思考ダダ漏れ

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感想『deltarune』

2019-03-17 00:01:28 | 短文感想
デルタルーンはアンダーテールの続編とは言い切れないものの、関連性のある作品だ。端的に感想を言えば、若干の中だるみを感じることはあったものの、テーマそのものはアンダーテール以上にまとまっているように思われた。少なくとも、アンダーテールの欠点らしいところが少し払拭されていると言えるだろう。
  アンダーテールの欠点は、メタの弱さと選択ができることにあった。モンスターと仲良くすることもできれば、倒すこともできる世界において、プレイヤーは既に先の展開をある程度予想できたことだろう。アンダーテールの場合、平和な世界を目指せばキャラクター達に感謝され、孤独な世界を目指せば黒幕に自分のキャラクターを乗っ取られて終わる。どちらのルートも、基本的にはプレイヤーへの感謝と憎悪で構成されているせいで、その選択をできるようにした作者の罪が抜けてしまっている。あくまでも、平和か、孤独か、このどちらもを選択できるのは製作者の意図以上の思惑はない。となれば、キャラクターたちが踏み込むべきメタは、その選択を行えてしまう作者にまで及ばなければならない。また、プレイヤーはどちらのルートにおいても、何者かの本望を叶えるという形で完結している点では、あくまでも製作者の掌の上に過ぎないようにも思う。ただ、この掌の上というエゴがもしかすると本来のテーマなのかもしれない。それを表に出すか出さないかも、この先気になる点だろう。あの世界の住人が本当の自由を手に入れるには、プレイヤーの選択・行動というシステムそのものを破壊しなければならない。
  デルタルーンはこの欠点をルート分岐させない・モンスターの生命を奪えなくすることで払拭したと言えるが、それでも掌の上から逃れることはできなかった。だが、ケツイ(ハート)によってプレイヤーに動かされていることを自覚した主人公は、彼(あるいは彼女)を動かしていたプレイヤーへ憎悪を向ける、という物語は見事だろう。あくまでも今回はチャプター1なことも相まって、後々の展開でいくらでも変わっていくだろうが、最後の憎悪をプレイヤーへ向け続けるか、世界を創造しておいてシステムや物語によって不幸な者と幸福な者を作り出した作者へと向けられるかは気になるところだ。

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