「芳賀ちゃんのオサカナ釣題」…酒、肴、料理、釣り 

元デイリースポーツ記者の日記だよ。

《299》居酒屋放浪癖…あぁ大阪・都島2

2008-11-23 16:59:34 | お店にて(飲食店など編)
 店員さん「きょうは…いつもので?」

 オジイチャン「…」(うなづくのみ)

 K鉄工所と胸に赤い刺繍された、みるからに汗を流す労働者風。グレーの作業着、作業帽姿っす。オジにとっては、制服。呑んでる最中も、帽子はとりなんだなぁ。

 店員さん「へい、おまちで」(ボトルキープしている芋焼酎の、確か黒霧島の一升瓶をポン)

 オジ「きょうは、お湯でぇ。…サンマ刺身(300円)とぉ」

 しばらくは、お互い無言。アッシは、辛口本醸造の土佐鶴のコップ酒(400円)を、まだまだ、フグやら白子をカワイカワイしながら、チビチビやってまふ。

 オジは、たま~に、オイラの食べ物を見て、たぶん、若いのに、エエモンつまんでやがるわ、くらいの印象でしょうね。

 満席。いかにも、地元の人、常連さんばかりてな雰囲気で、板さんたちも、お客さんのことを、姓名ではキチンと呼ばないわけであります。キンちゃん、マサやん…みたいな。

 アッシ「活気があって、いいお店っすね。安いのに、美味いしさ。あ~よかった、ここをホテルの女の子に紹介してもらってさ」

 独り言なのか、話しかけているのか、わからないようなセリフで、ナニゲにオジの方を見やると、目があった。

 オジ「…ん、いい店だろ。ここらじゃあな、古いし、元区役所があったんだけど、一番だ。店長もしっかりしてるしなぁ。こういう飲食店は、ほら、なにかと、あるやろ。お客さん同士のケンカとか、ヤクザみたいな人とか…。店長は、ゴルフもうまいけんど、ちゃ~んとな、顔があるから、な~んも問題が起きないんじゃあ。ケンカもないし」

 アッシ(オジイが突然、饒舌にしゃべくりだしたんで、面白くってしょうがない)「ふへ~。そ~っすか。ほら、これコレ。この地図に、印付けてもらってね、最初のオススメの銀ナンタラとかいう店は、せっかく足運んだのに、定休日で。んで、2番目がココだったんですぅ。ホラ、黄色い印ついてるぅ」

 オジイ「あんた、どっから来なすった?ん?神戸か。目の前に店長もいて、聞こえていてるのに、どうして、この店が一番と教えられて来た…とか言わんの。お世辞ってのは、上に立つ人間には大事だよぉ」

 アッシ「あの、あの、アタシャ、出世とか縁がないんで、正直に2番目にススメられた店だって、言ったんですがな。ねじ曲げて言うことはありやせんよ。ホントなんだもん、ね、ね。ヒャハハ」

 オジイ「…純粋なんかな、おたくは。損するタイプ。フアファッ。いくつじゃ?」

 アッシ「55。仕方ないすね。昔っからやしぃ」

 オジイ「…オレは毎日、来ているんだ、この店。んでもな、呑むのはコレ(大型グラスの底に指2本だして、焼酎の分量を教えているんですね)だけじゃ。ホッホッホ。ここでなぁ、1日になぁ、1000円しか使わんのよ。けんど、毎日来る、毎日。仕事終わって、この格好のまま、靴だけ履き替えて、川の方まで走って(ジョギング)から来るぅ。あ、もう一杯、お湯!継ぎ足してな(と、後ろを通った店員さんに指示)」

 アッシ「おいくつですかぁ、トシ?」

 オジイ「70」

 アッシ「地元なんだぁ」

 オジイ「ここの店じゃ、いっちばん古い年寄りじゃな。それに皆、知り合いみたいなもんじゃ。ほれ、あれはナンタラ屋の主人、こっちは、ナンタラの社長。生まれは福山じゃが、こっちきてもう、だいぶたつな。

 この店の近くで鉄工所やっとるが、不景気でな、もう、よ~ならんわ。間違いない。ウチは、サラ金とかに借りてないし、そういうのが救いじゃし、子供や孫の面倒もみてきた。んがぁ、あと4~5年もつかどうかのぅ」

 サンマの刺身を半分残し、「アレ、あのチゲ鍋!」と、なかなか大胆な?メニューの注文。ま、500円すけど。

 オジイ「…あのなぁ、従業員がなぁ、社長!辞めさせて下さい…って言ってくるとなぁ、顔には出せんし、悪いけどもな、正直、ウヒヒィ~本当は、うれしい!自分から辞めるんじゃから、まぁ、こっちは、いろいろ金、払わんで済むし。ホッホホ。

 社長というか、上に立つ経営者ってなぁ、そんなもんじゃろぉ。けど、ワシャ、大会社やらの社長やら、オエライさんとかは、なったらなったで、苦しい人生と思うなぁ。苦労が多かろぉ。うらまれることもあろ。アホくさぁ。あの世に金は持っていけんし、死ぬときは1人。食うに困るほど貧乏じゃなけりゃあよぉ、楽しゅうて、こうして酒呑んで、気楽なんがいいぞぉ。フホホォ。の~ぅ………」

 そこまで話し込んで、急にオジイが黙り込んだ。一体、な、何が…?

 ※あんま長いから、また次回に続くわさ。衝撃の次回を待ってねぇ!ふぅ~

 

 
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