inside Out: Escape from Pretoria Prison」の映画化作品です。プレトリアは南アフリカ共和国の首都。時代は1978年で、まだアパルトヘイトが制度化されていた頃です。ティム・ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)とスティーヴン・リー(ダニエル・ウェバー)はアパルトヘイト撤廃のパンフレットを頒布したため逮捕されて刑務所に収監されます。2人は同様に投獄された獄中の人々と親しくなり、集団脱獄を計画します。収監400日を超え準備が整った後、ティムたちは脱獄を試みます。ティムが密かに作っていた木製の複製の鍵を用いて。ところがくぐらなければならない鋼鉄製の扉だけでも15もあります。計画通りに行かないのが世の常です。韓国題は「프리즌 이스케이프(プリズン・エスケープ)」。日本公開は未定のようです。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・上映館数
1(12)・・レイニーデイ・イン・ニューヨーク・・5/06 ・・・・・・・34,426・・・・・・・・・46,730・・・・・・・・・・419 ・・・・・・・563
2(新)・・エスケープ・フロム・プレトリア・・・・5/06 ・・・・・・・18,827・・・・・・・・・22,997・・・・・・・・・・200 ・・・・・・・326
3(2)・・さらば、わが愛/覇王別姫 ・・・・・1993/12/24・・・・・・・・14,640・・・・・・・・・58,368・・・・・・・・・・523 ・・・・・・・404
4(1)・・私の青春はあなたのもの ・・・・・・・・・・4/29・・・・・・・・10,075・・・・・・・・・71,222・・・・・・・・・・603 ・・・・・・・350
5(新)・・REVENGE リベンジ・・・・・・・・・・・・5/06・・・・・・・・・2,380・・・・・・・・・・3,563・・・・・・・・・・・30 ・・・・・・・143

 1・2・5位の3作品が新登場です。
 1位「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」と2位「エスケープ・フロム・プレトリア」については上述しました。
 5位「REVENGE リベンジ」はフランスのアクション。日本では2018年公開されています。韓国題は「리벤지」です。