ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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四天王寺ワッソ、中止!  昨日は王仁博士の歌碑除幕式

2009-11-01 20:57:42 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ
      

 今日11月1日、大阪で四天王寺ワッソが催されました、と思ったら、えーっ、天候不順のため中止になったんだって? それは残念・・・・
 代替イベントとして、近くの大阪歴史博物館で<2009年四天王寺ワッソアカデミー発表会>が催されて、歌とか踊りとかが披露されたそうですが・・・。

 四天王寺ワッソはずーっと昔からある行事ではなくて、1990年に在日韓国人系信用組合の関西興銀が中心となってはじめられたものです。関西興銀の破綻による資金難で2001年から3年間中断されましたが、2003年民団をはじめ日韓の企業・団体・歴史学者らが発起人となり、民団内にNPО法人大阪ワッソ文化交流協会が設立されて、2004年から大阪府等からも資金援助を受け、日本人も参加するようになって、毎年文化の日前後に開催してきています。

 場所は史跡難波宮跡。
 ウィキペディアによれば、
 「百済や高句麗など歴代朝鮮王朝の使節に扮した参加者が、当時の音楽と「ワッソ!ワッソ!」の掛け声とともに、舟だんじりを曳き、巡行する。これを、聖徳太子など古代日本人に扮した参加者が当時の作法で出迎える。関西をはじめ韓国の著名人も参加している」とのことです。

 この掛け声「ワッソ!ワッソ!」は、朝鮮語の<ワッソ(왔서)>=<来た>で、日本の祭の掛け声「わっしょい、わっしょい」もこれに由来する、といわれています。

 ただ、どうもこれは素人的語源説の域を出ない説のようで、私ヌルボとしては、「そうかもしれませんねー」くらいしかいいようがないです。

   === 昨日10月31日、王仁博士の歌碑の除幕式 大阪・御幸森神社 ===

 さて、このワッソでは上記のように古代の朝鮮使節とか(えっ? 乙支文徳も?)聖徳太子とか推古天皇とかが時代祭のように登場するようですが、とくに重要な役どころが百済から「論語」「千字文」を日本に伝えたとされる王仁博士。

     

 ワッソとは直接関係のないネタですが、大阪のコリアタウン御幸森にある御幸森天神宮境内に王仁博士の歌碑が建てられ、昨日10月31日除幕式がありました。
このニュースは「毎日新聞」等の他、韓国の「連合ニュース」でも伝えています。
 6月に「読売新聞」にも関連記事が載ったようです。

 しかし、歌碑といったって、私ヌルボは、「えっ、王仁さんの歌が残ってるの?」と思ってしまいました。(恥)
 調べたら、なんだ、「難波津に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」の歌だったのか、ということです。(大阪市此花区の人たちは何%くらい区名の由来を知っているのかなあ?)

 百人一首の最初に詠む歌ですね。読み人知らずの歌かとなんとなく思っていたら、王仁さんが仁徳天皇即位の時に、その治世の繁栄を願った歌と「古今和歌集仮名序」にあるそうな。じゃ、高校時代に習ったはず? (まあ大抵寝てたからなあ・・・。)
 そもそも、御幸森天神宮の祭神が仁徳天皇というわけか。

 歌碑は和文とハングル文が併記されているとのことです。
 和文は、藤原定家筆「古今和歌集」の影印を、ハングル書体は兵庫県たつの市の旧家・八瀬家に所蔵(同市立龍野歴史文化資料館に寄託)されている江戸期の掛軸を模刻する予定、とのことですが、江戸時代にハングルの掛軸があったんですか、ほう・・・。