ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[7月5日(金)~7日(日)]

2013-07-09 23:55:09 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 「ポドリ君の家族残酷史X-韓国の夜と霧-」の冒頭、家族の夕食の場。高校生の娘が父に言う。「李明博は水で興り火で滅びる。(水興火亡)」 つまり大統領就任の同月の南大門焼失、龍山惨事、ろうそくデモ。水は清渓川、4大河川事業。ろうそくデモ弾圧の放水も!
 ・・・なーるほど。これ、よく言われていることでしょうか? しかし、ケッタイな映画でしたねー。それにしても、韓国の進歩陣営、李明博に対してよくネズミ野郎とよんでましたが、いくら批判すべき人物とはいえ、その御面相に似ている動物をそのままあだ名にするのはまずいよなー、というのは私ヌルボも含め日本人ならフツーの感覚では? 今まで何度か記事で書いたように、これも韓国は禁止語のハードルは低い、という事例かな?

 昨晩「共謀者」を観ました。原題は「共謀者たち」と複数形になってます。ここらへんは意味ありかも・・・。「ある会社員」よりもおもしろかったのは、コチラの方が実際にあった臓器移植をめぐる事件をモチーフにしているからでしょう。阪本順治監督「闇の子供たち」も事実関係をめぐって論議がありましたが、「なんらかのおぞましい事実はあるんだろうなー・・・、と思って検索したら、昨年9月の本ブログ過去記事がヒットしました。(笑)
 この映画は今みなとみらいのブリリア ショートショート シアターで19:50からの1回だけ上映。客は少ないだろうな、の予測通り7分前に行ったらヌルボ1人だけ。久々のお一人様貸切かと思ったら、終映時後ろの席にもうお一方いらっしゃるのに気がつきました。作品的にはもっと大勢来てもよさそうなレベルなので、見逃してた方はどうぞ。14日までやってます。(13・14日は15:50から。) また7月13日からは、昨年の話題作でアン・ソンギ主演の「折れた矢」の上映がスタート。シネマート六本木だと不便という人、週末の横浜散策も兼ねてという人はどうぞ。

 韓国映画以外では、大森キネマでやっと懸案だった台湾映画「セデック・バレ」1&2部をイッキに鑑賞。すごい映画です。これについて書くと長くなりそうなので書きません。先週、今年前半に観た映画のベスト5を挙げてみましたが、「嘆きのピエタ」等と全然性格の異なる映画なので順位づけはむずかしいですが、ベスト3には必ず入ります。

           ★★★ Daumの人気順位(7月9日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①踊る森(韓国)  9.4(27)
②道の上で(韓国)  9.3(49)
③ザ・クルーズ  9.2(293)
④48m(韓国)  9.1(30)
⑤ジュラシック・パーク 3D  8.9(138)
⑥がんばって、ビョンホンさん(韓国)  8.8(21)
⑦ウォールフラワー  8.8(126)
⑧天使の分け前  8.8(23)
⑨スター・トレック イントゥ・ダークネス  8.7(1142)
⑩シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜  8.7(87)

 今回の新登場は④「48m」だけ。このタイトルは、中朝の国境の川・鴨緑江の最短距離なのだそうです。制作陣が3年間、300人を超える脱北者とその家族をインタビューに基づいたドラマ。
幼い頃に境界線で父母の死を目撃した姉妹、目の前で人を殺すしかない、罪責感に苛まれる軍人、飢えのため死んでいく子供を是が非でも助けたい両親、病気の父のため出ていかざるをえない娘等々。<Kstyle>の記事によると、本作品は2012年9月、北朝鮮人権運動家スーザン・ショルティさんの積極的な支援の下、米下院や、ジュネーブの国連人権委員会で特別試写会が催されたとのことです。ネチズンの評点&コメントはほとんどが9or10点。その中で、北朝鮮のことを「가깝지만 먼나라(近くて遠い国)」と書いているものがありました。また「CGVだけでしか上映されない」等、配給の問題もとりあげられたりしています。北朝鮮の人権問題には進歩陣営は冷淡という見方はやっぱり一般的なようです。そういう事実はあいかわらずなのかな? 慰安婦問題に熱心に取り組んでいる人たち、まさに現在、生存権が脅かされている北朝鮮の人々(特に強制収容所の)と、より優先すべきはどちらの問題だと思いますか?

           
   【「48m」のポスター。鴨緑江の岸で中国側を見ている北朝鮮人民軍兵士の後ろ姿。】
【専門家による順位】

①スター・トレック イントゥ・ダークネス  7.8(6)
②ビフォア・ミッドナイト  7.7(4)
③天使の分け前  7.5(4)
④ザ・クルーズ  7.3(3)
⑤ローン・レンジャー  7.2(4)
⑥ピュア  7.0(2)
⑦イン・ザ・ハウス  7.0(1)
⑧エブリデイ  6.8(5)
⑨コズモポリス  6.7(4)
⑩マリー・クロイヤー  6.6(3)
⑩監視者たち(韓国)  6.6(3)

 ⑤「ローン・レンジャー」、⑦「イン・ザ・ハウス」、⑩「監視者たち」の3作品が新登場です。
 ⑤「ローン・レンジャー」は1932年連続放送劇として発表されて以来の人気作を、アーミー・ハマーとジョニー・デップの主演で再映画化。日本では8月2日公開です。韓国題は「론 레인저」。
 ⑦「イン・ザ・ハウス(仮題)」はフランスのスリラー。日本では、先月「フランス映画祭2013」でオープニング作品として上映されました。高校の国語教師が、作文を採点していて、一生徒の書いた文章に心をつかまれます。内容に危険を感じつつも、その文章の才能に魅せられた教師は、その生徒に小説の書き方を指導していくのですが、生徒の書く文章は次第にエスカレートしてゆき、いつしか息詰まる心理戦に・・・。フランス映画祭でも英題のままの「In the House」(原題:「Dans la maison」)でした。韓国題も「인 더 하우스」です。
 ⑩「監視者たち」は後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[7月5日(金)~7日(日)] ★★★

         韓国の犯罪アクション「監視者たち」が他を圧倒してトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(11)・・監視者たち(韓国)・・・・・・・・・・・7/03・・・・・・・・・・・・1,350,573・・・・・・・・・1,786,382 ・・・・・・・13,080・・・・・・・949
2(1)・・ワールド・ウォー Z・・・・・・・・・・・・6/20・・・・・・・・・・・・・・631,571・・・・・・・・・4,278,896 ・・・・・・・31,841・・・・・・・566
3(新)・・ローン・レンジャー・・・・・・・・・・・7/04・・・・・・・・・・・・・・208,193 ・・・・・・・・・・252,113・・・・・・・・・1,830 ・・・・・・401
4(2)・・ザ・ウェブトゥーン(韓国)・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・・・・193,324 ・・・・・・・・・・872,259・・・・・・・・・6,282 ・・・・・・349
         予告殺人(韓国)
5(4)・・隠密に偉大に(韓国) ・・・・・・・・・6/05・・・・・・・・・・・・・・111,657・・・・・・・・・6,855,826 ・・・・・・・48,012 ・・・・・・276
6(3)・・ホワイトハウス・ダウン・・・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・・・・・66,688 ・・・・・・・・・・530,048・・・・・・・・・3,754 ・・・・・・283
7(新)・・カンフー・パンダ 英雄の誕生・・7/04・・・・・・・・・・・・・・39,638 ・・・・・・・・・・・40,668・・・・・・・・・・・261 ・・・・・・197
8(5)・・マン・オブ・スティール・・・・・・・・・6/13・・・・・・・・・・・・・・・15,620・・・・・・・・・2,174,542 ・・・・・・・17,043 ・・・・・・・63
9(7)・・ジュラシック・パーク 3D・・・・・・・7/17・・・・・・・・・・・・・・・10,203 ・・・・・・・・・・・40,102・・・・・・・・・・・489 ・・・・・・・47
10(8)・・ザ・クルーズ・・・・・・・・・・・・・・・・5/16・・・・・・・・・・・・・・・・8,863 ・・・・・・・・・・926,525・・・・・・・・・6,449 ・・・・・・・37
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「隠密に偉大に」は出だしは1000万人にも届くのでは、という勢いでしたが、その後今ひとつ伸びが鈍り、700万人になんとか達するかなという感じですね。
今回の新登場は1・3・7位の3作品です。
 1位「監視者たち」は、、犯罪組織の監視のみを担当する班長(ソル・ギョング)を中心とする警察内特殊組織監視班の班員たちの緊迫した追跡を描いたアクション。彼らに対するは、わずか3分で失敗もなく、痕跡も残さず武装強盗をやってのける犯罪組織。知的で冷徹なそのリーダーを演じるのは、デビュー以来初の悪役に挑戦するチョン・ウソン。自身の存在を絶対に現わさない彼は、監視班の追跡が強まると、より一層緻密に犯罪を繰り返す・・・。原題は「감시자들」です。
 3位「ローン・レンジャー」は上述しました。
 7位「カンフー・パンダ 英雄の誕生(仮題)」は、ドリームワークス制作の「カンフー・パンダ」の第3作かと思いきや、原題は「大兵金宝歴険記」というレッキとした中国の3Dアニメ。早い話が中国版「カンフー・パンダ」。と思って見るからか、→コチラでポスターを見るとなんか違うんだよなー。予告編の動画(→コチラ)も今ひとつピンと来ず。詳しい情報は→コチラ参照。韓国題は「쿵후팬더:영웅의 탄생」で、それを訳して仮題としました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ビッグ・ピクチャー ・・・・・・・・・・・・・・7/04 ・・・・・・・・・・・・・3,869 ・・・・・・・・・・・・・・・5,109・・・・・・・・・・・39・・・・・・・・・・21
2(1)・・道の上で(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・5/23 ・・・・・・・・・・・・・2,164・・・・・・・・・・・・・・27,918・・・・・・・・・・194・・・・・・・・・・15
3(2)・・チキンとプラム・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/20 ・・・・・・・・・・・・・・・927・・・・・・・・・・・・・・・9,955・・・・・・・・・・・70・・・・・・・・・・13
       あるバイオリン弾き、最後の夢
4(19)・・チスル - 終わらない歳月 2(韓国)・・3/21・・・・・・・・・・・・・857 ・・・・・・・・・・・・・143,222 ・・・・・・・・・984・・・・・・・・・・・2
5(4)・・ヴィンセントは海へ行きたい ・・・・・・6/27・・・・・・・・・・・・・・・632・・・・・・・・・・・・・・・・3,308・・・・・・・・・・・23・・・・・・・・・・・7

 新登場は、1位「ビッグ・ピクチャー」だけです。2010年のフランス映画で、日本では未公開ですが、昨年WOWWOWで放映されたそうです。妻が隣家の写真家と不倫関係にあることを知ったパリのエリート弁護士。妻は家を出てゆき、写真家に会いに行った彼は、不倫の事実を認めた写真家をはずみで殺してしまいます。弁護士は愛する2人の子を「殺人犯の子」にしないために写真家に成りすまし、自分はヨットの事故で亡くなったことに偽装して東欧の某国へ。ところがそこで写真家として成功してしまう、・・・ということは自分の正体がばれそうになるということなので、を切羽詰まった彼は今度は南米に向う船に乗り込むのですが・・・。うーむ、何という波乱万丈の展開であることか! 韓国題は英語題からtheを取って「빅 픽처」。日本では未公開ですが、昨年WOWWOWで放映時も「ビッグ・ピクチャー」でした。