Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

栗の渋皮煮。

2008-10-06 08:31:27 | 料理
数年ぶりで、生栗を手に入れました。
去年は引っ越しなどのドタバタで栗を食べることがなかったのですが、今年は一度に大量に実家からいただいてしまいました。

アメリカでも"マロン"ではなく、"チェストナッツ"として11月ごろスーパーで売られていたのを思い出しますが、やはり日本の栗とはずいぶん様子が違いました。
アメリカはナッツ大国ですが、もっぱらアーモンドやクルミ、ペカンナッツが主流。売られていた栗はかなり小さくて、"どんぐり"みたいでした。やはり量り売りで段ボールにどっつさり無造作に入れられて売られていたのですが、それほど安いわけでもなかったですね。

また、ロサンゼルスでは栗を使ったお菓子もほとんど見かけませんでしたね。胡桃やペカンを使ったバーやパイなどはよく見かけるのですが、モンブランなどは見たこともレシピを見かけることもなかったですね。栗はヨーロッパの方がよく食べているんでしょうね。

栗を大量にもらったので、とりあえず栗ごはんにしましたが、まだだいぶありますので、初めて渋皮煮を作ってみることにしました。栗の渋皮煮も季節の仕込みものとして有名ですが、実は今まで食べたことはありません。
マロングラッセはずいぶん昔に市販品を食べたことがあり、それに近いものだとは思っていました。ビン詰めにすればかなり保存がきくようなので、とりあえず作ってみることに。

ネットでレシピをいくつか調べてから、作り始めました。基本的な作り方は同じなのですが、砂糖の分量や甘味の含ませ方など違いは微妙にあり、おせちの黒豆の作り方と同じような感じですね。

まず栗の鬼皮をむいていきます。当然“渋皮煮”なので渋皮をうまく残してはがしていきます。いきなり生栗をむいてもいいのですが、一度50度くらいのお湯に数分つけてから生暖かい状態の栗で剥き始めた方が、少し楽に剥けました。栗ごはん用に渋皮もすべて剥く場合はいきなり向いても硬いだけで失敗は少ないのですが、渋皮を残す場合は少しふやかしてからの方が鬼皮だけをうまくはがすことができました。

それでもいくつかは渋皮までとれた"はげ"部分ができてしまいましたが、とあるレシピでは2mmまではO.K.とのこと。大きなハゲ部分があると煮崩れてしまうようです。初めてなので用心して大きなハゲのできた部分はのぞいて別料理に使うことにしました。ハゲをできるだけ作らないように渋皮は筋をかなり残した少々粗めの剥き方になりました。小さなハゲのあるものは試しにそのまま一緒に煮込みました。

全部で500g程度の栗になり、皮むきも結構大変でした。
次はあく抜き。鍋に皮をむいた栗をいれ、水をかぶるくらいに入れ、重曹を小さじ半分ほど加えて弱火で煮ます。強火で煮ると栗が踊って渋皮がこすれて裂けてしまうらしい。かなりの弱火にして20分ほど煮ました。

渋皮が分厚く残っていたためか、一度目は煮汁は真っ黒。

20分ではまだ栗は固めなので、崩れる心配がなさそうなこの状態で一度水洗いして爪楊枝などを使って、渋皮の筋など灰汁と黒ズミの原因になる鬼皮の残りなどをできるだけとりました。

もう一度重曹水を作って20分ほど煮て、同じように筋とり。3回くらい繰り返して筋と皮の残りがほとんど取れてしまうまでは煮汁は黒いままでした。いかに早くこれを取ってしまうかが課題ですね。煮るだけでは永遠に煮汁は黒いままになっているような感じでした。栗が柔らかくなった方が筋はとりやすいのですが、渋皮まで取れてしまうことがあるので、どのあたりで筋を取り始めるかこの見極めが難しいですね。
1時間くらい渋皮洗いと格闘して、やっときれい(?)になりました。

最後に鍋に水だけを入れて軽く栗を煮て、重曹を抜き、下処理完成。黒豆の煮物と同様この時点で栗は完全に理想の柔らかさにしておくことが重要です。

次に甘味を含ませるのですが、砂糖を入れるとそれ以上栗は柔らかくならないので、栗が十分に柔らかくなっていることを確認してから砂糖を加えます。

今回は3度に分けて白砂糖を150g加えました。水の段階で1/3量の砂糖を加えて栗とともに弱火で煮始め、10分ごとに砂糖を1/3量ずつ加えて、トータル30分ほど煮て、火から下して紙ふたをして冷ましましながら味を含ませました。

写真で見るものよりツヤは少ないので、もっとシロップを濃くした方がよかったのかもしれませんが、甘味はくどくなく、栗の味がよくわかる仕上がりになりました。マロングラッセなどは甘味が強すぎて、栗の風味がよくわからなくなっているものが多いので、それよりは栗の味を楽しめる出来だと思います。

今回のものの出来を判断するためにも市販の渋皮煮を一度買って食べてみる必要があるかも。まともな渋皮煮はマロングラッセ同様結構
お高いものらしいのですが。。。。スーパーにはさすがに売ってないので、梅田に出た時にでも百貨店に調査に行ってきましょう。

ちなみに作ってみてからわかったのですが、今回の作り方では鬼皮をむいたときにハゲや割れがあっても煮崩れを起こすことはありませんでした。見た目の仕上がりに影響はあるものの、失敗した栗はありませんでした。重曹水が濃かったり、かなりやわらかく煮てしまうと失敗する恐れがあるのかも。
今回の渋皮煮はとろけるほど柔らかく煮てはいないからかもしれませんが。。。

それでも食べると甘栗のような味がして、来年も作ってみたいですね。次回はもっと甘味の強いとろとろ系に作ってみたいです。


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