DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

続「ボクシング 10年」PartⅩ(ハグラーの後輩たち)

2021年03月25日 05時42分38秒 | ボクシングネタ、その他雑談

このDaispo Boxingを始めた当初、不定期ながらも数回に渡り「ボクシング10年」という、自分(Corleone)がボクシングに興味を抱いてからの約10年の間のボクシング界について、ザっとしたものを書いていました。第一弾は2004年6月23日。当時引退したばかりのリカルド ロペス(メキシコ)がどれだけ凄いボクサーで、軽量級、特にミニマム(旧ストロー、105ポンド/47.63キロ)とそのひとつ上のライトフライ(旧ジュニアフライ、108ポンド/48.97キロ)のその後の課題はロペスの後継者を生み出すことであると強調しました。

昨年の9月にSuperchamp1991というものを購入。そこには私がボクシングに惹かれる直前、1991年春先の世界王者たちの顔ぶれが掲載されています。その顔ぶれを見てみると懐かしさと同時に、自分にとって新鮮味がある王者たちが載っています。

今回は伝統のミドル級となります。当時のミドル級といえば、日本ボクシング界にとって遠い存在でした。日本国内ランキングは設置されていましたが、同級の日本人世界王者は存在せず、日本人がミドル級の世界王座に挑戦した事すらありませんでした。あまりにもかけ離れた存在だったため、「ミドル級か、そんな階級もあるんだな」と、その程度の感覚しかありませんでした。

その後、幾つものマービン ハグラー(米)の素晴らしい試合を見る機会を得ました。そして数年後には竹原 慎二(沖)が日本人として初めて世界ミドル級王座に挑戦し、獲得するという歴史的快挙を演じました。年を追うごと親しみのわくクラスとなっていきました。

1991年春以降、ジェームス トニー(米)、ロイ ジョーンズ(米)、ジェラルド マクラレン(米)、バーナード ホプキンス(米)、セルジオ マルティネス(亜)、ゲナディー ゴロフキン(カザフスタン)など、数々の名選手を定期的に輩出してきたミドル級。世界的に見て、中間的(middle)な体重のクラスですが、ボクシングの中心的(middleではなくcenter)なクラスと言って過言ではないでしょう。

ハグラーのラストファイトとなるレナード戦から4年。1991年春先時点でのミドル級王者たちの顔ぶれを見てみましょう。防衛回数は当時のものになります。

WBAミドル級:マイク マッカラム(ジャマイカ/防衛回数2)
WBCミドル級:ジュリアン ジャクソン(バージン諸島
/0)
IBFミドル級:マイケル ナン(米/5)

好選手たちが名前を並べていますね。偶然というのでしょうか、それとも実力選手たちが揃っているからでしょうか、当時のWBO王者クリス ユーバンク1世(英)を含め、4名とも世界2階級制覇を達成しています。マッカラムは3階級まで制覇しています。

マッカラムは伝説のヒットマン、トーマス ハーンズ(米)と同じくクロンクジムでその腕を磨いた選手。スパーリングではハーンズを相手に五分以上のパフォーマンスを演じたとか。ただ実力は認められていながらも、華がない選手でした。1991年春の時点ですでにジュニアミドル級(現スーパーウェルター級)に続いて2階級を制覇。しかしより報酬の得られる他団体王座との対戦を選んだためWBA王座を返上。ミドル級で別のタイトルを獲得する事はありませんでしたが、1994年にはライトヘビー級王座を獲得し3階級制覇を達成しています。

(「ボディー・スナッチャー」の異名を持った技師マッカラム)

ジャクソンもマッカラム同様、ミドル級は自身2階級目の世界王座となります。ジャクソンの世界初挑戦は1986年まで遡り、マッカラムが保持していたWBAジュニアミドル級王座に挑戦。しかし2回TKOで敗れています。その後世界王座を獲得し、あのテリー ノリス(米)を下すなど防衛回数を伸ばしていましたが、目の怪我(網膜剝離)のために一時戦線離脱。しかし前年1990年11月にミドル級で再び世界のベルトを腰に巻くことに成功しています。1998年まで戦い続けたジャクソンの終身戦績は55勝(49KO)6敗(全KO負け)。勝っても負けてもほとんどの試合がKO/TKOと、常にスリリングな試合を提供する選手でした。

(カリブの強打者ジャクソン)

長身のサウスポーで、スピードを活かしたボクシングを展開したナン。スピードスターとして、あのシュガー レイ レナード(米)の後継者の筆頭、スーパースター候補生として将来が大いに期待されていた選手でした。しかし欠点として試合毎の波が激しく、また、この本が発売された直後に当時無名だったジェームス トニー(米)に大逆転の11回TKO負けを喫してしまい世界王座から陥落しています。その後スーパーミドル級王座を獲得し、2階級制覇を達成しますが、肝心の試合で負けてしまうという癖が抜けきらず。結局は並みの世界王者として終わってしまいました。最近、ちょくちょく彼の試合を見ますが、リング上でのパフォーマンスを見る限り、もっともっと活躍できた選手でしょう。

(スーパースター候補生だったナン)

まだまだマイナー団体だったWBOの王者はクリス ユーバンク(英)。現WBA同級暫定王者の実父です。決して悪い選手ではなかったんですが、最近のボクシング専門誌での掲載では少々誇張され気味の感じを受けます。この年の秋にはWBOスーパーミドル級王座を獲得し、2階級制覇達成に成功。その王座は14度も守ることになりましたが、まあ、ミドル級、スーパーミドル級共に、第4の世界王者という地位がお似合いだった選手でした。

 

(現役時代のユーバンクと、現世界王者である実子と。何かカッコいいミドルエイジですね)

どの時代でも通じるであろう実力者たちが世界王者として名を連ねていた当時の世界ミドル級戦線。しかしマッカラムは華がなく、強打が魅力だったジャクソンは打たれ脆さも兼ね備えたていました。リング上でもポカミスの常習者だったナンは、リング外でもドラッグの常習犯としてその人生を不意にしてしまいました。実子の活躍もあり、ある意味一番の成功者はユーバンクだったかもしれません。

現在のミドル級王者の顔ぶれは、村田 諒太(WBA)、ジャモール チャーロ(WBC)、ゲナディー ゴロフキン(IBF)、デメトリアス アンドラーデ(WBO)と中々の実力者が揃っています。これからもミドル級からは好選手が誕生していくんでしょうね。


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