だんなのガーデニング４－（２）

またある夏の日、実家のおじいさんが息子らのためにカブトムシを捕ってきたことがあったそれを見た息子らの喜びようにおじいさんもめちゃくちゃ気を良くし日もさほどたたないうちに事もあろうになんとカブトムシをまたもや３０匹余りも捕ってきたのである単に２・３匹くらいなら小さい虫かごや水槽でもの中で充分に飼えるだろうがいくらなんでもこんなに多ければちょっとやそっとの容器では入る訳もないましてやで飼育なんかとんでもない話だ

そのカブトムシを見ただんなはまたもや張り切りだしさっそく収納ボックスと木材を買ってきてカブトムシのを作り出したのだその中に土を入れそして葉っぱや木などを入れ霧吹きで湿らせれば完成である「しかしよくもこんな物を考えだしたものだ」と内心感動した私であった


その中に３０匹のカブトムシが生息するのだから見るからに外からは黒々した物体が
うじゃうじゃ見えるだけである


始めは息子らも楽しみながら密をやってはいたのだがどこのお宅でもそうだろうが犬でも猫でも最後は親が面倒見る羽目になるのであるしかし飼っている以上はカブトムシに朝晩蜜をやらなくてはならぬこの時も最初は世話係りをだんなに託したのだ

しかしであるでかい収納ボックスを部屋にドデ～ンと置ける訳もなく庭に置いて飼育していた為に毎回外まで蜜をやりにいかねばならなかった朝は窓が開いているからいいが夜になるとシャッターを閉めてしまいわざわざ玄関から出て懐中電灯片手に蜜をやりに行かなければならなかったのだほんとにやっかいな事であるしかし前回と同じく日が経つにつれ「だんなはちゃんと蜜をやってくれているのか？」とまたまた疑問になってきたのだ


自然界なら思いのままにお腹が空けば自分で木の蜜を見つけて飛んでいけるところをこんなケースに入れられてもし蜜を忘れられていたら気の毒ではないか

そう思ったらずぼらなだんなのせいで命を落としてしまうだろうカブトムシがなんだか不憫になってきたのだ・・・またもやしなきゃいいのに私が蜜をやりだしてしまったとするとここぞとばかりにだんなはしなくなってしまったのだ

そんなカブトムシも夏の終わりになるといつしか死んでしまいいなくなってしまったがその時もまたまた我が家にはこの馬鹿でかいカブトムシの住家だけが残りだんなが片付けるでもなくいつまでたっても放置されたままの汚い収納ボックスは結局私が片付けるはめになったのである土や蜜で相当汚れた収納ボックスの処理に相当難儀したのだ・・・という訳でカブトムシや金魚にのみならず下手に私が手を出してしまうと私の仕事は増える一方である私も子どもやだんなに結構甘いところがあるが何もかもやってしまったら自分の仕事が増えるばかりではなくだんなのためにもよろしくないのだだから私はあえて心を鬼にして日常決まった家事以外はなるだけやらなくなったという訳なのだ