ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[3月2日(金)~4日(日)]

2012-03-06 18:42:57 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 今日観てきた「おとなのけんか」で今年13本目。すでに、「今年は映画のレベルが高いぞ」という予感が・・・。先々週の「ニーチェの馬」に続き、もう例年でいえば年間ベスト3レベル、と思ったのが先週観た「ヒューゴの不思議な発明」。私ヌルボにとって初めての3Dがこれで、正しい選択だったと一人納得。(3Dが2Dより「不自然」なところが、逆にこの作品にマッチしていた。)
 しかし、<映画生活>等の映画館系サイトの評点は意外なほど高くないんですねー(73点)。レビューを読んでみると、大方の人はタイトルや予告編を観て子ども向きのファンタジーと思っていたようで・・・。たしかに原題は「ヒューゴ」だけで(韓国題も)、内容をみるとそんな不思議でもないし、第一発明もしないのはアレレ?ではありましょうが・・・。しかし、たとえば元木一郎という人(一朗でなく)は「総統閣下はお怒りです」という個人的ニュース動画(?)で「眠い。物凄く眠い」に始まって「もっと面白い映画がたくさんあるから見なくていいかな」と未見の人に語っています。悲しいなー。面白い映画、そんなにたくさんありますか???? さる若い女性のレビューには「ディープな映画好きな方や年配の方は心揺さぶられる部分があるようです」って、ヌルボはまさに該当者か・・・。評論家諸氏は概して高く評価している中で、「週刊文春」シネマチャートでのおすぎ氏は★2つだけ。(他の4人は皆4つ。) 彼は1992年から担当していますが、初めの頃から首を傾げたことがしばしば。ヌルボ同様の映画ファンはそれなりにいるようで、さるブログには「おすぎが誉める映画は行かない。けなす、あるいは、ポイントが低い映画は出来るだけ観に行く」とまで書かれていました。ヌルボとしては、昨年公開の「アリス・クリードの失踪」なんかは彼も★5つつけていたし、そこまでボロクソには書きませんが、「大手の配給はだいたいべた褒めし、独立系や中小の配給映画に冷たい」ということは明白に感じていました。

 さて、昨日観た韓国映画がキム・ギドク監督の「アリラン」。「ニーチェの馬」等とは違った形で、これもひとつの画期的な映画表現、ということは頭ではわかるような気もしますが、小説でいえば元々私小説に対してはちょっと生理的に拒否感めいたものがあって、このような「私映画」にも波長が合わないのです。高校時代、国語の授業で教わった私小説論の影響が後々まで及んでいるようです。(後で知ったことですが、中村光夫「風俗小説論」がネタ元の授業でした。) 過去のキム・ギドク監督作品も少ししか観てないしなー、・・・で語る資格ナシ。

         ★★★ Daumの人気順位(3月6日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①折れた矢(韓国)  9.6(2648)
②オペラ座の怪人 25周年特別公演  9.4(98)
③十八、十九(韓国)  9.2(26)
④猫おどり(韓国)  9.2(84)
⑤バンバン・クラブ-真実の戦場-  9.0(31)
⑥ビッグ・ミラクル  9.0(44)
⑦アーティスト  9.0(177)
⑧アメリ  9.0(102)
⑨ミンク・コート(韓国)  8.9(30)
⑩ダンシング・クィーン(韓国)  8.9(1268)

 新登場は②だけ。原題は「열여덟,열아홉」。半分はとても似ていて、半分はとても違う二卵性双子の兄妹ホヤとソヤ。友人たちが誤解するほど仲が良い2人だが、18歳になった冬、ソヤはホヤに隠した心を告白するが、動揺したクラスの女の子トミとつきあい、ソヤも女子たちの憧れのボクシング部先輩イルガンと衝動的につきあうが別れてしまう。交錯した4人の葛藤は大きくなるばかり。結局ホヤは葛藤にうちかとうとボクシングを始める・・・。青春成長映画、ですね。

【専門家による順位】

①自転車に乗った少年  8.8(6)
②ニーチェの馬  8.5(2)
③戦火の馬  8.2(4)
④2本の線(韓国)  8.0(1)
⑤アーティスト  7.8(6)
⑤奇跡(日本)  7.8(6)
⑦ファミリー・ツリー  7.8(5)
⑧折れた矢(韓国)  7.7(7)
⑨ミッション:インポッシブル  7.6(5)
      ゴースト・プロコトル
⑩犯罪との戦争:悪いやつらの全盛時代(韓国)  7.3(6)

 先週と全く変わらず。

   ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[3月2日(金)~4日(日)] ★★★

         ハ・ジョンウ、コン・ヒョジン共演の「ラブ・フィクション」が1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(22)・・ラブフィクション(韓国) ・・・・・・・・・2/29 ・・・・・・・・・・・・・567,811 ・・・・・・・・・1,013,810・・・・・・・・・7,836・・・・・・・615
2(新)・・Black&White ブラック&ホワイト・・2/29・・・・・・・・・・・212,504 ・・・・・・・・・・・337,264・・・・・・・・・2,590・・・・・・・351
3(1)犯罪との戦争・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/02 ・・・・・・・・・・・・・194,748・・・・・・・・・・4,389,185・・・・・・・・34,039・・・・・・・350
         悪いやつらの全盛時代(韓国)
4(2)・・ハウリング(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・2/16 ・・・・・・・・・・・・・103,286 ・・・・・・・・・1,529,539・・・・・・・・11,164・・・・・・・372
5(3)・・崖っぷちの男・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/22 ・・・・・・・・・・・・・・70,953 ・・・・・・・・・・・545,414・・・・・・・・・4,050・・・・・・・284
6(新)・・セーフ・ハウス ・・・・・・・・・・・・・・・・2/29 ・・・・・・・・・・・・・・70,204 ・・・・・・・・・・・115,474・・・・・・・・・・・865・・・・・・・291
7(新)・・Act of Valor・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/29 ・・・・・・・・・・・・・・54,420 ・・・・・・・・・・・・99,257・・・・・・・・・・・743・・・・・・・222
8(4)・・ダンシング・クィーン(韓国)・・・・・・・1/18 ・・・・・・・・・・・・・・59,396・・・・・・・・・・3,960,461・・・・・・・・29,437・・・・・・・220
9(6)・・トール-ヴァルハラの伝説 ・・・・・・・2/09 ・・・・・・・・・・・・・・42,278 ・・・・・・・・・・・717,166・・・・・・・・・5,216・・・・・・・249
10(41)・・ヒューゴ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/29 ・・・・・・・・・・・・・・22,397 ・・・・・・・・・・・・40,415・・・・・・・・・・・427・・・・・・・・85
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・2・6・7・10位の5作品です。
 1位「ラブフィクション」はハ・ジョンウとコン・ヒョジン主演のロマンティック・コメディー。ベルリンで三流小説家(ハ・ジョンウ)は、外国映画の輸入会社に勤める女性(コン・ヒョジン)と灰皿をきっかけに出会い、ラブレターや花束の攻勢で、彼女も彼を家に入れる仲にまで急進展。バツイチで自由奔放な性格等々問題はあるものの彼は彼女への攻勢を続け、原稿もすらすらと書けるようになるが、その後の2人の心は・・・。しかし何なんだ、「アラスカのワキ毛女」というのは?(笑) 原題は「러브픽션」。
 2位、CIAのイケメン2人が1人の女性をめぐってバトルを繰り広げるアクション・コメディ。日本では4月20日公開。韓国題は原題「This Means War」そのままで「디스 민즈 워」。
 6位、これもCIAのエージェントが登場するアメリカ映画ですが、コチラはアクション・スリラー。元CIAの優秀な工作員だった重犯罪者(デンゼル・ワシントン)が南アフリカにある凶悪犯収容所セーフハウスに護送されてくる。ところが極秘のはずのセーフハウスが武装集団に襲撃され、管理人で新米工作員(ライアン・レイノルズ)がその元工作員を連れて脱出するが・・・。韓国題は「세이프 하우스」。日本公開は未定です。
 7位、なんだなんだ、これもCIAが出てくるアクションだって!? アメリカ海軍の特殊部隊ネイビーシールズは国際テロリストに拉致されたCIA工作員の救出に成功するが、アメリカを攻撃する大規模な計画を知らされ、部隊はテロリストの計画を阻止するためさらに困難な任務へと向かう。実際の事件を土台に再構成した作品とか。最大の売りは、物語で活躍するネイビーシールズが全員、本物の現役兵士だということだそうで、装備等もすべて実物なのだそうです。なんかアメリカの軍事戦略の問題点が見えるような気がするんだけど・・・。韓国題は「액트 오브 밸러:최정예 특수부대」。日本公開は未定。
 10位は冒頭でも記したように日本でも3月1日から公開。皆さんも観てください!

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・アーティスト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2/16・・・・・・・・・・・・・・・・17,308 ・・・・・・・・・・・・・86,502・・・・・・・・・666・・・・・・・・103
2(新)・・啐啄同時(韓国)・・・・・・・・・・・・・・3/01 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・561 ・・・・・・・・・・・・・・1,640・・・・・・・・・・11・・・・・・・・・16
3(24)・・十八、十九(韓国) ・・・・・・・・・・・・3/01・・・・・・・・・・・・・・・・・・・446・・・・・・・・・・・・・・・・・965・・・・・・・・・・・6・・・・・・・・・17
4(3)・・神々と男たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・1/19・・・・・・・・・・・・・・・・・・・442・・・・・・・・・・・・・・12,204・・・・・・・・・・91・・・・・・・・・・4
5(7)・・番人(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・2011/3/03 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・279 ・・・・・・・・・・・・・22,958・・・・・・・・・178・・・・・・・・・・2
                                      
 2・3位が新登場。
 2位、「啐啄同時(そったくどうじ)」とは、雛が卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてる(=啐)と、すかさず親鳥が外から殻をついばんで破る(=啄)ように、機が熟して悟りを開こうとしている弟子に師がすかさず教示を与えて悟りの境地に導くことをいう禅語。で、この作品ですが、ガソリンスタンドで働く脱北者の少年と朝鮮族の女の子、モーテルを転々として体を売るゲイの少年が、絶望の中から希望を捜し出す過程を描いた作品で、昨年の第68回ベネチア国際映画祭のオリゾンティ部門出品作。原題は「줄탁동시」。
 3位「十八、十九」は前述。
 5位「番人」、ずいぶん息長く上映されています。