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「Best I faced」:ウィルフレド バスケス(04‐23‐21)

2021年04月23日 05時41分25秒 | ボクシングネタ、その他雑談

*米国のリング誌が不定期的に行っている「Best I faced」というコーナーがあります。これまで自分が対戦した相手で誰が一番強かったか、というインタビュー形式のものです。特に引退した選手のものになると、その選手を含めた当時の記憶と記録が蘇るため、非常に重宝しています。

今回の主人公は、WBA王座の3階級制覇を達成したプエルトリコの生んだ強打者ウィルフレド バスケス。各階級での世界王者時代に、日本のリングでも防衛戦を行った、我々にも馴染みのある選手です。

20年以上プロのキャリアを続け、リングに登場する事68度。日本人ボクサーにとり天敵だったバスケスは、下記の各項目の名手として、誰を挙げたのでしょうか。

ジャブの名手(Best Jab):
エロイ ロハス(ベネズエラ/帝拳)。1996年5月に、WBAフェザー級王者だったロハスにバスケスが挑戦。10回終了時までは大きくリードされていたバスケス。しかし11回にその強打でロハスをとらえ、逆転TKO勝利に成功。バスケスが3階級制覇を達成しています。「ロハスは長身で、リーチも長く、放たれるジャブは固かった」との事。

防御の技術(Best Defence):
オーランド カニザレス(米)。1995年1月に対戦。カニザレスは保持していたIBFバンタム級王座の16度目の防衛に成功し、同級での連続防衛記録を更新した名選手。2階級制覇を目指しバスケスに挑みました。両者が持てる技術をフルに稼働させた好試合でしたが、体格で上回ったバスケスが若干のリードを保ち判定防衛(2対1)に成功しています。

頑丈なアゴ(Best Chin):
六車 卓也(大阪帝拳)。1988年1月に大阪のリングで、バスケスが保持していたWBAバンタム級王座の初防衛戦として対戦。結果は引き分けでしたが、バスケスは「とにかく六車はタフだった」とコメントを残しています。この試合での六車のタフさは、今でも語り草となっています。

パンチのスピード(Fastest Hands):
ナジーム ハメド(英)。1998年4月に、バスケスが英国に乗り込んで対戦しています。バスケスは当時のボクシング界の中心的選手だったハメドと対戦するために、保持していたWBAフェザー級王座を返上。ハメドが保持していたWBO王座に挑む形で行われました。ハメドのパンチはとにかく早かったそうです。

足の速さ(Fastest Feet):
パンチのスピードと同じく、ハメドを挙げています。ハメドのフットワークは早く、そしてトリッキーだったそうです。

賢さ(Smartest):
ここでもハメド。バスケス曰く、ハメドは「賢く、速く、高い防御技術もあり、そして素晴らしいパンチャーと、万能な選手だった」と称賛。

強さ(Strongest):
ロキー カシアニ(コロンビア)。1997年8月に、WBAフェザー級王座の防衛戦で対戦。バスケスが明白な判定勝利を収めています。ガッツのある選手だったそうです。

パンチ力(Best Puncher):
ハメド。ハメドのパンチは早いだけでなく、強く、そして予想外の角度から飛んできたとか。まあそれは、ハメドと対戦したすべての選手が感じた事でしょう。

技術者(Best Skills):
ハメド、ロハス、そして2度対戦したラウル ペレス(メキシコ)を挙げています。

総合(Overall):
ハメド。早くてトリッキーで、戦うのがとても難しかったとの事。

ハメドのオンパレードのような感じを受けますが、アラブのプリンスは、プエルトリコの巨峰に認められるだけの名選手でした。

56勝(41KO)9敗(4KO負け)2引き分けというレコードを残しリングを去ったバスケス。日本のリングでは3勝(2KO)1引き分けという結果を出しています。六車のタフネスには大苦戦し、横田 広明(大川)の変則的なボクシングを捕まえきれず。「大した王者ではないな」と思いきや、当時の日本ボクシング界のホープだった葛西 裕一(帝拳=同ジムの名トレーナー)には125秒の速攻勝利を収めてしまい度肝を抜かれました。その後3階級制覇を果たした後、渡辺 雄二(斉田)の顎を砕く圧倒劇を演じてしまいました。

(その強打で世界3階級制覇を達成)

体は固く、パンチもスロー。葛西を応援していた自分にとって、憎い存在。どららかと言えばプロたたき上げで、泥臭いボクサー。当時はそれほど評価していた選手ではありませんでした。しかし今振り返って見ると、チャンスとなると、まさに機を見るに敏。その強打を当て、同級の強豪たちをバッタバッタと倒していきました。またキャリアを重ねるごとに上手さを加え、巧者カニザレスにも競り勝ってしまいました。今の私にとって、記憶と記録に残る名ボクサーの一人です。こういう味のある選手、最近はあまりいませんよね。

今回のリング誌のバスケスの欄には、次のようなコメントが添えられていました、「このような名選手が殿堂入りしていないことが不思議でしょうがない」と。全くその通りだと思います。


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