カラダよろこぶろぐ

山の記録と日々の話

二度目の挑戦・富士山剣ヶ峰 1

2010-09-06 | ヤマのこと

昨年夏、初めての富士登山は悪天候の為「吉田口頂上」を踏んだだけで断念。
必ずリベンジするんだ!日本最高峰に立ちたい!と誓ったあの日から一年・・・


リベンジの日は 2010.9.5 と決めたのは今年の春のこと。


ところがこの夏は7月から体調が悪く、山に行けども足が上がらず毎回不安材料ばかりを残していた。
練習したくとも、連日の暑さでJOGすら満足に出来ないワタシ。
今回いけるのかどうかも、自分自身わからない・・・不安なスタートだった。

 
雨や台風なら止めるつもりだったけど・・・この日は晴れ、しかもピーカン・・・(汗)。
河口湖の駅から見える富士山には何の陰りもなかった。
バスに乗り換え、9:30「スバルライン五合目」到着。いつもと同じカラダが重い。でも行くしかない。



下界から比べればとても涼しい5合目。南アルプスや、先日訪れた「赤岳」もクッキリ見えていた。


 
前回少し症状のあった高山病、対策として深い呼吸と最低1時間の高度順応の為、
五合目をウロウロする。幸いお店が一杯あるので飽きずにすんだ。
きっちり1時間後、10:30スタートです。
たくさんの下山者とすれ違います・・・下山辛いんですよね・・・気力だけで歩いている人も多かった・・・
こんなんでワタシは無事に帰ってこれるのだろうか?


 
歩き始めて40分くらいで既に汗だくになった。
今年の夏は本当に辛く感じる私、今日もいつもと同じ症状、暑くて暑くて水分ばかり取ってしまう。
ごはんが喉を通らない。いつもなら嬉しい「晴れ」も連日だともうイヤになる。
見上げれば青空、ああ、もうクラクラ~~~~・・・



あづい~~~~あづい~~~
柵の影、少しの日影を見つけては休んでしまう私。
晴天昼間の富士登山のきつさを感じました、今日は暑さとの戦いになりそうです。



スタートから2時間、ホテル街?が見えてきた。吉田ルートを歩くのは初めてなので嬉しいです。
この辺りからごつごつした溶岩の登りに変わりました。



12:40、七合目トモエ館到着。息も絶え絶え、既にヨレヨレです。
具合がよくないと無口になる私ですが、今日もここまでほぼ無言でした。

ダンナも今回はダメだろう、と思ったらしく「引き返すなら今」と声をかけてくれますが、
「行ける所まで行って見る、途中でダメになったらダンナだけ行って。予約してあるのもったいないから(笑)
私は降りて五合目の休憩所で明日まで待ってるよ、下界に下りても暑いもん」
と返しました。(当日キャンセルは100%支払いなので)


 
もうよっこいしょ、のおばあちゃん状態で登る私。自分の身体じゃないみたいな感覚がもう1ヶ月以上続いています。
先日のハイキングでさえも足がぐらついて思うように歩けなかった、ああ、今日もまた同じか・・・どうして?
自分で自分がイヤになる。



ぜーはー言いながら13:30、2900m東洋館到着。やっと今日の行程の半分まで来ました。
が、もうフラフラで壁に寄りかかるようになんとか立っている状態?

吉田ルートは30分おきくらいに小屋が建っているので、今日のようにヨレヨレな時は本当にありがたい。
冷たい飲み物も、お菓子も売っている安心感。
いつもなら30分に一回も休むとダンナに怒られますが、今日はお許しが出ました。

ここの山小屋があまりに綺麗で(新築)素晴らしくて感動。
こちら吉田ルートは銀座、須走ルートは、某サンモール・・・くらいの差があるなぁと思いました。(勝手なこと言ってます)


「まだ登れるの?」
「・・・行ってみる」



9月に入ったからなのか?登山道が空いていて自分のペースで歩くことが出来たのがせめてもの救い。
それにしてもちっとも日影ができません、贅沢といえば贅沢だけど、曇って~。



 
14:10、3050m太子館到着。
暑くて暑くてポカリがぶ飲み&日影で座り込み状態の情けない姿です。

1ヶ月ほど前からずっと思っていたけれど、自分の状態にもう、心の中で答えが出てしまっていました。
今日の富士山を終えたら、しばらく山は休もう。
あんなに楽しかった山歩きが、最近はただ辛いだけ、ちっとも楽しいと思えない。
身体がいう事を聞かない理由はホルモンバランス的なものかなと、なんとなく感じていたから。
いつかまた、歩ける日が来るまで山から離れよう、と。


 
それでもリベンジしようと決めた日から楽しみにしていたこの日。
土日が晴れで富士登山できるチャンスはそうあるものじゃない。
いつも私に振り回されながらも付き合ってくれるダンナに、出来るだけ迷惑かけないようにと歩きます。

ところが・・・岩場が終わって少しなだらかになったら、急に身体がガクン、と軽く?なりました。
ギアチェンジ?したように急に足が安定してきて、すいすいと前に進むようになり・・・



14:50、3200m白雲荘到着。区間最速で到着


 
モチロン日影で休憩しますが、今日始めて笑顔が出たワタシ。
標高が上がって涼しくなってきたからでしょうか?身体が楽になりました。

普通なら高山病の症状で苦しくなる&疲労で辛くなるあたり、逆に楽になってきたって?
新種の高山病か?それを越えてとうとう1本線が切れたか?とダンナは思ったそうです。



15:10、3250m元祖室到着!なんかやる気が湧いてきたぞ!着けそうな予感!



見上げれば見知らぬ人が手を振ってくれる。うん、頑張るよ。



15:45、えっちらおっちら、おっ!3370m胸突江戸屋だ!
ココは去年、夜中に合流して大混雑だったところだね。
ということはあと少し・・・
お腹が空いた、そういえばお昼何も食べてなかったので、ここでバナナを一本買いました(150円)


たくさんの人たちがまだまだ下山してきていました。


 
一歩一歩、あと少し、もう少し・・・



ジャスト16:00、八号五勺3450m、御来光館到着。本日の行程ココまで。



振り返れば6合目辺りまで見えていて、なんだこれっぽっちしか登っていなかったのね~



でも雲を突き抜けたところに来たね。よかった、歩き通せた。
1ヵ月半ぶりに感じるこの清々しい達成感、いつもの自分が戻ってきたようで嬉しかった。




あ、影富士が・・・

初めて見た影富士。富士山の中に居ながら富士山を感じることが出来るってすごい!
今日頑張ったご褒美をもらった気分でした。


 
ここから山頂までにはもう小屋はありません。
見上げれば9合目と山頂の鳥居がはっきりと見える位置にいるのです。
明日、必ずここを登って剣ヶ峰に立つ、絶対に。

眼下に広がる夜景、クリアな空に光る北斗七星・・・
久々に湧き上がる熱い思いを胸に、ぎゅーぎゅー詰めのベットに横になりました。

翌日へ