ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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今日は韓国の一大イベント <修能>の日

2010-11-18 20:23:04 | 韓国の時事関係(政治・経済・社会等)
 今日は韓国では一大国民行事(?)が開かれました。
<修学能力試験>、略して<修能>。日本でいえば大学センター試験に相当する試験のことです。

 <修能>については、このブログでも昨年11月15日の記事でけっこう詳しく紹介しました。(今読みなおしてみると、この頃パワーが衰えているかも、と思ってしまいます。)

 また、<コネスト><Innolife>のサイトでも、「アレアレ、こんなに!」という写真とともに説明記事を載せています。

 今回はちょっと手を抜いて、昨年の記事から<修能>の(日本人から見て)特異な点をまずそのままあげておきます。

①いちばんのオドロキが試験当日の交通規制、警察をはじめとする支援体制など。試験場近辺は車両出入り禁止、警察1万5000人、タクシー運転手6000人ほどが配備され、受験生搭乗車両を優先的に通行させる。試験場を間違えたりして遅刻しそうな受験生を乗せてやる。

②交通混雑を避けるため、出退勤時間を遅らせる。済州島以外の全国の市と、試験場がある郡では官公署と企業は出勤時間を9時から10時にする。銀行や株式市場もも営業時間を1時間遅らせる。

③聞き取り試験がある午前8時40分~53分、午後1時10分~30分は航空機の離着陸が禁止され、バス、電車等の警笛も鳴らせない。

④<修能>のかなり前からゲンかつぎとか頭の働きに良い(?)食品等、修能関係の商品が売り出される。定番は、アメ。当日大学の塀とかにくっつけたりする。<くっつける(プッタ.붙다)>という動詞に(試験に)<受かる>という意味もあるからです。

⑤各高校でも、1・2年生が受験する先輩を励ますパフォーマンスをやる。当日のプラカードや鳴り物もあるし、前々日に校内でやったり・・・。

⑥各寺院や、「春香伝」の舞台・南原の広寒楼の壮元及第壇(祈願所)に行ったり、科挙に壮元合格した儒学者李栗谷(5000ウォン札の肖像)の生家の、江陵の烏竹軒に行ったりして高得点を祈願する。 ※<壮元>とは科挙の首席合格のこと。

⑦新聞等マスコミの扱いも大きい。

 今日たまたま2ヵ月ぶりに職安通りに行って今日付の「ソウル新聞」を買ったら、1面の右上に下の写真のように「오늘 수능일 대박나세요(今日は修能の日 いい点取ってください)と題された修能の留意事項が載っていました。読んでみると、新聞がここまで世話を焼くか!と驚きます。

     
【訳】
入室
午前8時10分、1校時午前8時40分開始
天気
全国的に晴れであたたか
用意すべき物
身分証、受験票、修正テープ、時計、シャープの芯(黒0.5㎜)、
防音用耳栓(소음방지용 귓속 마개)、消しゴム等

持ち込み禁止の物
携帯電話、デジタルカメラ、MP3、電子辞書、カメラペン、
電子計算機、ラジオ等

朝ごはん
ふだんの量の3分の2程度に軽く。ビタミン豊富なみかん、
ビターチョコレート(다크 초콜릿)、麦茶等間食も用意

聞き方評価の時車両の警報自制のこと
午前8~9時
午後1時7~30分

交通統制
登校時間試験場200m以内の車両統制

 昨年も書いたことですが、韓国では入試は受験生個人の私事というよりも、過去(과거)の科挙(これも과거)と同様、国が人材を選抜するという公事であるという意識が強いのでしょう、というのが私ヌルボの見方です。