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BY 鈴木小太郎

「小物界の大物」について

2016-12-31 | 井原今朝男「中世善光寺平の災害と開発」
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2016年12月31日(土)17時33分33秒

井原今朝男氏の『中世の借金事情』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、2009)については2010年に少し検討したことがあって、結論として筆綾丸さんも私も非常に批判的だったのですが、その理由は異なります。
私は終始一貫、井原氏の基本的な民法理解の不足、債権総論と契約各論の混同、倒産法制を含めた現代民事法の構造全体への無知等を批判していただけで、古文書学の領域には一切踏み込んでいません。
他方、筆綾丸さんは主として井原氏の古文書解釈への疑問を提示されていましたが、私は終始一貫、賛成も反対もしませんでした。
これは批判の対象を広げ過ぎると焦点がぼやけることを恐れたのと、私自身が古文書学の世界は全く疎くて、膨大な古文書・古記録を調査・研究されている井原氏を批判する能力がないためです。
二人の立場の違いは当時の掲示板読者には容易に理解できたものと思いますが、その後、ラウンド君のように二人の見解を混同する人もいることが分かったので、念のため、ここに改めて明記しておきます。

「学問空間」カテゴリー:井原今朝男『中世の借金事情』
http://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/8ff50a9526f435fda9a8bc8f507ebebe
「ラウンド君の教訓」
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7849
「学問空間」カテゴリー:丸島和洋『戦国大名の外交』
http://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/306371ea4158692c75ddb68b86ac77fc

さて、暫く前にツイッターで「小物界の大物」という言葉を知り、面白い表現を工夫する人がいるものだなと感心しました。
たまたま私が最初にこの表現を目にしたのは「立憲主義」騒動で活躍した民主党の小西ひろゆき議員に関してですが、昨年、四半世紀ぶりに憲法学の勉強をし直し、特に東大教授・石川健治氏の論文を集中的に読んでみたところ、最終的には石川教授のやっていることは「憲法考古学」「憲法郷土史」ではなかろうか、という結論に至り、その「知識人」としてのスケールの小ささに失望しました。
何で日本にはこの程度の「知識人」しかいないのか、というのが私のかねてからの疑問なのですが、去年は「憲法学よ、おまえもか」と強く感じた年でした。

石川健治教授の「憲法考古学」もしくは「憲法郷土史」
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/8419
「学問空間」カテゴリー:石川健治「7月クーデター説」の論理
http://blog.goo.ne.jp/daikanjin/c/acc8623b1062539f5d4cf51384c012da
九大教授・南野森氏のツイート(小西ひろゆき氏と石川・南野教授の記念写真)
https://twitter.com/sspmi/status/785329062751285248

今年も年末にたまたま桜井英治氏の井原今朝男氏批判を読み、まあ、面白いなとは思ったのですが、桜井氏が中世史学界のリーダー格の存在であることを考えると、あまり感心もできません。
私はかねてから歴史研究者のアリエッティ化を懸念しているのですが、桜井氏もやはり「小物界の大物」なのかなという感じがしないでもありません。

コミカルな味わいが出てきた桜井英治氏
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7671
歴史研究者のアリエッティ化
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7473
「自戒をこめて」(by 小川剛生氏)
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7275
鯖色の手紙
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7257
「理論を生むのに必要な渇きが足りない」(by 桜井英治)
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7255
「腕のよい職人たちのそろった下請け町工場」
http://6925.teacup.com/kabura/bbs/7253
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