ハノン、やってますか?
ハノン、好きですか?
私はレッスンに通い初めて間もなくハノンを始め5年半が経ちました。
ハノンはけっこう好きで、苦になりません。
でも、なかなか上達しないのには間違った練習をしてきたからのようです。
ハノンのおかげでへ音記号も読めるようになったし、相対音感が身に付いたのもハノンのおかげ。指も強くなったからまったくムダだったわけではないけれど、努力の割に報われてないという感じです。
速く弾くことに関して限界を感じていました。
でも!
新しい先生は体験レッスンのときにおっしゃいました。
「必ずそらまめさんも速く弾けるようになります」と。
人一倍どんくさい私が速く弾くことなんてあきらめていたので半信半疑だったのですけど、こんな私がハノンの1番をテンポ108で通せるようになったので、効果が実証できたので紹介したいと思います。
既に速く弾けるという方にとっては今更ながらの内容だと思いますので読み飛ばして下さい。
また、信頼できる指導者についている方は、ご自身の先生の指導に従ってください。
ちゃんとした指導が得られない方、悩んでいる方のために書いています。
5年3ヶ月かけてできなかったことが、わずか3ヶ月でできるようになったのですから、たぶん、良い練習方法の一例なのではないかと思います。
前の先生とのときはふだん72~76くらいのテンポでゆるく通して、ちょっと速めに弾くときは80、ちょっと頑張って90以上で弾いたら、腕はパンパン、指の付け根も痛くなっていました。
でも、本当に弾けるようになったんです。腕も手も痛くなりません。本当に自分で信じられないくらいです。
今まではハノンは指を鍛える筋トレのようなものだと思っていました。指を鍛えればいつか速く弾ける日が来るのか、来ないのか、いや、来ないだろうな…とうすうすは気づいていました。でも練習するしかないと。
もちろん、筋力もつくかもしれないけれど、強引に弾いていつか速く弾けるようになるわけではありません。いえ、もともとの能力の高い方なら、強引に速く弾けるかもしれませんが、少なくても、どんくさい私の場合は…ということです。
大事なのは筋力ではなく、脱力だったんです。
「脱力が大事」って言うのはわかるけど、どうやって???
それを今の先生は教えてくれました。
「最小限の努力で最大限の効果を得る」ために先生が与えて下さった練習メニューです。
音大にでも行くなら毎日全部やってもいいけど、その日その日で自分で3~10パターン程度を選んでやります。
上記のメニューを効果別に自分なり(あくまでも私の感じたものね)に分類すると
芯(支え)を作る: 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,23
脱力を確認する: 1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22
指をなめらかに動かす: 3,4,14,15,16,17,18,19,20,21,22
音の粒を揃える: 3,4,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23
この変奏に入る前の前段階があって、音が抜けても、ヘナヘナになってもいいからとにかくゆっくり、指の重さだけで弾く練習をします。「いやいや弾いてる感じ」と表現できるかもしれません。この練習を2週間して、脱力の状態を覚えました。
これができるようになったら、打鍵時に指先にだけ力をいれて、もう少ししっかりした音を出します。慣れてきたら少しテンポをあげてOK。でも打鍵時の脱力を確認できる速さで。
並行して変奏に入ります。
長く伸ばす音を大事にします。長く伸ばす音で支え(芯)を作り、同時に脱力を確認します。これはすべての変奏に共通します。
変奏も最初のうちは前半のパターンを中心のメニュー、速く弾けるようになってきたら後半のパターン中心のメニューにシフトしています。
(14)~(16),(17)~(19),(20)~(22) はそれぞれをひとつのセットとして練習するとすべての指がまんべんなくパラパラ動くようになります。
(3)~(4)などもそうですが、脱力と速い動きがセットになったパターンは、脱力が確認できればどんどんメトロノームのテンポを上げていきます。4つだけなら16分音符も108を超えてさらに弾けるはずなのです。力まずパラパラ弾ける限りOKです。
この時点では、レガートで弾くときに速さは求めません。
無理して速くすると、結局力んで、もとの力で強引に弾く悪い弾き方に戻ってしまいます。
そしていよいよレガートを速く弾くとき、最初はフォルテで弾きません。鍵盤の上っ面だけ、撫でるように。速く弾くことと、強く弾くことを同時に求めると、やはり以前の弾き方に戻ってしまいます。これは1日1回程度通すのみ。何度もやりません。
でもいつまでもこの弾き方ではだめですね。やはりフォルテで弾いてこそのハノン。
今度はフォルテで弾く練習をします。まずは最初の1小節+次の小節の一音だけ繰り返し弾きます。休符のときにすっと離鍵して脱力を確認します。
|ドミファソラソファミ|レ (休み)|
*休み=(付点8分休符+4分休符分)
慣れたら、休符を入れながら後続の小節も同じように弾いていきます。弾いて休符を入れ、そのときに脱力を確認して、次の拍で次の小節を同じ1音目から弾いていきます。
|ドミファソラソファミ|レ (休み)
|レファソラシラソファ|ミ (休み)…
休符が入ることでいったん脱力を確認できるところがミソですね。一度リセットされてから良い状態で次の小節へと進めますから。この時の感覚をよく覚えておきます。
最初のうちは休符で高く手をあげてかまいません。慣れてきたらすっと前に手首を持っていくだけで指が鍵盤についていてもかまいません。
この休符を入れた練習をテンポ108以上で弾きます。最初のうちは付点8分休符+4分休符分休んでからだと余裕を持って脱力を確認できます。慣れてきたら付点8分休符だけでも。
手に力も入りづらく、レガートで普通に弾いたときに乱れにくく余裕を持って弾くことができます。これからも1番のこの練習は続けていきたいと思います。
1番を合格してからはいろいろな変奏はせず、休符を入れた練習と、通常のレガートのみで練習しています。レガートは最初は気を抜くと左右の音がずれたり、遅れたりでメトロノームについていくのがいっぱいいっぱいでしたが、今は同じ108でもだいぶ余裕が出てきたので、音を聴いて合わせることができるようになってきました。この練習はしばらく続けたいと思います。
5年半かかって、やっとスタートラインに立てた感じです。でもここを避けて通っていたら、すぐに壁にぶつかっていた既に壁にぶつかっていて、自分の限界を感じながらピアノを弾いていたと思います。今は、きっと上達できると信じられます。
同じように悩んでいる人の参考になればいいな。
ちなみに、2番では変奏にさらにアクセントやスタッカートをつけた練習もしています。
そらまめさんが
こんなにきちんと解説できるぐらい
細かく丁寧にご指導されているということですね。
「上達できる」って実感があるんですね。
すごい。きっとぐんと上達するでしょうね。
私もいつも「力はいっているな~」
と思っています。
脱力することを気にかけて
練習してみます。
実を言うと、私は今はハノンはスケールとかアルペジオくらいしか使っていないんですが、もっと前にこの練習方法を知っていれば、もうちょっと上手くなっていたかも……(笑)。
私の先生はピアノの演奏活動はしていませんが
教えることに関してはプロフェッショナルだなぁ~と感じます。
どうやったら生徒が弾けるようになるかを
あれこれ研究するのがお好きなようで
「最小限の努力で最大限の効果を得る」ための指導方法を
いつも考えていらっしゃるようです。
けんば~んさんはかなり脱力が身についていると
お見受けしているのですが
それでも力が入っていると感じることがあるんですね。
極端に言ってしまえば曲もハノンも何ら変わらないので
力が入っていることを自覚したときは
伸ばす音や休符などを利用してうまく力を抜けるといいですね。
きっとこれが身に付くと意識せずとも
常にこれができているということになるのでしょうね。
NaGISAさんはピシュナやコルトー、ブラームスでと言った教材を使われたのですね。
私はピシュナは「リトル」の方をちょっとだけ独学で練習しましたが
それさえ挫折しました(笑)
どんな教材を使ったとしても
NaGISAさんはバッハの平均律にたどり着いた方ですから
脱力がしっかり身についていらっしゃればこそ。
脱力ができていないで弾くのは不可能ですから。
そのNaGISAさんに良い練習方法と思っていただけたなんて、本当にウレシイです!
私の先生、しつこいですが「最小限の努力で最大限の効果」のある練習を考えるのが大好きなので、
これからどんな指導が待っているか本当に愉しみです。
素晴らしいですね。
私の先生も一歩一歩少しずつ前進できるよう、丁寧に教えて下いますが、そらまめさんの先生は、それ以上に細かい指導をして下さっています。大まかな流れは、私の先生と同じなので、さっそく細部を参考にさせて頂きます。
速度100迄は余裕を持って弾けれるようになったのですが、それ以上になると日によってバラつきがあり、進歩が滞っているんです。これを読んで1歩前進出来る気がしてきました。
1フレーズ毎に休符を入れて脱力を確認する弾き方は、最近自分で考えて実行していたのと全く同じで感激です。1フレーズだと余裕で弾けれるのに、続けると弾けなくなるんです。毎回力を抜いて、変な癖を付けないよう、良い弾き方だけを覚えさせようと考えました。
前の先生は何も教えてくださらなかったので、自分で色々工夫をして練習していましたが、進歩はいまひとつ。新しい先生に変わってから、先生の言われる練習だけをしているとみるみる進歩しました。それなのに少し進歩が止まったからといって、性懲りもなく、また自分で考えてしまって・・・自作の練習法なんて止めた方がいいかな、と思っていた所なんです。自信を持って続けていけれます。
「最小限の努力で最大限の効果」私の先生もお好きですよ。「出来るようになるまで何回も弾きなさい、と昔の先生はよくおっしゃいましたが、そんな時間はありませんので・・・」と、短時間で効果のある練習方法を教えて下さいます。
そうなんです、私もぴよのさんのハノンのレッスン記を読むたびに、私の先生の指導に似てるって、思っていましたヨ!
私も前の先生にはハノンについては何も教えてもらえなかったです。同じ時期に悩んで、同じ時期に新しい先生について、同じ時期にハノン1番から再スタートした私たち、同じような指導を受けてるのって、すごいですね。そして同じように進歩できたなんて、本当に奇跡的です!!
そうそう、短時間で効果的な練習方法、忙しい私たちには大事ですよね。
今時の子どもたちも忙しいらしく、短時間の練習、あるいは練習してこなくても進歩が実感できるレッスンをあれこれ工夫しているそうです。
ハノンについては今日のレッスンでもいいことを教わってきたので、またレッスン記に書いておきますね!!
譜面はゆっくりで弾いてます。
習い始めた頃から今も変わってませんが・・
前回のレッスンで16分音符普通に(笑)弾いて指がつれそうになりました(笑)
ゆっくりで弾いてるから待ちのところが
待てなくて(笑)早く弾けないのに・・
ずっとゆっくり、良い弾き方で弾いていると
ある時速く弾いてみると弾けたりして…
どこかが痛くなるうちはやはり無理がかかっているということを再確認しました。
ステップを踏めば、必ず指は動くようになると思います!
お互い、頑張りましょうね。