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おすすめコラム「常識の源流探訪」土山秀夫氏インタビュー

2009-08-25 20:38:39 | Weblog
緩やかに弧を描いて並んだ医学生たちの遺骨 ――常識の源流対論・土山 秀夫 (その3)

いったいこの人,何者?!と思わせる経歴・仕事の筆者。

伊東 乾(いとう・けん)
1965年生まれ。作曲家=指揮者。ベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督。
東京大学大学院物理学専攻修士課程、同総合文化研究科博士課程修了。
松村禎三、レナード・バーンスタイン、ピエール・ブーレーズらに学ぶ。
2000年より東京大学大学院情報学環助教授(作曲=指揮・情報詩学研究室)、
2007年より同准教授。東京藝術大学、慶応義塾大学などでも後進の指導に当たる。
基礎研究と演奏創作、教育を横断するプロジェクトを推進。
『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で物理学科時代の同級生でありオウムのサリン散布実行犯となった豊田亨の入信や死刑求刑にいたる過程を克明に描き、第4回開高健ノンフィクション賞受賞。科学技術政策や教育、倫理の問題にも深い関心を寄せる。
他の著書に『表象のディスクール』(東大出版会)『知識・構造化ミッション』(日経BP)『反骨のコツ』(朝日新聞出版)『日本にノーベル賞が来る理由』(朝日新聞出版)など


東大大学院(修士課程)を物理学で出て作曲家で指揮者で
かつ東大準教授で,東京芸大でも教えてるって。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府サイトのプロフィール
情報詩学:ポイエシス・エピステモロジクス Prof.Ken ITO Ph.D COMPOSER=CONDUCTOR(個人ページ)

で,こちらの連載コラム,
「常識の源流探訪」と,大仰で堅苦しい(熟年世代以上・管理職以上対象みたいな)印象を
もちそうなタイトルですが,最近の記事タイトルを見てもわかるように
内容はいたって(まっとうでわかりやすいという意味で)常識的。
それでいて掘りさげ方・解説・展開のレベルが高く充実したコラムとなっています。

今回は「常識の源流対論・土山 秀夫」と題して
長崎大学名誉教授(元学長)土山 秀夫(つちやま・ひでお)さんへのインタビューが
3回にわたってUpされていますが,ほんとう,1回分だけでも相当読みごたえが
あります。

医学生として原子野で見た長崎
「東アジア非核圏」のEUにも勝る経済可能性

土山さんは1945年8月9日の原爆投下で潰滅全滅した長崎医科大学の
当時医学生で運命とでもいうべき偶然により生き残り,
家族や多くの知人友人を失い被爆者の治療にあたった経験を経て
大学退官後,既成のイデオロギーや政治と明確に一線を画す市民の立場から
核兵器廃絶運動に精力的に取り組まれてきた方とのことで
原爆投下直後の長崎で体験された話・壮絶な情景や
核廃絶に向けての活動の話,長崎で署名活動を続けている高校生たち
から“被爆地から見た”当時から現在の世界情勢に至るまでほんとうに貴重な話の数々。

辛く重い体験やメディア的に「深い話」「イイ話」と称されるエピソード
などがいずれもさらりと語られるので
単純に「感動した」「共感した」「考えさせられる」と
感情を動かされたというのではなしに,
知ることの感動を感じるとともに,未来へのさまざまな思いが
静かに巡っていく,読みながらそんな感覚を得ました。

そんなことやってる場合じゃないぞニッポン

けど捨てたもんじゃないぞ未来のニッポン

原爆忌・終戦記念日シーズンから少し間をおいた今,
一読されて,わが国の未来について思いを馳せてみるのはいかがでしょうか。


土山 秀夫(つちやま・ひでお)氏
1925年長崎市生まれ。45年8月9日、医学生として原爆投下直後の長崎市内で被爆者の治療に当たる。52年長崎医科大学卒業。学生時代から江戸川乱歩編集「宝石」誌上で推理小説作家・土英雄としても活躍。59年の米イリノイ大学留学を期に推理小説は休筆し、病理学に専念。
長崎大学教授(1969~90)、医学部長(1982~86)、学長(1988~92)を経て現在同名誉教授。
90年代以降、既成のイデオロギーや政治と明確に一線を画す市民の立場から核兵器廃絶運動に精力的に取り組む。世界平和アピール七人委員会委員、核兵器廃絶ナガサキ市民会議共同代表。
著書に『病理学総論』(医歯薬出版)、『カントと生命倫理』(晃洋書房)『さらば、クライスラー』(日本図書刊行会)など多数


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