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アーロン・プライアー対アレクシス・アルゲリョ(1982/11/12)

1982-11-12 18:21:13 | classic

WBAスーパーライト級タイトルマッチ

3階級を制したニカラグアの貴公子、アレクシス・アルゲリョ選手(Alexis Arguello)が4階級制覇を賭けてスーパーライト級王者のアーロン・プライアー選手(Aaron Pryor)に挑んだ1982年の試合は、プライアー選手が14回TKO勝ちしてタイトル6度目の防衛に成功した一戦でした。

日本でも今なお多くのファンに愛されているアルゲリョ選手。
貴公子と呼ばれる風貌からは想像できない凄まじいハードパンチの持ち主で、芸術的なカウンターから生み出される凄惨なノックアウトを量産。また見かけに反して結構打たせながらの強気の打ち合いに強さを発揮していた名選手中の名選手でした。
一方チャンピオンのプライアー選手は80年8月にアントニオ・セルバンテス選手に4回KO勝ちで獲得したWBA王座を5連続KO防衛中の27歳。野性味溢れるというか野獣のような八方破れの突貫攻撃でデビュー以来31戦全勝(29KO)で23連続KO勝利中という強豪で、史上初の4階級制覇に挑むアルゲリョ選手にとって不足は無い相手でした。

試合内容は、とにかくプライアー選手の異様なタフネス、スタミナが強烈な印象を残した試合でした。
アルゲリョ選手の渾身の右ストレートを何発浴びたことでしょう、11回に何度も入ったアルゲリョ選手の右カウンター。13回に正面からジャストミートされた右、など試合序盤からアルゲリョ選手の素晴らしいブローが何度も何度も王者を捕えるのですが、ほとんど効いたそぶりを見せず逆襲に転じるプライアー選手のタフさはとにかく驚異的でした。
また、試合序盤に一気に倒しにかかる突貫攻撃を仕掛けたものの、ここでアルゲリョ選手の正確な攻撃での反撃に会いやや分が悪いと見るや、中盤から足を使って出入りのアウトボクシングにガラリとスタイルを変えて見せた意外な器用さも印象的。
このスタイルに転じて以降、シャープな左ジャブ、鋭い右ストレートリードを駆使するプライアー選手のボクシングは実に見事なもので、特に右のパンチが非常に強く、このパンチがヒットすると一気に畳み掛けるコンビネーションで度々アルゲリョ選手を棒立ちにさせていました。
プライアー選手の鋭い攻撃に晒されながら徐々にダメージを蓄積させていったアルゲリョ選手に対し、ハードなショットを何発浴びても弱るどころか逆に勢いを増すかのようだったプライアー選手。
最後は14回に力尽きたアルゲリョ選手がプライアー選手の左右の乱打に屈しています。



ちと脱線しますが、当時からプライアー選手の異様なタフネスに薬物使用疑惑も囁かれていました。
真偽の程は私にはわかりませんが、試合中にトレーナーのパナマ・ルイス氏が怪しげな黒い瓶に入った液体を飲ませていた映像が残っているとかとの話しもあるようです??(私は確認してません)
また、翌年83年にニューヨークMSGで行われたビリー・コリンズルイス・レスト戦でレスト選手のセコンドを務めたパナマ・ルイス氏がレスト選手のグローブに詰め物をしていたことが発覚しFBIが殺人未遂で捜査に乗り出す、といった事もあり黒い噂の絶えないトレーナーではあったようです。
この件でルイス氏とレスト選手はボクシング界から永久追放されたのですが、ルイス氏は後年セコンドに付いていたりもしてたっけ・・
コリンズ選手はこの試合での目の怪我によって選手生命を絶たれ、1年後に22歳の若さで謎の交通事故死を遂げています。

コリンズ対レストの試合を以前見たときに、いろいろとネットで調べてコリンズ選手の試合のときの様子や悲劇的な最後などの情報を得たのですが、今探してみたら見つからず・・
ゆえにその時の記憶を元に書いてる情報ですので全てを鵜呑みにはしないで下さい。

2008-11-06 18:21:13


Aaron Pryor, Hall of Fame Legend, Passes Away at 60(BoxingScene) 
プライアーが逝去。長年患っていた心臓病によるものとのこと。
フランキー未亡人「彼は非常にアグレッシブでファンを喜ばせるThe Hawkとして世界中に知られているけど、私たち家族にとっては愛される夫であり父であり祖父でもあり兄貴でもあり、叔父・友人でもあった」

Aaron Pryor vs. Alexis Arguello - CompuBox Looks Back(
BoxingScene) 
・トータルヒットのパーセンテージ
、パワーヒットのパーセンテージは両者ほぼ同じ。
・プライアーはより優れたジャバーであった。ラウンド平均58.2発のジャブを放ち13.6ヒット(23%) アルゲリョは23.7/4.2(18%)
・データ上の大きな差はジャブと手数の差。プライアーはラウンド平均106.9の手数を繰り出し、アルゲリョは59.7
・7ラウンドまででプライアーは100発以上多くヒットを奪っていた。
・フィニッシュの14回はトータルヒット28-2、ジャブ11-1、パワー17-1と圧倒。プライアー自身繰り出したパワーパンチの57%をヒットさせた。 
・プライアーのトータル手数1429。ラウンド平均106.9というのはスーパーライト級平均の倍に迫るもので、ラウンド平均13.6のジャブヒットというのはSL級平均の約3倍。
・最初の2ラウンズでプライアーは92発ヒット。ちなみにメイ対パック戦では2ラウンドまでの2人合わせてのヒット数28
 




 2016.10.10追記



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2 コメント

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Unknown (asikawa)
2008-11-07 18:44:37
試合前のリングで対峙した際、プライアーがグローブをグッと相手に向けて
威嚇するパフォーマンスは日本人がよくマネしてました(福田健吾とか)。
セコンドが何か飲ませる映像は私も注意して見ましたが良く判りませんでした。

アルゲリョは強くて紳士でまさに戦う貴公子でした。
タイソン初来日の東京ドームで握手する幸運な機会を得ましたが、
そのカッコよさには息をのむほどでした。

コリンズの試合後の顔は何かの誌で見たような気がします。
腫れも傷もあまり酷い様には見えなかったですが。

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Unknown (管理人)
2008-11-07 19:25:33
>asikawaさん
今第2戦の記事をちょうどうpしたところなんですが、あのカッコイイポーズの写真貼ってありますw

アルゲリョ氏と握手ですか!凄いっすねぇ 羨まし過ぎます・・
薬師丸ひろ子さんと親交があるとかでナンバーの記事で見た記憶があります。
ドームでも一緒に観戦されていたり??
あの日の夜の11PMの時間にやっていた特番にも小泉氏、試合を裁いたマーカンテ父氏とともに出演していましたよね。カッコよかったなー
いや、ほんとうらやましい・・

私はコリンズ対レスト戦の映像を事のいきさつを知りながら見たので、ほとんど直視できませんでした。両目が腫れていました。
コリンズ選手は試合中に相手のグラブの異変に気づいていたんだけど、それでもぶっ倒してやるとコーナーの父に訴えていた、とのエピソードを聞いていかにもアイリッシュだなぁ・・とか感じました。
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