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ドラマ『華麗なる一族』最終回!

2007-03-19 07:44:25 | 2007ドラマ
そうかい。結局原作と同じオチですかい。
それはそれでいいけれど…。
感動,というか,すごい大作なのは間違いないですが
結構さらっと最終回も見れてしまいました。

若貴も見ている『華麗なる一族』
…失礼。

華麗なる一族 
■最終話「決意の死~未来へ」

<あらすじ> ※公式HPより

華麗なる一族〈下〉

山崎 豊子/新潮社
新潮社
阪神銀行の大介(北大路欣也)と阪神特殊製鋼の鉄平(木村拓哉)父子の裁判はいよいよ大詰め。鉄平側の唯一の切り札、銭高常務(西村雅彦)が証言台に立つために裁判所に現れた。かれは、借入表を大介に改ざんするよう命じられたことを明らかにする。
形勢が不利になってきた大介に大同銀行の綿貫専務(笑福亭鶴瓶)も合併話は夢物語なので勝負から降りると宣言するが、大介はまだ打つ手はある、と強い眼差しで綿貫を引き止める。
その打つ手とは意外なものであった。その手の内が鉄平の元へ届くまでそう日にちはかからなかった。
高炉計画の再開プランを一之瀬工場長(平泉成)と考える鉄平の所へ四々彦(成宮寛貴)が血相を変えて飛んできた。何と阪神特殊製鋼の会社更生法が適用され、その破産管財人に帝国製鉄の和島所長(矢島健一)が任ぜられることになったというのだ。
阪神特殊製鋼の専務室で倉石弁護士(萩原聖人)と今後の対策を考える鉄平。
しかし、そこへ和島がやってきた。彼は、阪神銀行と阪神特殊製鋼に関しての裁判、その提訴を取り下げてきたと伝える。既に破産管財人の和島によって、役員を解任された鉄平は、阪神特殊製鋼の人間ではなく、その裁判を起こす権利もない。
そこで、会社の経営権を持つ管財人の自分が提訴を取り下げてきたと言うのだ。提訴を取り下げるということは、阪神特殊製鋼が非を認めたことに他ならない。さらに、それに輪をかけるように、大蔵大臣の永田(津川雅彦)も、阪神銀行擁護のコメントを出したことで、阪神銀行の名誉が保たれたのであった。
阪神特殊製鋼を後にする鉄平の背中は心なしかいつもより小さく見えた。彼はひとつ大きな決意を、それは、変わることのない決意を抱えていたのだった。



これは…原作を先に読んで,万俵一族の運命,
敬介-大介-鉄平3代にわたる業の凄まじさに圧倒された
後にドラマを見ると,すごくさらっとしたお話に感じてしまいました。
これは,先にドラマを見てから原作を読むべきだったかもしれません。

これまで,原作のエピソードの順番を入れ替えて,
それが結構効果的に組み合わされてきたと思いますけど,
裁判があそこまで本格的に始まってしまってから
ライバル会社から送り込まれた管財人の手で告訴取り下げって
大介がただの卑怯者って感じでちょっとねぇ…
ドラマ的には見栄えのいい法廷場面を入れて盛り上げて
しかも勝てそうな期待を持たせておいてから
鉄平や阪神特殊鋼を奈落に落とす効果を狙ったんだと
思いますけど,端から見たらおかしいですよ…。
裁判を巡ってあれだけ新聞の論調がコロコロ変わっても
一般大衆はそれをすんなり受け入れる時代だったということでFA?
マスコミが伝えない事実がネットでいくらでも読める今と
違って,新聞やテレビを丸ごと信じる大人が昔はもっと多かった
(ドラマの役柄=俳優の人格と信じ込むオバハン等w)のか?

あと,どうでもいいですけど,将軍に石を投げるシーン
必要だったんでしょうか?将軍ファンへのサービス?
あれだけきれいに芝の張ってある池の周囲に
あんな石が散らばってるのってすごく不自然に感じましたが。

鉄平の自殺シーンは開始55分。
約1分にわたるキムタクのアップの後でしたが
あれだけ場を持たせるキムタクのアップはたいしたもんですね。
雪山登ってクタクタで死ぬ前の目に力のない顔なのに。

CMでさんざん流された早苗の号泣シーンやら
鉄平死後とあきらかに示してるセリフやら
山頂の樹のもとで倒れている鉄平の姿など
バンバン流しまくって「鉄平はどうなるのか?」じゃなくて
「キムタク死す」で視聴者の関心を引きつけようと
していたようですが,功を奏したかな?

CMで流したあのシーン,
一見してどういうことかわかりかねましたが
雪上に飛び広がっていた血をカットしてあったんですね。
死に顔きれいすぎ。ライフルで喉を撃ち抜いたら
後頭部が吹っ飛びますし,血や硝煙のあともなく
いくら地黒といえ顔色もよすぎるのは…。
見事な死に方だったという鑑識のコメントは
自殺を美化しかねないのでカットもやむなしですが
原作に凄みを与えていた厚みのあるディテールが
ドラマですっ飛ばされていると,きれいすぎて
あっさりすぎて…と思ってしまうかな…。

系図でみる近現代
「まさに“華麗なる一族” 銀行・損保に君臨した神戸の岡崎財閥
 そして、岡崎家の現在


※阪神銀行のモデルである神戸銀行はS48年太陽銀行と合併して
 太陽神戸銀行に。その後平成2年に三井銀行と合併,
 現在では三井住友銀行となり元の行名の影も形もない状態。


キャスト
万俵 鉄平 (34 万俵家長男)… 木村 拓哉

 ※「僕は生まれてはいけない人間だったんだ。
  それなのに母は僕を産んでくれた。感謝の気持ちで一杯だ。
  おかげで素晴らしい夢を見ることができた。
  私の父は万俵大介だ。
  一度でいいから微笑みかけてほしかった」。  

万俵 早苗 (30 鉄平の妻)… 長谷川 京子
万俵 大介 (60 万俵家家長)… 北大路 欣也

 ※鉄平がA型ではなく実はB型で,自分の実の息子だったと知り,
  父親の涙を流す。(敬介がA型,大介がAB型,寧子がO型だった
  ため,鉄平がA型では敬介の子という疑いが否定できなかった)
  ただ…先週も突っ込みましたけど,いくら鉄平昭和1ケタ生まれ,
  戦前の集団検査の精度が低かったからって,ABをAかBと間違えたり
  AやBをOに間違えることはあっても(試薬が劣化して反応しない),
  BをAと間違えることは普通ないですよ。
  三雲元頭取に「鉄平は大きなものを残して旅立ちました。
  私はそれを重く受け止めます…」
  あと…一部コラムニスト等が書いていますけど,
  北大路さんの大介,険しい顔一辺倒でしたね…。
  顔の皮を後ろから引っぱっているような。
  笑っていても凄みのある大介,優しい態度をとっても
  行員らが背筋を寒くするような演技が見たかった…。

高須 相子 (39 大介の愛人兼執事)… 鈴木 京香

 ※「私が金銭で解決のできる女だと思ってらして?
   こんなもので私たちの関係を清算できると!」と憤りつつ
  「…本当は私のほうから別れて頂こうと思ってましたのよ。
   世間体を気にして小さくまとまった万俵大介なんて
   何の未練も感じませんわ。これは退職金としていただきますわ。
   お気の毒ね。私が貴方を失ったんじゃなくて貴方が私を失うのよ」
  と啖呵を切るが,部屋を出たところで嗚咽。
  あれだけ蔑んだ寧子にも長年の労をねぎらわれる始末。
万俵 銀平 (31 万俵家二男)… 山本 耕史

 ※「お前はずっと前から知っていたんだな…
  辛かっただろう」と鉄平。ある意味号泣もののセリフですが
  固く複雑な表情を返す銀平。
万俵(安田)万樹子 (24 大阪重工社長令嬢)… 山田 優
 ※鉄平の葬儀になってようやく夫婦行動を共にした
  銀平夫妻。その後2人はどのような道を歩いていくのでしょうか…。
万俵 寧子 (54 大介の妻)… 原田 美枝子
美馬 一子 (29 万俵家長女)… 吹石 一恵
美馬 中 (44 一子の夫で大蔵省主計局勤務)… 仲村 トオル

 ※阪神銀行と大同銀行合併による「東洋銀行」発足パーティに
  出席する直前,永田蔵相から新銀行をさらに大銀行に吸収合併
  させる使命を命じられる。将来政界を目指す中にとって
  またとないキャリアである次官の椅子と引き替えに即承諾する
  勝ち組の中の勝ち組男。もちろん魑魅魍魎が跋扈する弱肉強食の世界で
  生存競争を戦い続けなければならないのだが…。
万俵 二子 (22 万俵家次女)… 相武 紗季

※できればついでにこちら↓
 かってに“手塚治虫版”『華麗なる一族』(前編)

 かってに“手塚治虫版”『華麗なる一族』(後編)
 も見てください。

◇◇◇
 鶴田 志乃 (59 料亭「つる乃家」老女将)… 多岐川 裕美
 鶴田 芙佐子 (32 志乃の養女・鉄平の元彼女)… 稲森 いずみ

 ※「鉄ちゃんはきっと帰ってきます。
  私,鉄ちゃんとはきょうだいだから,わかるんです」
  サラリと言ってますけど早苗とこういうセリフを語り合う
  シチュエーション,ちょっとこわいんですが。
◇◇阪神特殊製鋼
 一之瀬 四々彦 (26)… 成宮 寛貴
 一之瀬 工場長 (58)… 平泉 成
 銭高 経理担当常務 (52 阪神銀行から保証された
   解任後の職場を蹴っちまった)… 西村 雅彦

◇◇◇
○阪神銀行
 大亀 専務 (60)… 武田 鉄矢
 芥川 常務 (54 東京支店長)… 小林 隆
 角田支店長(大阪池田支店)…田山涼成 ※第3話で死亡
○大同銀行
 三雲 祥一 (50 預金高5位大同銀行頭取。鉄平とは昵懇)… 柳葉 敏郎
 綿貫 千太郎 (58 専務)… 笑福亭 鶴瓶
○帝国製鉄
 和島 所長 (51)… 矢島 健一
○長期開発銀行
 宮本 頭取… 黒部進

◇◇◇
永田格 大蔵大臣 (63※官僚出身)… 津川 雅彦
大蔵省春田銀行局長…田中隆三
大蔵省金融検査官・田中松夫…伊藤正之
大川 一郎 (60 早苗の父。衆議院議員で元通産大臣・B型)… 西田 敏行
 ※第5話にて絶命…。
水谷通産大臣…坂東英二

ナレーション…倍賞千恵子

【注】昭和50年代中頃までは「二男」「二女」の表記は統一されていなかったので
 「次男」「次女」と書いてみました。

荒武玄・沖仲仕(おきなかし)…六平直政
佐橋和也(佐橋総理大臣の甥)…猪野学
小泉元駐仏大使夫人…鰐淵晴子
篠山警察署のおじさん…前田吟

倉石弁護士(鉄平の高校時代の親友)…萩原聖人荻原聖人


人間はちっぽけな存在だ。
自分を大きく見せようと背伸びしては傷つき,
その傷口を自分自身で広げてしまう。
愚かで,弱い生き物だ。
だからこそ人間は夢を見るのかもしれない。

夢の実現には困難を伴い,
ときとして,夢は人を苦しめる。
それでも僕は,未来を切り拓くことができるのは
夢に情熱を注ぐ人間の力だと信じている。
しかし,志を忘れたとき,栄光はすぐに
終わりへと向かうだろう。

でも僕は,なぜ,明日の太陽を見ないのだろう…

その通り,山崎豊子作品というのは,地位や名誉,権力や財産をめぐって
争い,生き残りをかけてもがき合う人々の姿をクールに見つめ
勝ち残り,すべてを手にしたように見える人間でも
儚いちっぽけな存在なんだと思わせる,そういう世界観に貫かれています。

ですから,最後の鉄平の独白は確かにその通りなのですが,
親や祖父から譲り受けた地位を足がかりに自分の夢を叶えようとして
父親の援護が絶たれた途端に(従業員の人望や三雲頭取との信望が
あったにせよ)何もできなくなってしまった,
最もちっぽけな存在の1人であった鉄平に,高みから語られるのは
複雑な感じがしますね…。
亡くなってしまった人は神であり,(実際にこのセリフを手紙に
つづっているのは亡くなる時と前後しますが)魂となった鉄平に
天から語りかけられていると考えれば納得がいくのかもしれませんが。

夢や日本の鉄鋼業界の未来やきれいごとを並べつつ
会社を守るため,自分の夢を実現するために恥を捨てたり
名を捨てて実を取るなどの手がとれなかった,
純粋だけれど非常に弱い人間であった鉄平を
ヒーローにしようとした演出が,ドラマ全体としては
微修正程度のものだったにせよ,感情移入しづらい違和感を
感じさせてしまったという感想です。


ドラマ華麗なる一族公式ページ-TBS
※メイキングのページがもう第40弾!!
 インタビューやらフォトギャラリーやら見ているだけで
 1時間や2時間じゃききませんね。

「弁護士のくず」橋本p日記


◆過去の記事
2006ドラマ感想

山陽特殊製鋼再建の軌跡 (1980年春木 一夫/日刊工業新聞社)

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コメント (2)
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