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認知予備力

2016-04-27 09:00:00 | コラム

こんにちはダンワールドです。

 

アメリカの修道女が参加・協力している「ナン(修道女)・スタディ」という有名な研究があります。

1986年に始まり、現在も進行しているという優れた研究プロジェクトで、老化と脳の関係を多角的に分析するうえで大きな成果をあげています。

 

とくに世界的に注目されている成果の一つが、認知症に関する研究です。

修道女たちの認知機能や生活習慣を記録し、亡くなった後は脳を解剖して調査するというもの。

これまでの調査の結果、生前は認知症が見られなかったのに、献脳を解剖してみたら、脳の中ではアルツハイマーの症状が進行していた、という修道女の存在が多く確認できました。

 

例えば、ある修道女は、脳の解剖では重度のアルツハイマーのような状態でしたが、亡くなるまで精神機能、身体機能には衰えがまったく認められず、生前の認知能力テストでも年齢の標準値を上回る高得点をマークしていました。

 

こうした修道女の生前の生活記録などを専門家が調べたところ、言語能力が高く、言葉が達者な人は、年をとっても認知症になりにくいという傾向が確認できたといいます。

とくに、若いころに高度な文章執筆力・表現力を発揮していた人は、認知症になる確率が低かったそうです。

 

老化に伴い脳が萎縮などを起こしても、脳の働きを維持する力があれば、元気でいられるとされます。

そのような力のことを「認知予備力」と呼びますが、若いうちに言語能力を鍛えることは、認知予備力の向上につながるのかも知れません。

健康的な老後のためにも、ふだんから脳活性に取り組みたいですね。