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山の記録と日々の話

リベンジ・パノラマ銀座 【ヒエ平へ】

2010-09-24 | ヤマのこと

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一ノ沢下山

布団一枚に二人だったが、富士山と違い天井が高い部屋に18人なので圧迫感がなくて意外と眠れた。
あれほど苦手だった山小屋の夜。だんだん私も慣れてきたのかな・・・(笑)


 
今日は下山だけなのでゆっくり。布団の中で気づくとご来光の時間ではないか!
慌てて外へ出ると、朝日を待つ皆さんが。
結局、この日もすっきりとは拝めなかったし、槍も染まらなかったが、
十分美しい山の朝を迎えられて大満足。


 
小屋の部屋の窓から見える「槍ヶ岳」「大キレット」
肉眼ではハッキリと槍ヶ岳山荘の赤い屋根も見えていた、空気も澄んだ綺麗な朝だった。



朝食済ませ、タクシーの予約も入れて・・・さようなら、常念岳。またね、槍ヶ岳。
360度、どこを見ても美しすぎて、離れ難くてなかなか下山の一歩を踏み出せずにいた。


  
7:25、下山開始。
急な登山道を下り始めると、すっきり晴れた「常念岳」がお見送りしてくれた。
さすが、私が下山し始めると晴れるんだよね。3日間で今日が一番天気がよさそう。
苦手な下りをモタモタ降りていくうちに、「最後の水場」ゴウゴウ流れる一ノ沢に着いた。


  
滑落注意と地図に合ったけど、ロープがはってあるから全く怖くない。
私には奥多摩の方がはるかに怖い 整備された登山道ってこんなに歩きやすいんだ、と感じた。
胸突八丁辺りまでは登ってくる人も多く、すれ違いにちょっと時間がかかった。


  
暑さが苦手な私にとっては、このルートは最高に気持ちが良かった♪
沢風が涼しいし、水はいくらでもあるし、ここなら夏、登りにとっても生きていけそう(笑)
9:30、烏帽子沢出合で休憩。この後はどことなく北八ヶ岳に似た森の中を緩く下っていった。


 
大滝ベンチあたりの傾斜が緩んでからが結構長く、飽きてきた頃やっと「山ノ神」到着。
ここからもうひと歩きで10:45「一ノ沢登山口」についた。
お疲れ様~~~~ 無事に今回の山旅を終えることが出来ました。


【9/19・CT】常念乗越7:25→最後の水場8:05→烏帽子沢出合9:30→一ノ沢登山口10:45 行動時間3時間20分 休憩含む

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予約したタクシーに乗り込み、予定していた「ほりでーゆ」へ。
ところがこれが大失敗!!
山地図にもここしか載ってなかったし、常念小屋で割引券も置いてあったのでなんのためらいもなく行き先を告げる。
タクシーはグングン走り、市街地近くなってきた。
あれ?こんなに駅よりかな?と思ったら信号を右に折れ、常念岳方面へUターンするように進むではないですか

そうなんです、地図では読み取れなかった、一ノ沢登山口から温泉までは道路が直接繋がっていなかったのです!
ゴルフ場の脇を通り一旦、市街地に行ってから、また戻るようにしかない車道。
三股からは通り道になるようですが。

車の運転をしない私たちは、こういう地図読みが出来ないという事を思い知らされ反省。
なんと温泉までのタクシー代金は¥4300・・・温泉に行くだけで¥4300・・・新宿から松本までが¥4500なのに・・・

とあまりのショックで温泉の写真は一枚も撮ってなかった(笑)
温泉が悪いわけじゃないんですけどね。
ちなみにその後、豊科駅までは¥2500くらいでした。




豊科駅から見上げた「常念岳」は雲の中、2年前と同じ光景だったけど、
満足度が違うと見え方も変わって来るから不思議。
今度ふもとから見上げたら、あれが常念岳・・・とわかる様になれたのが嬉しかった。

銀座と呼ばれる訳がわかった、雄大なパノラマが広がる夢のようなトレイル
きっと又絶対、ここを歩くことでしょう。
それほどに素晴らしくて、楽しい、大満足なリベンジパノラマ銀座の3日間でした


おしまい。



リベンジ・パノラマ銀座 【常念岳へ】

2010-09-24 | ヤマのこと

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常念岳へ


  
大天荘からの稜線は、前半より更に緩やかなお散歩道のよう。
ここまで猛暑のせいか紅葉らしきものにはほとんど出会わなかったが、
明るい砂礫の稜線に、色付いた葉を見つけ嬉しくなった。
ここではなぜかサル軍団がのびのびと遊んでいた(笑)振り返れば白と青と赤のコントラストが綺麗。


  
あまりに暑くて半袖になったのに、ガスが出てきて少し肌寒くなった。
はっきり見えないものの、遠くに常念岳の存在を感じながら歩く。
ここまで私にとってパーフェクトなほどの天気だったから、これ以上は望みません。
2814ピークを左手に、大きく折れて降りていきます。

ガスのせいでそう感じたのかもしれないけど、燕~大天井までの稜線は変化もあり、
明るく開放的な女性のイメージ。
大天井岳からの常念山脈は見た目はちょっとぶっきらぼうで頑固そう。
けれどもどっしり構えながらも登山道はゆるやかな様は、まるで大きくて優しい父親のような印象を受けた。


  
東から上がって来るガスは、稜線を越えずに行ったり来たり。
「ここから先入ってもイイ?えー、ダメなの?」とか言ってるみたいな不思議な光景で楽しい♪
時計を見ればちょうど12:00、東大天井岳を降りた鞍部で軽く昼食をとることにした。
一雨来るか?と思うほど雲に覆われた穂高方面。
それでも肉眼でははっきりと涸沢カールが見えていて、上高地が近づいているのがなぜか嬉しかった。

地図を広げるとそろそろこの楽しかった稜線歩きも終わり、と気づく。
寂しい気持ちもあり、ほっとした気持ちもあり・・・
だけどまだ私の満足度は80%、その先のことを考えていたから。

予定では明日の早朝、暗いうちに常念岳に登ってから下山、だったが、
なぜか大天井岳から私の体調が絶好調になり(笑)まだまだ歩ける気力十分だった。
ここまで歩いてきて、テント装備じゃないとこんなに身体への負担が少ないんだ、と感じていた。
楽しく歩けて、よかったな。


  
明日のことは解らないし、今日のうちに登ってしまえば明日は時間に焦ることなく下山できるのでは?
と相談するが、
ダンナはこんなガスの中展望がないのはつまらない、という。
うん、確かにそうだけど、今回私は天気に関係なくどうしてもピークに立ちたかった、ガスでも雨でも。



そんな相談をしながら横通岳を過ぎると、眼下に常念小屋が見えてきた。
と同時に、ガスの切れ間に常念岳への登りの道筋がハッキリと・・・
ものすごい登り見える・・・ 今日中に登りたいと言ったものの、大丈夫か?私。



ぐんぐん降りて、13:45、常念小屋到着。
小屋の玄関は3連休の初日と言う事もあり、言われたとおりの(事前に電話確認)混雑ぶり。
今日は布団一枚に2人だって!富士山と同じか(汗)
とりあえず寝場所がなくならないようにチェックイン。

すぐに部屋に案内されたが、やはり混雑で落ち着く場所もない。
まだ14:00前だし、夕飯には早いし・・・じゃ仕方ない、行くか、とダンナのお許しが出て・・・


 
14:10、サブザックに水とお菓子だけ詰めて山頂アタック♪
どんどんガスは上がってくるけど、山頂に着いたらきっとガスが切れるよ、とダンナをなだめる(笑)
信じるものは救われるのよ~と歌いながら登っていく。



が、覚悟はしていたがウワサどおりの標高差約400mのきつい登り。
登れど登れど山頂は見えないまま1時間経過、三股への分岐がこんな登ったところに!ひゃぁ。
ガスも晴れるどころかどんどん濃くなり、風も吹いてきて寒くなってやっぱり明日が正解だったかも。
まだかな、そろそろだと思うんだけど・・・山頂・・・



と、悲しい気持ちになっていたらナント!!出た!!出ました、雷鳥さん
初めて会えた!もう大興奮で写真撮りまくったのだけど、ピントが合ったのがかろうじてこの一枚(汗)
ガスの日に遭遇しやすいとは聞いていたが、まさか会えるなんて~~~嬉しいっ!


  
疲れて凹みかけた心に雷鳥さんパワー注入され、
そこからはスイスイっと10分・・・アラ不思議、山頂到着。

ガスだっていいじゃない!何も見えなくたっていいじゃない!雷鳥さんに会えたんだから!
15:20、リベンジ3座目達成できました!
ちゃんと歩ききった自分が嬉しくて、ガッツポーズ
2年前、悔しくて悲しくて振り返りながら下山した、あの気持ちを思い出したら、ちょっとウルっとした。


 
でも寒いし何も見えないので、余韻に浸る余裕もなくすぐ下山(笑)
見下ろすテント場も先ほどよりさらに増え、満員御礼な感じでした。
今日のビールは最高にうまいぞ~~~と、ビール目指して小屋へと戻ります。

この達成感が、明日への活力となり、目標が出来る。
そしてまた、新たな目標に向かって歩き出す。
そんな当たり前のことすら出来ない時があるから、達成できた時は何倍も嬉しい。
今回はものすごーくたくさん嬉しくて、楽しい縦走ができた。全てのことに感謝です。


【9/18・CT】燕山荘6:30→切通岩9:20→大天荘10:05(大天井岳ピストン)10:50
→東大天井岳分岐11:45→横通岳あたり13:05→常念乗越13:45
常念岳:往路1時間10分 復路:50分 行動時間=約10時間(昼食・休憩含む)



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16:30、小屋に戻り自炊の支度。
自炊場は屋根付きの外なので、さすがにちょっと寒い。
喫煙所と一緒になっているのも辛かったなぁ、自炊の人は3組くらいしかいないのに、
喫煙者でモクモクになってた。(なのに燕山荘より宿泊費¥500高い・・・笑)

17:30、自炊場からふと外に目をやると、常念岳が見えているではないか・・・
あと1時間遅かったら・・・やはりガス女は健在だった

中のテーブルも相変わらず座るところもないほどの混雑。食事が始まってやっと少し開いた所を確保したが、
それもそのはず、夕食が17:00から最後の人は20:00だって!何回転?
めったに小屋泊しない私には、驚くことばかりだった。

3座全てのリベンジを終えたあとのビールの美味しかったこと!
1000円生ビール4杯に缶ビールに日本酒3パックと焼酎とえ~とえ~と・・・
明日は下山だけだから、とついつい消灯まで飲み続けたのは言うまでもない。


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