ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国人原爆犠牲者慰霊碑をめぐる問題 平和公園外の慰霊碑を「差別」とみなした80~90年代のマスコミ

2015-10-16 19:54:17 | 韓国・朝鮮と日本の間のいろいろ

 11日(日)、広島の平和公園に行ってきました。前来たのは20年以上前。今回は限られた時間で、見たい所の一部しか行くことはできませんでしたが、平日仕事を持ちながら、月2回日曜日のガイドを10年間続けているというIさんのていねいな説明を聞きながら主な石碑やモニュメント等を見学し、とても勉強になりました。
 続いて原爆資料館へ。外国見学者の来館者がとても多く、展示物の前は割り込みもむずかしいほどの混みようでした。
 一緒に行った仲間の1人が吉永小百合による吹き込みに引かれて音声ガイドを借りたので、同じ物はあえて借りずリスニングの訓練のつもりで韓国語の音声ガイドを借りました。すると「강제징용(強制徴用)」なんて言葉が際立って聞こえるのは時節柄? あるいは私ヌルボ気にしすぎ? 中身は「約35万人の被爆者の中には、強制徴用された労働者を含め数万人の朝鮮人・中国人その外にも東南アジアの人々が含まれていました」というもので、まあ<徴用>=<強制徴用>だし、とりたてて目くじらを立てるほどのものでもないんですけど・・・。仲間に訊いたら日本語版と同じで、その文章をそのまま訳したようですね。
       

 ガイドさんから聞いた話で初めて知ったのは「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」(写真上)移設をめぐる話。ヌルボは、90年代「慰霊碑が公園外にあるのは差別だ」との声が高まったので移設した、と思っていました。ところがガイドさんの説明では「被爆した朝鮮の王族の○○(?)殿下が発見された場所に建てられたもので、差別があったというものではない」とのこと。
 慰霊碑を見ると、なるほど、「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の刻字の横に李鍝公殿下外貳萬餘霊位」と刻まれています。
 後で調べたところでは、李鍝[イ・ウ](1912~45)は大韓帝国皇帝だった高宗の五男の子。純宗や李王垠の甥にあたる人物で、当時は広島に置かれた第二総軍の教育参謀中佐で、8月6日は馬に乗って司令部への出勤途中福屋百貨店付近で原爆投下に遭い、本川橋西詰でうずくまっているところを夕刻発見され、市内似島の病院に収容されたが翌7日死亡したとのことです。

 以前広島を訪れた時、「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」を見た記憶はあります。移設が1999年7月なので、その時はまだ本川橋西詰めにあったわけですが、しかとは覚えていない上、撮ったであろう写真も行方不明です。
 ただ、当時(80~90年代)のマスコミ等で「公園外にあるのは差別」との主張に接していたので、なんとなく私ヌルボもそのように受け止めていました。
 
 そう思い込んでいたのは、文芸評論家・加藤典洋氏も同様で「敗戦後論」(1995年「群像」1月号に初出)に次のように記しています。

 護憲派は、原爆の死者を「清い」ものとし、同じく改憲派は兵士として死んだ自国の死者を「英霊」とし、「清く」する。広島の平和記念公園は韓国・朝鮮人の碑を受け入れていないが、ともに死者を「清い」、無垢な存在として祀ろうとしている点、平和記念公園と靖国神社は相似なのである。

 そして、この文章に次のような注をつけています。

 広島の原爆による朝鮮・韓国人の死者の存在はわたし達に深い意味をもっている。それは、原爆の死者の無垢性というものにわたし達の疑いを向けさせるたぶんはじめての契機となった。この敗戦の死者の問題の「ねじれ」が浮上するのに、この無垢な死者の碑石が取り除かれることはわたし達に不可欠の条件だったはずである。この文章の初出とほぼ同時期に訳書が刊行されたイアン・ブルマ『戦争の記憶—日本人とドイツ人』によれば、広島の記念公園には本国から強制連行され、広島で働かされている時に原爆にあった朝鮮人犠牲者の碑は、おかれていない。一九七〇年に大韓民国居留民団によって建てられた碑が「平和記念公園の外、片隅に隠れるように」立っている。「のちに地元の朝鮮人がこの慰霊碑を公園内に移転させようとしたが、失敗に終わった。広島市当局は、平和公園には慰霊碑は一つでよいといった。そしてその慰霊碑には朝鮮人の過去帳は納めてもらえなかった」。日本人以外には入れない。しかし、日本人でさえあれば、ほぼ個人の特定なしに入ってしまう、というあり方が、やはりこの平和記念公園と靖国神社の共通性格として浮かび上がる。なお、後者に関連し、死者の遺族の意思を無視しての護国神社への合祀をめぐり、山口県の殉職自衛官未亡人中谷康子が訴訟を起こしたことは記憶に新しい。

 上記の引用部分は、単行本の「敗戦後論」(1997.8)にも当然そのまま載っています。しかし最近刊行されたちくま文庫版(2015.7)には、次のような長い補注がつけられています。

 この注記とこれに関連する本文63頁の「広島の平和記念公園は韓国・朝鮮人の碑を受け入れていないが、ともに死者を『清い』、無垢な存在として祀ろうとしている点、平和記念公園と靖国神社は相似なのである」との記述に、重大な事実誤認のあったことを後に読者からの指摘によって教えられた。上記の本文記述を撤回するとともに注を次のように訂正したい。
  前広島市長平岡敬氏の手になる『希望のヒロシマ』(岩波新書.1996.7)によると、この碑は、「原爆の犠牲となった同胞を追悼するために、朝鮮王族李(イ)鍝(ウ)公を敬慕する張泰煕氏ら在日韓国人有志によって建立され、1970年4月10日に除幕された。」。碑の表面に「在日原爆犠牲者慰霊碑」という文字と並んで「李鍝公殿下外弐萬余霊位」と記されている通り、この碑は「韓国人原爆犠牲者の慰霊と李鍝公の追悼というふたつの性格をあわせも」つ。この碑の立つ場所についてはイアン・ブルマの著作『戦争の記憶』(TBSブリタニカ.1994)に「平和記念公園の外、片隅に隠れるように」立っているとあり、わたしも注に引いているが、それはこの地点がこの碑の追悼する李氏の終焉の地(本川橋西詰め)であることからそこに建てられた。碑には、「公の被爆された由緒深い場所に確定された」と記されている。従って、ここに日本人による韓国・朝鮮人差別が見られるというイアン・ブルマとその記述に従ったわたしの判断は、事実を正しく伝えない誤認である。
 このほか、わたしが注に引用したブルマの記述が、以下の点で事実と違っているので訂正する。
 一、慰霊碑の移転を広島市が断った事実はない。広島市は慰霊碑の平和記念公園内への移転にもし希望があれば応じたいと候補地を用意しているが、現在のところ、在日韓国人間にさまざまな意見があり、実現していない。
  二、平和記念公園内の原爆犠牲者の慰霊碑には日本人、韓国・朝鮮人全員の名前が記載されている。また、平岡氏によると、この在日原爆犠牲者慰霊碑の裏面には、建立協力者として、「李鍝公」の陸軍士官学校での同期生である多くの日本人の名前も記されている。
  元ジャーナリストから市長となった平岡氏は、この碑をめぐる誤解が世に広まっていることについて、「私は、いまの日本に韓国・朝鮮人に対する差別が存在しないといっているのではない。慰霊碑ができるまでのいきさつ、背景を調べないで、碑の建立”場所”を差別ととらえてしまう(日本のマスコミの—引用者)固定観念、先入観を問題にしたいのだ」と述べ、不正確な記述が広島に関し出回っている例としてこの一件に言及している。
  わたしの場合がその悪しき一例だろう。深い反省の意をこめてこの誤認を訂正させていただく。

 当時の平岡敬広島市長(1927~)はコチラの記事によると戦時中は京城帝大予科に在学中で、終戦は学徒動員先の興南(現・北朝鮮咸興市)の化学工場で迎えたとのことです。その後広島市に引き揚げて広島高校(現広島大)に編入し、早稲田大学を経て中国新聞社へ入社。中国放送代表取締役社長などを歴任した後、1991~99年の2期8年にわたり市長として在職しました。地元のジャーナリストして豊富な経験・知識を持ち、韓国・朝鮮への思いも深い人です。
 その平岡敬市長(当時)の「希望のヒロシマ」が刊行されたのが「敗戦後論」の1年前なのに、加藤典洋氏も編集者等も気づかなかったのは手落ちでしょう。(・・・って、今まで気づかなかったヌルボも言えたガラではありませんが・・・。)
 ※ここまでは→コチラの記事に拠りました。(大変情報通の、かつ熱心な<嫌韓>サイトですけど。)

 「公園外にあるのは差別」といった新聞記事は、広島大・石田雅春氏の論考(→コチラ)によると「昭和50年代初めごろから韓国人原爆犠牲者慰霊碑が平和記念公園から意図的に締め出されたとか、差別されているという解釈が次第に広まっていった。・・・・関係者の間では、韓国人原爆犠牲者慰霊碑の公園内移設を求める声が高まっていった。」とのことです。新聞各紙も、80年代後半から「広島市の差別的な措置によって同碑が平和記念公園の対岸に建設された」という言説を形成していきました。
 こうした中、1980年広島市は慰霊碑の公園内移設を認めるとともに、それを期に南北統一の慰霊碑を造るように求め、市と民団と朝鮮総聯の協議が始められました。(1997年はすでにその段階だったのですね。) で、移設が現実のものとなったのが1999年7月21日。翌8月5日に移設後初の慰霊祭が営まれたことは、「毎日新聞」等でも報じられました。移設がこれほども遅れたのは、たとえば「韓国」という名称を維持しようという民団側と、反対する総聯側の協議がまとまらなかったため。結局当面の間は従来の「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」を公園内に移すことで総聯側が譲歩してようやく移設が実現したというわけです。

 ・・・と、ここまで長々と書きましたが、全体的にみると、80~90年代の<進歩系>言論と、それを支える<良識的>読者(←私ヌルボのような)を取り巻く<時代的フンイキ>といったものがあって、それがちょっと冷静に調べればわかることまで怠って、この「公園外の慰霊碑は差別だ」問題についても誤解がそのまま事実であるかのように流布したといえそうです。例の「慰安婦報道」問題と通じるところがあるようですね。

 ・・・と、ここで記事をオシマイにすると加藤典洋氏の反省を数年遅れでなぞるだけになってしまいます。
 しかし、広島市&平和公園にとっても、韓国・朝鮮人と関係団体にとっても、私たち個々にとっても、重要な、そしてむずかしい問題は依然残っていることを忘れてはいけません。1999年の慰霊碑の公園内移設によって一件落着では決してないのです。
 それについては続きで・・・、といってもいつになるか。むずかしい問題はなおのこと書くのがむずかしいからなー・・・。
 ※イアン・ブルマ「戦争の記憶—日本人とドイツ人」はヌルボも読みましたが、(上記のことは別として)良い本だと思います。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [10月9日(金)~10月11日(日)]

2015-10-13 20:37:53 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 10日夜、NHKの番組「SONGS」でを初めて映像を見、まとめて聴きました。詞といい曲といい、若い層での人気がわかるような気がします。しかし、私ヌルボにとっては遠くから光源を見ている感じ、といったところか。(感覚の老化も如何ともしがたいか、あーあ。) それにしても、小学生ファンがけっこういるようなのは何なんだ!? あんな早口がよく理解できるものです。

 先週キネカ大森で「風の歌を聴け」(1981)を観ました。登場人物の会話が「~だ」調というのは村上春樹の原作通りか。活字だと軽やかな感じなのが映画のセリフとなると生硬な感じになってしまい、俳優の表情も硬いのでキュークツな印象を受けてしまいました。しかしここに描かれた青年像、今と重なるところがはたしてあるのか・・・。大森一樹監督、今年の第28回東京国際映画祭ではコンペティション部門審査員なんですってねー、ふーん。

 ブログ記事の1週間のブランクは3日間広島に行っていたからですが、一昨日の夜急いで帰ってきたのは国立新美術館に行くため。韓国国立現代美術館との共同主催で開かれていた「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋」の最終日が昨日で、かろうじてセーフ。日韓の作家各6人によるさまざまな形の作品が紹介されている中で、注目はイム・フンスンさんの「済州島の祈り人」(悲念)と題された映像作品、というよりもドキュメンタリー映画です。1948年軍隊や警察によって島民の5人に1人にあたる6万人が虐殺されたという済州島四・三事件(→wiki/%E6%B8%88%E5%B7%9E%E5%B3%B6%E5%9B%9B%E3%83%BB%E4%B8%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6">ウィキペディア)に焦点をあてた作品で、3面スクリーンの70分に及ぶ長編です。これは期待以上に見応えがありました。くわしくは→コチラ参照。
 イム・フンスン監督は今韓国で上映中の「危路工団(ウィロコンダン)」の監督でもあり、その作品で今年のベネチア・ビエンナーレで最も有望な若手アーティストに贈られる銀獅子賞を韓国人として初めて受賞しているのですね。その「危路工団」ですが、9~10日熊本で開催された<東アジア市民共生映画祭>(→コチラ)の中で上映し、監督もゲストとして来場したそうですが、ぜひ一般公開か、せめて各地で上映会を開くなりしてほしいものです。

「朝鮮日報」10月9日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)
 「オデッセイ」
   温もりあるSFの境地 ★★★★


 「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」

   目と耳共に満足できる ★★★☆

 「ザ・ホームズマン」

   H.スワンクのパンチ力 ★★★


 「怒れる弁護士」

   法廷を過ぎ道端に戻る ★★★


 各作品については下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(10月13日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①奇跡のピアノ(韓国)  9.7(42)
②チュニ マギ(韓国)  9.5(34)
③ミューン:月の守護者  9.4(26)
④危路工団(韓国)  9.3(31)
⑤今日の映画(韓国)  9.0(21)
⑥PK  8.9(132)
⑦あん(日本)  8.9(52)
⑧あなたをずっとあいしてる(日・韓)  8.8(87)
⑨アマゾン大冒険~世界最大のジャングルを探検しよう!~  8.7(32)
⑩Dearダニー 君へのうた  8.7(58)

 今回の新登場はありません。

     【専門家による順位】

①ザ・ホームズマン  8.2(4)
②今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
③ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
③危路工団(韓国)  8.0(7)
⑤エヴァの告白  8.0(5)
⑥スロー・ウェスト  7.8(5)
⑦オデッセイ  7.7(4)
⑧インサイド・ヘッド  7.6(9)
⑨ルック・オブ・サイレンス  7.6(5)
⑩ハリール・ジブラーンの預言者  7.5(4)

 ①⑥⑦の3作品が新登場です。
 ①「ザ・ホームズマン」は、トミー・リー・ジョーンズ監督・主演の2014年カンヌ映画祭コンペティション部門出品作。舞台は1850年代のアメリカ西部、というと西部劇かと思いますが、この作品が画期的なのは、これまでの西部劇ではほとんど添え物のように扱われていた女性にスポットを当てたこと。メアリー・ビー(ヒラリー・スワンク)はネブラスカの開拓地で馬を飼いながら1人で暮らしています。数えるほどの家族しか住んでいない所で夫となる男を見つけられず、31歳になっています。厳しい暮らしの中、家族を持つ他の女性たちの多くは心を病んでいました。3人の子供を次々と病気で失ったり、夫からの性の道具のような扱いを受けつつ母親の看病に追われたり、伝染病で家畜を失ったり・・・。そうした原因で心が壊れてしまった3人の女性を、村人たちはアイオワにいる村の牧師の妻のところまで送り届けることを決定します。そしてその役目を自ら引き受けたのがメアリーでした。アイオワまでは1ヵ月の旅。その途中、彼女きは馬に乗せられたままで木から首に縄で繋がれていた老いた男を発見します。助ける見返りとして旅に同行することになったその男は小悪人のジョージ・ブリッグス(トミー・リー・ジョーンズ)。彼を含めて5人の旅の行方は・・・。テキサスで生まれ育ったというトミー・リー・ジョーンズは本作をジェンダー等現代のアメリカ社会を映した西部劇と語っているとのこと。特に男性にとっては見るのがつらい作品との感想もありました。ネチズンの平均評点7.7に対し専門家は8.3と、フツーとは逆。まあわかるような・・・。韓国題は「더 홈즈맨」。日本公開は・・・未定ってか!?
 ⑥「スロー・ウェスト」は、2015年のサンダンス映画祭で観客賞を受賞したイギリス・ニュージーランド合作作品。舞台は1870年のコロラド。16歳の少年ジェイ(コディ・スミット=マクフィー)は、故郷のスコットランドで生き別れた恋人ローズを探すため単身で渡米します。東海岸から西海岸に向かう旅の中で、危機に直面した彼を助けれくれた賞金稼ぎのサイラス(マイケル・ファスベンダー)を用心棒として迎えたり、さまざまな人々と出会い、インディアンに襲われたりもし、それでもひたすら西へと向かいます。その旅路の果てに、彼を待っていたのは・・・、一体何だったのかな? 韓国題は「슬로우 웨스트」です。
 ⑦「オデッセイ」については後述します。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月9日(金)~10月11日(日)] ★★★

         マット・デイモン主演の「オデッセイ」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(28)・・オデッセイ・・・・・・・・・・・・・・10/08・・・・・・・・・1,533,704・・・・・・・・・1,814,946・・・・・・・・・14,890・・・・・・・1,132
2(1)・・マイ・インターン ・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・490,021・・・・・・・・・2,272,444 ・・・・・・・・18,143・・・・・・・・・545
3(20)・・怒れる弁護士(韓国)・・・・10/08 ・・・・・・・・・・・453,160・・・・・・・・・・556,309・・・・・・・・・・4,404・・・・・・・・・593
4(2)・・思悼(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・9/16・・・・・・・・・・・・241,921 ・・・・・・・・6,013,241 ・・・・・・・・47,153・・・・・・・・・471
5(3)・・探偵:ザ・ビギニング(韓国)・・9/24・・・・・・・・・・211,083 ・・・・・・・・2,412,821 ・・・・・・・・18,895・・・・・・・・・450
6(33)・・PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~・・10/08・・126,549・・・・・・144,983・・・・・・・・・・1,129・・・・・・・・・428
7(6)・・ミューン:月の守護者 ・・・・・9/24・・・・・・・・・・・・・45,504 ・・・・・・・・・・291,266 ・・・・・・・・・2,134・・・・・・・・・200
8(4)・・メイズ・ランナー2 ・・・・・・・・9/16・・・・・・・・・・・・・43,742・・・・・・・・・2,721,356・・・・・・・・・21,427・・・・・・・・・163
        :砂漠の迷宮
9(5)・・ベテラン(韓国)・・・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・・22,961・・・・・・・・13,397,782・・・・・・・・105,058・・・・・・・・・110
10(13)・・映画ドラえもん・・・・・・・・9/17・・・・・・・・・・・・・10,875・・・・・・・・・・・110,900・・・・・・・・・・・・800・・・・・・・・・・53
      のび太の宇宙英雄記〈スペースヒーローズ〉(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・3・6位の3作品です。
 1位「オデッセイ」は、リドリー・スコット監督、マット・デイモン主演のSF。しかし火星への有人飛行というのは今はたしてSFと言っていいのかどうか? 原作のアンディ・ウィアー「火星の人」はたしかにハヤカワ文庫SFに入っていますが・・・。火星での探査中、宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)は強烈な嵐に巻き込まれてしまいます。彼は死亡したと思った仲間は火星を離脱してしまい、1人火星に取り残されたワトニーは、限られた物資と自身の知恵をたよりに4年後のNASAの救出まで生き延びようとします・・・。私ヌルボが思い出したのは江戸時代のいくつかの漂流物語。たとえば吉村昭の「漂流」です。しかし鳥島での12年と比べても火星での4年間は環境的にキツそう。どっちもいやですけど・・・って書くまでもないか。韓国題は「마션」。日本公開は2016年2月です。
 3位「怒れる弁護士」は、韓国の犯罪アクション。勝訴確率100%のエース弁護士ピョンョン・ホソン(イ・ソンギュン)に入った新しい依頼は新村女子大生殺人事件の有力容疑者の弁護。死体も証拠もないという難物の事件。しかし彼の脳はすぐに作動し、パートナーの朴事務長(イム・ウォニ)と共に事件現場で容疑者の容疑を晴らす決定的な証拠を確保します。そして裁判当日。ことあるごとにぶつかる後輩検事チン・ソンミン(キム・ゴウン)の反論に対抗して反論するピョン弁護士、いつものように勝利を確信したその瞬間、なんと容疑者が「自分が被害者を殺害した」と告白します。突然の告白に形勢逆転。ピョン弁護士は勝訴のために証拠を操作したという疑惑もかけられ、人生最大の危機にさらされます。・・・が、そこからエース弁護士の痛快な反撃が始まる・・・んですよね。原題は「성난 변호사」です。
 6位「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」は、ピーター・パンの誕生ストーリーを新視点から描いた実写版。日本公開は10月31日。当然諸情報はたくさん流されています。韓国題は「팬」。同じスペルなのでfanかと思ってしまいました。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・ミューン:月の守護者 ・・・・・・・・・・・・・9/24・・・・・・・・・・・・・45,504 ・・・・・・・・・・・291,266・・・・・・・・・・2,134 ・・・・・・・・200
2(3)・・リトル・トムと魔法の鏡 ・・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・・・・7,489 ・・・・・・・・・・・・86,544 ・・・・・・・・・・・634 ・・・・・・・・・49
3(4)・・今は正しいがその時は間違いだ(韓国)・・9/24 ・・・・・・・・7,068 ・・・・・・・・・・・・61,399 ・・・・・・・・・・・508 ・・・・・・・・・46
4(新)・・スロー・ウェスト・・・・・・・・・・・・・・・・10/08 ・・・・・・・・・・・・・・2,556 ・・・・・・・・・・・・・4,165 ・・・・・・・・・・・・34 ・・・・・・・・・36
5(5)・・チュヒ マギ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・9/30 ・・・・・・・・・・・・・・1,688 ・・・・・・・・・・・・26,452 ・・・・・・・・・・・185 ・・・・・・・・・52

 4位「スロー・ウェスト」が新登場です。これについては上述しました。

韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [10月2日(金)~10月4日(日)]

2015-10-06 14:43:03 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 韓国語についての9月25日の記事10月4日の記事で「1億クイズショー」というSBSで3年前にやっていた番組のことを書きました。この番組で映画関連問題も出題されていたんですね。→コチラ(韓国語)なんですが、問題は、国際映画祭で受賞した①「オールド・ボーイ」②「サマリア」③「オアシス」④「酔画仙」の4作品を受賞した順に並べよ、というもの。ほぼ同じ頃なので紛らわしいなー。私ヌルボは見当で答えてちょっと間違い。調べたら①=2004カンヌ(グランプリ)、②=2004ベルリン(銀熊)、③=2002ヴェネチア(最優秀監督賞)、④=2002カンヌ(監督賞)やんけ。正解は④③②①の順、・・・ってこれは無理。しかしパク・ジソン&パク・ヨンジン(←俳優ではない)のギャグマン組は正解して賞金1180万ウォンをゲットしたそうです。

 横浜のシネマ・ジャック&ベティで「“記憶”と生きる」を16日(金)まで上映中。アップリンクで見逃した方はぜひ。
 気になっている韓国映画「提報者~ES細胞捏造事件~」はヒューマントラストシネマ渋谷で1週間(~9日)だけ、それも夜遅く1回だけという上映。なんだ、これは!!? とても困る。明日行けるかどうか・・・。

 この1週間は映画鑑賞ナシ。あ、今日は時間あるから何か肩の凝らないものでも観てくるかな?

「朝鮮日報」10月2日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」 (ハングル文も訳文も10字です。)

 「チュニ マギ」

   2老女性の凄絶な運命 ★★★☆


 「ノーブル」

   意味あるが面白み不足 ★★★


 「ノーブル」はイギリス・ベトナム合作の、クリスティーナ・ノーブルという女性の物語。1944年アイルランドのスラム街で生まれた彼女は自身の悲惨な境遇を克服し、ベトナムで多数のストリート・チルドレンの栄養・医療・教育等の支援活動を続けている人です。彼女については→コチラ、この映画については→コチラ参照。日本公開は未定(ない?)のようです。「ジュニ マギ」については下の記事中で紹介しています。

           ★★★ Daumの人気順位(10月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①奇跡のピアノ(韓国)  9.7(41)
②ミューン:月の守護者  9.4(26)
③チュニ マギ(韓国)  9.4(30)
④危路工団(韓国)  9.3(29)
⑤今日の映画(韓国)  9.3(20)
⑥今日  9.3(22)
⑦戦場のピアニスト  9.3(592)
⑧PK  9.0(127)
⑨Dearダニー 君へのうた  9.0(50)
⑩あん(日本)  8.9(46)

 新登場は③と⑨の2作品です。
 ③「チュニ マギ」は韓国のドキュメンタリー。タイトルは2人の女性の名前です。はしかと台風で2人の息子を失った本家の嫁マギは、一家の血筋を繋ぐため、分家のチュニを第二夫人として本家に迎えますが夫はその後亡くなり、女2人の生活に・・・。以後46年間共に生きてきた2人ですがすでに老境に入って久しく、腰も曲がっています。ほとんど過去のものとなった息子選好思想が生んだ悪習、高齢化社会の老後問題、日本同様に重要な課題となってきた<終活>(韓国では웰 다잉(ウェルダイイング))の問題等についても考えさせられますが、それよりも落ち葉を見ても笑う少女の感性顔負けの2人の天真爛漫さが感動的、とのことです。原題は「춘희막이」です。
 ⑨「Dearダニー 君へのうた」は日本では9月5日公開で現在上映中です。韓国題は「대니 콜린스」。

     【専門家による順位】

①セッション  8.4(7)
②今は正しいがその時は間違いだ(韓国)  8.2(4)
③ひと夏のファンタジア(韓・日)  8.0(7)
③危路工団(韓国)  8.0(7)
⑤エヴァの告白  8.0(5)
⑥インサイド・ヘッド  7.6(9)
⑦ルック・オブ・サイレンス  7.6(5)
⑧ハリール・ジブラーンの預言者  7.5(4)
⑨ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション  7.3(8)
⑨ベテラン(韓国)  7.3(8)

 順位・評点とも前回と同じです。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月2日(金)~10月4日(日)] ★★★

         日本では10日公開の「マイ・インターン」がトップ

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(4)・・マイ・インターン ・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・532,778・・・・・・・・・1,453,571 ・・・・・・・・11,724・・・・・・・・・659
2(1)・・思悼(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・9/16・・・・・・・・・・・・492,525 ・・・・・・・・5,571,316 ・・・・・・・・43,819・・・・・・・・・767
3(2)・・探偵:ザ・ビギニング(韓国)・・9/24・・・・・・・・・・472,536 ・・・・・・・・2,004,876 ・・・・・・・・15,780・・・・・・・・・666
4(3)・・メイズ・ランナー2 ・・・・・・・・9/16・・・・・・・・・・・・191,521・・・・・・・・・2,608,165・・・・・・・・・20,581・・・・・・・・・414
        :砂漠の迷宮
5(6)・・ベテラン(韓国)・・・・・・・・・・・8/05・・・・・・・・・・・・・82,578・・・・・・・・13,341,104・・・・・・・・104,621・・・・・・・・・294
6(8)・・ミューン:月の守護者 ・・・・・9/24・・・・・・・・・・・・・57,877・・・・・・・・・・・241,824 ・・・・・・・・・1,769・・・・・・・・・283
7(5)・・西部戦線(韓国)・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・・43,077・・・・・・・・・・・578,912・・・・・・・・・・4,535・・・・・・・・・344
8(38)・・呪怨 -ザ・ファイナル-(日本) ・・10/01・・・・35,913 ・・・・・・・・・・・・45,535・・・・・・・・・・・352 ・・・・・・・・・317
9(7)・・エベレスト 3D・・・・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・31,387 ・・・・・・・・・・・315,841・・・・・・・・・・2,920・・・・・・・・・171
10(新)・・Dearダニー 君へのうた・・9/30 ・・・・・・・・・・・22,714 ・・・・・・・・・・・・40,290 ・・・・・・・・・・・303・・・・・・・・・309
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 「ベテラン」がまだベスト10内に留まっていますが、韓国映画動員数歴代2位の「国際市場で逢いましょう」(1425万人)には届かないみたいですね。
 秋夕(チュソク)に向けて5作品が新登場だった前週と対照的に、今回の新登場は8・10位の2作品だけです。
 8位「呪怨 -ザ・ファイナル-」は、おなじみの、と書きたいところですがヌルボ個人的にはおなじみじゃなくてコメントする資格ナシ。日本では6月公開でしたが、今はもしかして涼しすぎるのでは? 韓国題は「주온:더 파이널」です。
 10位「Dearダニー 君へのうた」は、上述の通り目下日本でも上映されています。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(6)・・ミューン:月の守護者・・・・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・・・57,877 ・・・・・・・・・・・241,824 ・・・・・・・・・1,769 ・・・・・・・・283
2(58)・・Dearダニー 君へのうた・・・・・・・・・9/30 ・・・・・・・・・・・・・22,714 ・・・・・・・・・・・・40,290 ・・・・・・・・・・・303 ・・・・・・・・309
3(2)・・リトル・トムと魔法の鏡・・・・・・・・・・・9/24 ・・・・・・・・・・・・・12,241 ・・・・・・・・・・・・77,797 ・・・・・・・・・・・573 ・・・・・・・・111
4(3)・・今は正しいがその時は間違いだ(韓国)・・9/24・・・・・・・10,137 ・・・・・・・・・・・・47,453 ・・・・・・・・・・・394 ・・・・・・・・・53
5(19)・・チュヒ マギ(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・9/30 ・・・・・・・・・・・・・・8,182 ・・・・・・・・・・・・21,068 ・・・・・・・・・・・147 ・・・・・・・・247

 2位「Dearダニー 君へのうた」と5位「チュヒ マギ」3位「今は正しいがその時は間違いだ」が新登場です。いずれについても上述しました。

[韓国語] 「進上」に悩まされるコンビニ店員・・・って、どういう意味?

2015-10-05 21:52:10 | 韓国語あれこれ
 2つ前の記事の関連でピョンドリ(편돌이)すなわちコンビニのアルバイト店員関係の記事を読んでいたら、「진상」という言葉に出くわしました。店員の悩みのタネの1つがこの「진상」だという内容です。このスペルに該当する漢字語を思い浮かべると「真相」それから「進上」くらいですが、それだと意味がとれず。例によって<NAVER辞書>を引いてもそれらしい説明はナシ。ネット検索すると、やっぱりピョンドリ(편돌이)同様に、若者を主としたネット社会でよく用いられるような言葉は<ナムウィキ>です。その「진상」の項目(→コチラ)の説明文中にありました。以下はその要点です。
 漢字では「進上」で、本来の意味は日本語同様モノを差し上げることです。ところが、封建時代だと進上する相手は王とか上級の役人等。否応なく差し出さなければならないので、「とくに最上品じゃなく、質の落ちるモノでもテキトーに差し出しておけばいいんじゃない?」というわけで、「진상」には「粗末な品物」という意味も込められるようになりました。(←これは各辞書にも載っています。) 他に、商人の中でもとくに無教養で不作法な者を意味したという説もあるようです。
 このような背景の下で、嫌でも相手にしなければならないような困った客「진상손님」というようになり、それが短縮されて「진상」だけで店員を困らせる嫌な客をさす侮蔑語になった、とのことです。「진상」に固定化されたのが「2011年現在」とありますが、検索にかかった2007年の<YAHOO!知恵袋>に「진상 손님 って?」という質問がありました。(→コチラ。) ということは、大雑把に言って「近年広まってきた言葉」とみてよさそうで、その質問では「진상 손님」ですが回答文は「진상」になっています。回答には「昔の王に対するように嫌でも従わざるをえない、そんな困った相手」といった説明がついています。

 <ナムウィキ>によると、類似の言葉として블랙컨슈머(ブラックコンシューマー.Black Consumer)」の他に「손놈(ソンノム)」というのがありました。これはわかりやかいですね。손닙(ソンニム.お客様)」の닙を놈(奴)に変えて「손놈」。いやー、意味の大変化!(笑)

 日本でもたまに嫌な客がいますね。私ヌルボ、以前スーパーで「社長を出せ!」とか大きな声を出している客を見たことがありました。スーパーの場合(→コチラ)やコンビニの場合(→コチラ)を見ると、韓国の事例とほぼ重なります。(韓国の方がちょっとカゲキかも・・・。) そのことに気がついていない客もけっこういそうです。いや、気がついてないからこそ「ソンノム」なのか?
 ところで、日本語では嫌な客を指す特定の言葉はないのですか?

※商品に「王に進上するほど良い物という意味で「진상」の文字がパッケージ等に入れられる例は多いが、上記のように「質の悪い物」という意味もあるので嘲笑されたりもするとか・・・。また진상애호박」という애호박(子カボチャ=ズッキーニ)があるとのことですが、これは光陽市津上(진상)面で作られたズッキーニなのだそうです。ハングルだけの表記はやっぱりまぎらわしいなー。

[韓国語] 「蒸し暑さ(ムドウィ)」と「虹(ムジゲ)」の共通項は?

2015-10-04 21:28:35 | 韓国語あれこれ
 9月25日の記事<双八年度>って、いつのこと?>(→コチラ)の中で韓国SBSの番組「1億クイズショー(1억 퀴즈쇼)」のことを画像付きで少し書きました。
 そこで私ヌルボ、8月にもこの番組の画像を見たことを思い出しました。その時は「虹」つまり「무지개(ムジゲ)」という言葉に関する問題でした。

 で、その「무지개」について検索したきっかけは、「朝鮮日報」の連載コラム「萬物相」でした。8月8日は<무더위 강더위(蒸し暑さ、強烈な(?)暑さ)>という見出しで書かれていました。(→コチラ。)
 いかにも、とくに暑かった今年の夏の真っ盛りの記事です。見出しにある<무더위><蒸し暑さ><더위(トウィ)>=<暑さ>に무(ム)が付いてしあつさ>なので、日本人としては憶えやすいですね。
 ところが、もう1つの<강더위>という言葉は知りませんでした。
 記事の冒頭に「<강(強)추위>「雪が降って刺すような風が吹く厳しい寒さ」だ」とあるので、<강추위>や<강더위>の강は強。つまり「強烈な」寒さ・暑さのことをいうのかと思いましたが、それは一瞬。次のような文章が続いています。
 純粋の韓国語<강추위>は全然違う。「雪も降らず、風も吹かない、ひたすら厳しい寒さ」だ。」
 つまり、この場合の강は漢字の「強」ではなく、固有語の接頭語。たしかに辞書にもあります。「厳しい・酷い」といった意味です。
 <강추위>の意味は上記のように雪のような水気のない寒さ。そして同様に<강더위>湿気のないカラカラの暑さのことをいうのだそうです。これに対して<무더위>「湿度と温度が高く、蒸すような堪えがたい暑さ」です。今年の夏は降水量が少なく、貯水量も9月半ばの時点で平年の約7割だし、まさに<강더위>の夏だったということでしょう。

 さて、この記事を読んで知ったのが「なんで<暑さ.더위>にが付くと<蒸し暑さ.무더위>という意味になるのか?」ということ。記事によると、この물(ムル.水)から転じたものだとか。えっ、そうなの!?と私ヌルボ、目からウロコ。
 で、この물に由来した무が頭に付いている言葉として<무좀>(ムジョム.水虫)<무지개>(ムジゲ.虹)が例にあげられていました。後者については、물방울(水滴)が作った<지게>(チゲ.지게문すなわち門)という意味なのだそうです。

 と、ここで関連の韓国記事をいくつか見てみた中に上述の「1億クイズショー」があったというわけです。(→コチラ。)
 2012年6月の放送で、出された問題は「무지개の語源は何か?」
 しかし、その問の内容は무の部分についてではなく지개の意味を問うもの。「무지개は元々水で 作られた「これ」であるという言葉だった。「これ」とは何か?」という2択問題で、選択肢は①활(弓) ②문(門)。先に「萬物相」を読んでたので当然ラクショー。画像を見ると正答者6人で間違った人2人。英語のrainbowが「雨+弓」なので、「それはないだろう」という読みがほしかったところ。

 この「1億クイズショー」という番組についてちょっと興味を持ったので調べてみたら、2011年11月にスタートして1年後に終わったようで、今はありません。