思考ダダ漏れ

なんとなく書こう

短文感想15『ルバイヤート』

2018-01-22 12:45:27 | 短文感想
本当は禽獣や桜の森の満開の下とか読んではいたのだが、それらの感想を書くのはどうにも難しくて断念した。また『伊豆の踊り子』みたいに書くことが無くなりそうだからだ。とりあえす、良い作品なことは確かだと書いておこう。

  『ルバイヤート』は岩波文庫のカバー裏によるとこう書かれてある。

11世紀のペルシアの詩人ハイヤームは、性への懐疑を出発点として、人生の蹉跌や苦悶、望みや憧れを短い四行詩(ルバイヤート)で歌った。19世紀以降、フィッツジェラルドの英訳本によって広く世界中の人々に愛読された作品の、日本最初の原点訳。

  当時はほとんど無名だったそうで、初めて本に名前が挙げられたのが没後五十年、その時は有神論者が書いた本らしく批判されていたそうだ。次に挙げられたのは百年後、と随分人に知られるまで時間のかかったものだ。恐らくその内容からして、20世紀の方が受け入れやすかったと思う。先取りしすぎたんだな。
  この作品はもう友人でもなんでもないやつにすすめられたもので、実際読んでみると僕好みの内容だ。根底にあるものはニヒリズムなわけだが、決して自殺を求めているような内容ではない。ざっくばらんに書くと「この世の中は虚無なのだから、酒でも飲んで過ごそうじゃないか」このような調子だ。幾つか挙げてみよう。

九重の空の広がりは虚無だ!
地の上の形もすべて虚無だ!
たのしもうよ、生滅の宿にいる身だ。
ああ、一瞬のこの命とて虚無だ!

月の光に夜は衣の裾をからげた。
酒を飲むに勝る楽しい瞬間があろうか?
たのしもう!  何をくよくよ?  いつの日か月の光は
墓場の石を一つずつ照らすだろうさ。

さあ、ハイヤームよ、酒に酔って、
チューリップのような美女によろこべ。
世の終局は虚無に帰する。
よろこべ、ない筈のものがあると思って。

歓楽もやがて思い出と消えようもの、
古き好をつなぐに足るは生の酒のみだよ
酒の器にかけた手をしっかりと離すまい、
お前が消えたって盃だけは残るよ!

  この詩を読んでいると無性に酒が飲みたくなる。そうだ。今からちょっくら飲みに行こう。それにしても、この詩は何度も酒が出てくるのだが、酔い切れるように見えないのは気のせいだろうか。
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