泥子のブログ

南房総の山里や海の風景、
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館山いじめ問題を考える会の通信から

2018-12-11 20:39:57 | いじめ自殺問題 館山
考える会通信 第18号  18. 11/20 館山いじめ問題を考える会  発行:林 成行 編集:小出一彦

 関係機関の対応に問題あり 第三者委最終報告

 9月23日、金丸市長からご遺族に第三者委の最終報告書全文が手渡されました。
故田副勝(たぞえしょう)君の命日である10日に要旨は渡されていましたが、個人情報部分の確認などを経てこの日になりました。
 第三者委は、ヒアリング(ご遺族4名9回、館山三中と館山小教職員16名17回他ヒアリング対象者と重複含め書面回答6名、市教委関係者4名3回、県教委スーバーバイザー1名1回、元三中生徒2名2回、PTA関係者3名2回)と無記名アンケート(小6時の同学年生徒と中2時の全校生徒対象で113名から回答)、そして関係機関とご遺族から提出された膨大な資料の読込み、29回の会議を経て報告書をまとめられました。
 ご遺族は、「皆様のご支援によりここまで来ましたこと、心から御礼申し上げます。また、委員会の先生方のご尽力の結果として受け止め、心から感謝申し上げます。今後、この報告書を当時の関係者の人達がどう思うのか聞きたいし関係機関が委員会の提言を受けて具体的にどうされてゆくか、見守ってゆきたいと考えています」と述べられています。
なお、報告書の概略など、以下の通りです。

 生活状況やいじめの状況からは、
「家族関係には問題無し」「小学校での人間関係に何らかのストレスを抱えていた可能性あり。それ故、学区外通学を希望したと考えるのが合理的」「母親が外国人であることのからかいがあったが2年の担任引き継がれておらず、指導などに活かされた形跡はなく対応が十分だったか疑問」「制汗スプレーを吹きつけられたことは心を深く傷つけた可能性が高く、本人を標的にしたものではないという説明に納得したとは考えにくく、対応について本人の心情への配慮に欠けた所があった」「制汗スプレー以外にも野球部内でいじめがあったことは否定できない」「部活用バッグの汚損行為は心を傷つける一因になった可能性は否定できない」「たびたびの自転車のパンクは本件生徒を標的にしたものとは認められないが、こうした状況では心にダメージを与えたと思われる」と判断されています。

そして自死の原因は、
「遺書からは精神的に疲弊していたこと以上の事情を読み取ることは困難」とした上で「精神的な苦痛が相当程度蓄積し、加えてそれを解消し又は緩和するために周囲の助力も得ることができなかった状況にあったと考えられ」「『学校が始まる』ということが最後の決断をさせたと推認するのが合理的で、特に『部活動が始まる』ということが大きな心理的負担になっていた可能性が高い」「但し、原因のすべてが学校生活や部活動における問題にあったと断定するに足る証拠はなく、自死を決意した原因の全容は解明に至らなかった」と報告されています。

 また、この間の学校の対応については、
「(直後の)学級意識調査に関し、自死との関係で検証し、分析した資料がまったく存せず、からかい等の分析や再調査の必要性の検討などがなされた形跡もなく、生徒の自死という重大事態が生じている状況における対応として十分であったかは疑問」「この調査用紙の廃棄が隠蔽等を目的とは考えられないが、何ら解明されていない状況において、重要な原資料を廃棄したことは不適切な対応であり、遺族の不信感を著しく増大させる一因になってもいる」とあります。

 市教委の対応では、
「学校による調査などが十分であったか検証したり市教委が主導して調査などをすべきかを検討したりする余地はあったように思われる」「(再)調査の方法等については遺族の納得を得る努力はすべきだった」「アンケート結果を開示した際に一部の調査結果が漏れていた問題が2度起きているが、隠蔽その他の意図があったことを示す証拠はないが、遺族が不信感をいっそう強めたことは当然で、市教委の対応はあまりに慎重さを欠いたもの」と指摘しています。

 そして最後に
「再発防止に向けた提言」として「いじめの発生防止に向けた取り組み(いじめ防止教育、いじめの科学的理解、多様性を理解する教育、部活動の全員入部性の見直し」「いじめの早期発見・早期対応を可能とする体制整備(被害者の立場に立ったいじめの把握)、多様な情報把握ルートの確保等、教員の負担軽減)」「子どもに関する情報共有の体制整備等(情報の記録化等、学校と家庭・地域等との連携、小・中学校間の連携)」「子どもに対するケアの充実(いじめ等の相談のあった子どもに対する継続的なケア、加害者への継続的な対応)」「重大事態発生時の対応(責任の所在の明確化等、関係者の心情を踏まえた対応、調査における客観性・公正性・中立性の確保)」と記載されています。

※世話人会としましてはご遺族の見解によることを前提として、次の通り考えています。

①ご家庭内で勝君の状況が把握できていなかったことも報告書に指摘されているが、これは包み隠さずご遺族が聞き取りに応じた結果であること。その一方、多くのあいまいな記述から考えて、関係者の皆様が調査に真実を語ったのかどうか疑念が残ること。
②全般的に調査が難航した元生徒関係は、委員長がたびたび記者会見で言われた「時間の壁」があったのか、非常に残念なこと。
③委員会事務局の責任者が関係者だったことに関し、そんな人がやっている調査に応じられるわけがないと市民から言われたように、調査活動に支障を及ぼしたことに触れられていない点は不十分であること。
④野球部の遠征試合帰りのバスの中での制汗スプレー事件の時、顧問は眠っていて気が付かなかった、というのがご遺族への説明だった。しかしながら、「野球部の顧問は、車内で生徒たちが騒いでいるという程度の認識しか有していなかった」とある。顧問は委員会にそう証言したのだ。では関係機関からの説明は何だったのか、不誠実極まりない。
⑤委員会の無記名アンケートで、より具体的な直接情報が得られたことは市教委が強行した記名調査の不十分さ、誤りがあきらかなこと。「(部活用の)カバンが壊されているところを見た」「野球部内でひとりぼっち、仲間はずれにされている様子だった。暗かった」「(母親が外国人であることに関し小学校の時に)数人からののしられたり暴力を振るわれているのをみた」などである。なお、この小学校時の件が本来の二中ではなく学区外の三中希望の理由判断にもつながり、さらに「城山公園で二中の元小学校時代の同級生が待ち伏せしていじめていた」という事を、間接情報にも関わらずあえて記載したことにつながったのだと考える。
⑥当初の「学級意識調査」の破棄問題は「隠蔽目的とは考えられない」とある。しかし、集計表には7名からの回答として、3類型が記載されているのみでいじめの記載はそこにはない。だが、ネット上に、間違いなくいじめについて書いた、との投稿もあったことから、「考えられない」と断定することはできないと考える。
⑦市教委が行った再アンケートの回答で、もっとも重要な直接情報がご遺族に渡された資料から抜けていた問題は「隠蔽その他の意図があったことを示す証拠はない」とある。「隠蔽ではなかった」としなかったのは、委員会が少なくとも疑念を持ったということ、そのほか多くの言動が良しとはされなかったことを関係機関は深刻に受け止めるべきである。

世話人会はこれらのことを踏まえたうえで、委員会が、新たな事実も明らかにし、いじめの実態を認定されたこと、関係機関の対応について問題があることを指摘されたことは良かったと考えています。そして、関係機関の皆様方が、指摘されたことを真摯に反省され、自ら改めて検証し、今後に活かされることを期待いたします。なお、それぞれの事柄に関しあいまいな記述が多いことやいじめと自死の関係について、その全容は解明できなかったとされたことについては、自死後、7年6ヶ月も経過した中での委員会発足だったこと、委員会には強制的な調査権がないことなどから、やむを得ないと考えていますが、「無関係である」としなかったことに、委員の皆さんの調査の結果として良心を感じます。それだけに、早い段階での取り組みの重要性を、関係機関の皆様には肝に銘じて頂きたいと思います。
(発行の遅れをお詫びします:小出)


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1 コメント

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Unknown (匿名)
2019-06-30 08:19:37
この田副って言う人教育委員会に訴える資格ないですよ
この人同じ職場で働いたことありますけど人の事いじめるしお金貸せってしつこく言うし貸さなかったら人の事いじめるクズですよ
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