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[韓国語] なぜ「十」は<シプ>なのか?  下に<プ>のつく漢字

2009-11-21 14:10:11 | 韓国語あれこれ
 韓国語の勉強を始めてしばらくすると、日本語の漢字の音読みと、韓国語の読みの間の関係がだんだんわかってきます。
たとえば<工・公>→<공.コン>、<動・同>→<동.トン>、<永・映>→<영.ヨン> (※<ン>はどれもng)のように音読みの<○ウ>は、韓国語ではふつう下に<ㅇ.ン(ng)>がつくとか・・・。

 ところが音読みで<○ウ>でも、<ㅇ.ン(ng)>ではなく<ㅂ. プ(b)>のつく漢字がけっこうあることに気がつきます。

 ふつうに用いられている漢字のほぼ全部をリストアップすると下の通りです。

【갑・カプ】 甲・匣・岬
【겁・コプ】 怯・劫
【급・クプ】 及・扱・級・急・給
【납・ナプ】 納・拉・蠟
【답・ダプ】 答・踏
【법・ポプ】 法
【삽・サプ】 渋・挿
【섭・ソプ】 渉・摂
【습・スプ】 湿・習・襲・拾
【십・シプ】 十
【압・アプ】 圧・押・鴨
【업・オプ】 業
【엽・ヨプ】 葉
【읍・ウプ】 泣・邑
【입・イプ】 入・立
【잡・ジャプ】雑
【접・ジョプ】接・蝶
【집・ジプ】 執・集
【첩・チョプ】畳・妾・捷・諜・牒・帖・貼
【탑・タプ】 塔・搭
【합・ハプ】 合
【협・ヒョプ】協・峡・挟・狭・脅
【흡・フプ】 吸・恰

 では、これらの漢字にはどんな共通点があるのでしょうか?
 日本語に強い方はお気づきかと思いますが、これらを歴史的仮名遣いで記すと、たとえば<十>は<じふ>、<吸>は<きふ>、<法>は<はふ>のように<ふ>がつくのですね。

 上記の表を見ると、<貼>が<店>のように<점.ジョム>ではなく<첩.チョプ>になっています。あれ?と思って広辞苑で調べると、「テンプ」は慣用読みで、「チョウフ」が本来の読みであるとのことでした。

 元来はいうまでもなく中国語ですから、そこから入ってきた自国の文字では正確に表しきれない音を、どのような形で表記したか、という歴史的背景があるわけですが、そこらへんはもう学問の領域に入ると思われるので、今回はここで止めておきます。