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今年もやってるやってる~

「Best I faced」:ニコライ ワルーエフ(04‐08‐21)

2021年04月08日 05時50分19秒 | ボクシングネタ、その他雑談

*米国のリング誌が不定期的に行っている「Best I faced」というコーナーがあります。これまで自分が対戦した相手で誰が一番強かったか、というインタビュー形式のものです。特に引退した選手のものになると、その選手を含めた当時の記憶と記録が蘇るため、非常に重宝しています。

今回はボクシング史上最大級の体格の持ち主で、WBAヘビー級王座に2度就いたニコライ ワルーエフ(露)になります。

(ロシアの巨人、ワルーエフ)

ワルーエフは213センチの身長と、145キロの平均体重で試合に臨んでいました。この数字がどれだけのものか、現役と歴代ヘビー級王者と比べてみましょう。ワルーエフと同じ時代に活躍したクリチコ兄弟(ウクライナ)。ビタリの身長は202センチでウラジミールのそれは199センチでした。現WBCヘビー級王者タイソン フューリー(英)は身長206センチ、平均体重120キロ。現役でも最大級の体形の持ち主であるフューリーより、ワルーエフは一回り(二回りかな?)大きいということになります。ウラジがフューリーと対戦した時、ウクライナ人がかなり小さく映った印象が強く残っています。

アンソニー ジョシュア(英/198センチ・109キロ)とディオンティー ワイルダー(米/201センチ・100キロ)はクリチコ兄弟と同サイズ。モハメド アリ(米/191センチ)、イベンダー ホリフィールド(米/189センチ)はこれらの選手たちと比べるとかなり小柄ですね。マイク タイソン(米)に至っては、176センチぐらいの数字が出ています。タイソンとワルーエフは40センチほども違う事に!!!

(身長はフィートやインチで、体重はストーンで明記されていますが、ワルーエフに強大さは分かるとおもいます)

「Russian Giant(ロシアの巨人)」の異名を持った、というか見たままのワルーエフ。ジョーンズは下記に挙げた各項目の名選手として誰を選んだのでしょうか。

ジャブの名手(Best Jab):
ラリー ドナルド(米)。2005年10月に、WBAヘビー級王座への挑戦権を賭け対戦。2対0という僅差の判定勝利を収め、世界王座獲得へ向け前進しました。ワルーエフは数々の好打者と対戦しましたが、ジャブに関しては、実力はありながらも世界挑戦に届かなかったドナルドを挙げています。

防御の技術(Best Defence):
ルスラン チャガエフ(ウズベキスタン)。2007年4月に対戦。ワルーエフは0対2の判定で敗れ、一度目の世界王座から転落してしまいました。サウスポー・スタイルに加え、185センチというワルーエフから見て小柄なチャガエフは、とても戦いづらい相手だったそうです。そういえばチャガエフも2度、WBAヘビー級王座を獲得しました。

頑丈なアゴ(Best Chin):
ジョン ルイス(米)。ワルーエフは2度、世界王座を獲得していますが、その2度ともルイスに勝利を収めて世界のベルトを腰に巻くことに成功しています。多くの選手がこの項目に値するボクサーでしたが、あえて一人を挙げるとしたらこのルイスだと言っています。

パンチのスピード(Fastest Hands):
デビット ヘイ(英)。クルーザー級でIBF以外の3つのベルトを統一し、ヘビー級に転向してきたヘイを挙げています。ヘイはスピードのある素晴らしい選手だったが、ヘビー級よりクルーザー級の選手と揶揄しています。ワルーエフは2009年11月にヘイに2度目のタイトルを奪われた試合を最後に、現役から引退しています。

足の速さ(Fastest Feet):
ジャブ部門と同じくドナルドを挙げています。

賢さ(Smartest):
イベンダー ホリフィールド(米)。確かホリフィールドはワルーエフと対戦した時、既に46歳でした。ワルーエフは自身を破った二人の選手(チャガエフとヘイ)より、ホリフィールドのボクシングのIQの高さを賞賛していました。

強さ(Strongest):
ジャミール マクライン(米)。2007年1月にスイスで対戦。マクラインが膝の負傷のため3回で棄権してしまいましたが、体の強さ、体力は抜きんでていたとの事。

パンチ力(Best Puncher):
ホリフィールド。この選出は意外な気がします。ただ、この記事を読んだボクシングファン達のコメントを集約してみると、「ソニー リストンやジョージ フォアマン等に比べると、ホリフィールドのパンチ力は劣るだろう。しかし彼のパンチ力は過小評価されている」とのことです。

技術者(Best Skills):
ドナルド。

総合(Overall):
ホリフィールド。ワルーエフは特にホリフィールドとドナルドを賞賛しています。ワルーエフがホリフィールドと対戦したのは2008年師走。スイスで行われたこの一戦は、ロシア人にとってヘイに敗れた試合の一試合前のものとなります。ワルーエフはここでも2対0の僅差の判定勝利を収めています。試合が行われたスイスは、両者にとって中立国。しかしホリフィールドへの声援が多かった試合でした。

(スイスのリングで対峙したワルーエフとホリフィールド)

ワルーエフがここで挙げた選手たちは、2000年代後半を代表する選手たちばかり。彼らはロシアの巨人とのみ対戦したのではなく、互いに拳を交えました。ホリフィールドはルイスと3戦続けて対戦し、1勝1敗1引き分けの戦績を残しています。ドナルドには完敗。ルイスはマクラインに判定勝利を収めていますが、チャガエフには判定負け。ヘイはワルーエフから奪った王座の初防衛戦でルイスをTKO。引退に追い込んでいます。

ワルーエフの終身戦績は50勝(32KO)2敗(KO負けナシ)と素晴らしいレコードを残しました。外見に似合わず、基本に忠実で丁寧なボクシングを披露した現役時代のワルーエフ。出来れば見たかったですね、同時代に活躍したウクライナの巨人兄弟との対戦を。

現在もワルーエフは、生まれ故郷のサンクトペテルブルクに在住。政治家として活躍すると同時に、政治関係や子供向けのテレビ番組にレギュラーとして出演し、忙しい日々を送っているとの事。そして奥方と3人のお子さんと幸せに暮らしているようです。


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