「HP Pavilion Desktop PC HPE 290jp/CT」BTO標準構成価格16万6430円(税込) ついに「ファイナルファンタジーXIV」(以下,FFXIV)の発売日が発表された。βテストでの必要動作環境も発表されたので,PC環境を見直している人もいるのではないだろうか。はたまた,PlayStation 3版の発売日は来年なので,あわててFFXIVが動くPCを導入しようとしている人もいることだろう。 さて,日本ヒューレット?パッカード(以下,HP)から登場した「ファイナルファンタジーXIV冒険Ready PC」こと「HP Pavilion Desktop PC HPE 290jp/CT」(以下,HPE 290jp/CT)。本製品は,1000台限定でFINAL FANTASYR XIV βテストレジストレーションコードが付いてくることが最大のウリとなっているが,実際にどの程度のパフォーマンスを発揮するのか気になっている人も多いことだろう。 すでにFFXIVのオフィシャルベンチマークテストが発表されており,本誌で発表した主要GPUによる比較も大きな反響をいただいた。「ATI Radeon HD 5870やGeForce GTX 480でも“快適”に届かない!」と,オンラインゲームらしからぬ要求性能の高さにおののいている人も多々見受けられるようだ。その一方で,冒険Ready PCに搭載されているGeForce GTX 260のスペックで本当に大丈夫なのかと不安に思う人が出ても不思議はないだろう。 まず,最初に言っておきたいのは,フルHD解像度でのゲームプレイは現時点では忘れておいたほうが幸せかもしれないということである。FFXIVは,数年後のPCスペックのメインストリームを想定して製作されているため実際のところ,現時点での最強構成を持ってきても高解像度では“快適”には届かない。 しばらくの間は,“Low”のほうが一般的なゲーム環境に近いものと考えたほうがいいだろう。“Low”というと,なんとなく言葉のイメージはよくないのだが,“Low”とされている1280×768ドットだって,普通のゲームなら決して低解像度扱いなどはされないだけの情報量を持っている。それを忘れないようにしたい。 また,スクウェア?エニックスから示されている“快適”や“やや快適”といった指標は,具体的にどれくらいの速度で動くことを示しているものなのかも分かりにくいかもしれない。“やや快適”というと,どこかに快適でない部分が残っているのではないかと疑ってしまいがちなのだが,“普通”の上であることを考えると,「普通以上に快適」な状態であることに注意したい。 ここではFFXIVオフィシャルベンチを含めたいくつかのベンチマークテストによって,FFXIV冒険Ready PCのゲームでのポテンシャルをチェックし,実際のゲームプレイ環境に近い設定でどの程度動くのかを確認してみたい。Core 2 Duo搭載PCとパフォーマンス比較FFXIV Official Benchmarkも実施 改めてHPE 290jp/CTのスペックを簡単にまとめると,表1のとおりとなる。機材調達の都合上,今回はこの基本スペックから,BTOオプションによりCPUを「Core i7-980X Extreme Edition/3.33GHz」に変更したモデルでテストを行った。FFXIVベンチマーク実行時にも平均CPU負荷は8%程度と,余力ありまくりだったので,ベンチスコア自体は標準よりも多少性能が上がっている程度に考えておいていただきたい。 また,今回の比較対象には,同じくHPのエントリー向けデスクトップPCの「HP Pavilion Desktop PC p6420jp/CT」(以下,p6420jp/CT」で,CPUに「Core 2 Duo E7500/2.93GHz」を,グラフィックスに「GeForce 315」をそれぞれ選択したモデルを用意した。 p6420jp/CTの主なスペックも表1に併記してあるので,両者の違いはその表を参照していただきたい。Core 2 Duo E7500は,2コアCPUながら,普通のオンラインゲームならまったく問題なく動かせる性能がある。GeForce 315は,GeForce 220とGeForce GT 240の中間的なスペックのGPUとなる。たいていのオンラインゲームなら十分使えるレベルのグラフィックス性能だが,それ以上のものではない。ざっくりといってしまうと,メインストリームモデルとして発売されている数多くのPCの平均より,ちょっと上くらいのスペックのモデルだと思っていいだろう。そのp6420jp/CTでFFXIVが満足にプレイできるのかどうか,はたまたFFXIV冒険Ready PCに買い換える必要があるのかを見てみようというわけである。 テスト内容は本誌ベンチマークレギュレーション9.2に準拠だが,時間の都合上,定番ベンチマークソフトの「3DMark06」(Build 1.1.0)とDirectX 9世代のFPS「Call of Duty 4: Modern Warfare」(以下,Call of Duty 4),それにDirectX 10世代の「バイオハザード5」,Unreal Engine 3世代の「ラスト レムナント」に絞って実施。さらに,FFXIV冒険Ready PCということで「FFXIV Official Benchmark」(以下,FFXIVベンチ)のHighモードでのテストを行っている。また,細かな解像度設定が用意されていないFFXIVベンチ以外のテストでは,解像度は1280×1024/1680×1050/1920×1080ドットの三つのみ行っている。両者の差は決定的FFXIV以外の多くのゲームでHPE 290jp/CTが有利 では早速,テスト結果に移ろう。グラフ1,2は3DMarkにおける総合スコアをまとめたものだ。p6420jpでは3DMark Vantageは正常動作しなかった。3DMark06の総合スコアは,CPUとGPUの両方のパフォーマンスがスコアに影響を及ぼすが,さすがにHPE 290jp/CTは,p6420jpの4倍前後の高いスコアを発揮している。とくに高負荷設定において両者の差はより開く傾向にあり,これはGPUの性能差に起因するものと見てよいだろう。 また,CPUの性能差については,3DMark06のデフォルト設定である1280×1024ドットにおけるCPUスコアを抜き出したグラフ3を見ても分かるとおり,こちらもHPE 290jp/CTのスコアはp6420jpの約3倍とかなり高いパフォーマンスを叩き出している。 では実際のゲームにおけるHPE 290jp/CTのパフォーマンスはどうなのか。グラフ4はCall of Duty 4の平均フレームレートをまとめたもの。本誌レギュレーションでは快適にプレイするには60fpsが必要としているが,p6420jpは標準設定の1280×1024ドットでさえ,その基準を満たしていない。一方,HPE 290jp/CTは高負荷設定の1920×1080ドットでさえ楽にその基準を上回っており,両者の差はかなり開いている。 続いてグラフ5は「バイオハザード5」の結果である。バイオハザード5はカプコン独自の開発フレームワーク「MT Framework」で制作され,マルチスレッド処理に最適化されている。そのため,HPE 290jp/CTは6コア12スレッド処理が可能なのに対して,p6420jpは2コア2スレッド処理しかサポートしていないことから,高負荷設定ではHPE 290jp/CTはp6420jpの5倍以上のスコアを発揮しており,パフォーマンスの高さが光る。 さらに「ラスト レムナント」の結果がグラフ6となる。ラスト レムナントでも,これまでのテストと同様に,両者の開きはかなり大きい。スクウェア?エニックスは,グラフィックス設定を高めに設定した状態での快適な動作には,スコアが65fps必要としており,Core 2 Duo搭載マシンであるp6420jpは,それにまったく届いていない。一方,HPE 290jp/CTは1920×1080ドットでその基準を上回っており,高い解像度でも快適なプレイが可能である。
引用元:アトランティカ rmt
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