Pro house keeper

アメリカのローカルフードを中心に、世界各国の料理レシピを自宅で気軽につくる料理日誌。

バナナ・ブレッド研究。

2009-02-23 15:23:24 | 料理
パーティ用料理制作二日目。
本日からはお菓子制作です。何を作ろうかいろいろ考えた結果、テーマは"アメリカンクラシック"。題目は"バナナブレッド"と"ブラウニー"にしました。
どちらもクラシックなアメリカ菓子なので、本場の料理本で作ると日本とは少し違う味が楽しめそうで作ってみることに。

バナナブレッドは以前にも何度か作ったことがあるのですが、作る時は違うレシピで作っているので、今回も前回とは違うレシピで作って比較することに。

バナナブレッドはクイックブレッドの典型的お菓子で、お菓子作りを始める人にはお勧めのお菓子だと私は思っています。材料も品種少なく、手元にあるもので作りやすいし、作業数が少ないし、万人受けしやすい味で、なおかつ味のブレも少ないですから。

逆に言うと、レシピによって違いは少ないはずですが、おいしく作るというのが難しいお菓子と言えます。普通レベルにおいしいものは簡単ですが、とびきりおいしいものにするにはある程度作り込まないとダメなお菓子。でもこれがうまく作れると、常温で日持ちもするし、季節を選ばず作りやすく、短時間でできるので、お持たせにも朝食にも最適なお菓子ですので、何かと便利ですね。単純なお菓子をうまく作れる人は意外に少ないと思いますから。。

今回は昨日作って信頼度が上がってきたソノマのレシピから作ってみることに。
前回もソノマのレシピで作っているのですが、植物油を使っているレシピでした。植物油のものもおいしいかったですが、御用達書に比べやや軽い印象でした

作り方は基本的に同じ。分量の違いはあります。卵は今回のものが御用達書より1.5倍、ヨーグルト倍量、砂糖も25%増量レシピです。植物油レシピではヨーグルトなどの乳製品はゼロ使用ですが、ベーキングパウダーは倍量使用。小麦粉はどのレシピもほぼ同量です。
このことから考えても、多少分量を入れ間違っても大丈夫ということです。つまりものはできるというとこ。味や食感の良し悪しは変わるでしょうが、微妙なことで大きく失敗しないお菓子ということです。

他のレシピを見ても作業手順は簡単なのでほとんど変わらないのですが、前回も書いたようにバターの入れ方が二種類あります。
今回は前回の溶かしバターを入れるクイックブレッド法ではなく、砂糖とバターを泡立てるクリーム法で作ってみました。御用達料理書ではふわふわした食感になるので採用されていませんでしたが、それほど違うものかと敢えてクリーミング法で作ってみることに。ちなみに日本のレシピはたいていクリーミング法が使われています。

まずナッツを刻み、バナナをフォークの背でつぶしておきます。バナナはかなり熟しているものが最適で、もし熟していないものであれば砂糖をまぶして電子レンジでほんのり加熱すると熟したものと同じものができるらしい。今回は熟しているモノを使ったので加熱はしませんでしたが。。

ボウルに電子レンジで柔らかくしたバターと砂糖を加え、泡だて器でクリーム状に泡立てます。他のお菓子に比べて砂糖の量が多く、一度に加えると混ぜにくいですので、徐々に加えていく方が作りやすいかも。今回は一度に加えてしまいましたが、その場合はバターが柔らかくなっていれば問題はないです。

バターがまだ固いとクリーム状にはなっていかず、ざらざら状態のままですので、そのまま電子レンジに10秒ずつでもかけてクリーム状に混ぜやすくなるまでしっかりバターを柔らかくすることがこのお菓子の最大のポイントですね。加熱しすぎると砂糖もろとも溶けてしまうので注意が必要ですが。。。

しっかりクリーム状に泡立てたシュガーバターに卵を1個ずつ加えて混ぜ合わせます。卵が冷たいと分離しやすいですが、気にしなくてもO.K.。

さら最初にマッシュ状にしたバナナとヨーグルトを加えて混ぜ合わせておきます。
ソノマのレシピではバターミルクを使ってありますがヨーグルトで代用。日本のレシピではヨーグルトの代わりに牛乳を使ってあるものが多いのですが、御用達料理書ご指南のとおり、ヨーグルトが断然おすすめです。酸味があるので、膨張剤と反応しやすくよく膨らみます。なめらかな食感と風味を抑えめにしたい場合は牛乳がいいそうですが。。。

次に粉類の調製。別ボウルに小麦粉、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ(重曹)、塩、ナツメグ、ナッツを加え混ぜ合わせておきます。
今回のレシピではベーキングパウダーと重曹を併用するのが以前と違うところ。御用達書の方では重曹しか使わないのですが、ベーキングパウダー併用スタイル。膨張剤ダブル使用でクリーミング法と膨らませることにかなり重点が置かれていますね。小麦粉はいつもの通り、強力粉と薄力粉のブレンドです。
今回はフレーバーとしてナツメグが指定されていました。
たいていはバニラエッセンスかシナモンが多いのですが。。。どんな風味になるか楽しみです。

混ぜ合わせた粉類をバナナを混ぜた液体系材料に加えてゴムべらでさっくり混ぜ合わせます。
いつもは半量の製作が多いのですが、レシピ通りのアメリカンフルサイズで作るとさすがに我が家最大のボウルで混ぜ合わせてちょうどいいくらいの量になりました。やはり多いですね。混ぜるのもいつもと違いけっこう力仕事でした。

混ぜすぎると焼き上がりが固くなるので、粉気がなくなったところで、油を塗ったローフ型に流し込み、表面をゴムべらでならしてから、170度で40分間焼きました。
焼き時間もオリジナルは1時間なのですが、やはり早めに焼き上がりました。アメリカのレシピの焼き時間とオーブン温度は目安と思っておくといいですね。特に焼き時間はかなりアバウト。日本のオーブンは小さいことと温調が効きすぎているので焼き色の付き方や焼き上がり時間がかなり違ってくることが多いです。早いばかりでなく、時間がかかる場合もあるので、レシピの時間より早めに焼き上がりをチェックすることが大事です。

今回のものも表面の焼き色がかなり速く色づきましたので、途中でアルミをかぶせて保護。途中で型の前後を入れ替えて仕上がりを均一にしています。
焼き上がりを竹串でチェックしてオーブンから出し、5分ほど荒熱をとり、型から出してラックで室温まで冷却。
このブレッドも焼きすぎは禁物なので、やや浅いめでオーブンから出して余熱で仕上げています。焼いた日食べるよりも1~2日寝かせた方がおいしいので、ラップでくるんで室温で当日まで熟成させることに。

一応出来上がりを確認するために端を切って試食。前回より断然仕上がりはよかったですね。今回は焼き色がよく、ゴールデンクラストになっていました。外側はカリッとして、クラストの出来は最高でした。中はしっとりとしてナツメグの風味が効いています。ちょっとジンジャーブレッドっぽい風味になっていましたが、味はなかなかよかったです。朝食向けと言うよりはティーケーキ的でした。

甘さは三温糖を使い、量は規定通りに入れましたが、やや甘めという程度で大丈夫でした。白砂糖では少し甘いかもしれません。最初に作った御用達洋書のレシピよりはクラムの出来もよく、均一な仕上がりでした。クイックブレッド法と膨らみは同じ程度でしたが、切り口がきれいで同じソノマの植物油のレシピよりも気泡が多く、やはりクリーミング法の影響でしょうか。それとも3回も焼けば少しは上達したということか。。。

食感もやはりふんわりと軽いですね。御用達料理洋書の指摘通り、パウンドケーキに近い感じでずっしりとしたアメリカンなお菓子を求めるには上品すぎるかも。
味はバター使用の方がコクがあるように思いますが、クリーミング法でふんわり感はかなりUPしていて植物油のレシピとはまた違う微妙な軽さです。

見た目や切り口や味、食感を総合すると今のところ今回のレシピが一番日本人お持たせ仕様にはいいかもしれませんね。ナツメグはなくてもいいかもしれませんが。。。。
私的にはもう少しどっしり系の御用達書レシピがいいかも。

クラストをしっかり焼きあげることは、かなり味も見栄えも左右することがよくわかってきました。
クイックブレッドと言えどもやはり奥は深いですね。作り比べると非常に面白いです。

明日は3品目のブラウニーです。お楽しみに。。。。
これらのバナナブレッドを作ってみたい方ははこちらを参考にして下さい。↓

バター+クリーミング法(タイプSC)
Cpicon バナナ・ブレッド(タイプSC)。 by PCWP

植物油+クイックブレッド法(タイプSQ)
Cpicon バナナ・ブレッド(タイプSQ)。 by PCWP

バター+クイックブレッド法(タイプBQ)
Cpicon バナナ・ブレッド(タイプBQ) by PCWP


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