「過去の所有車 10」はエッティンガー・メルセデス190E2.6-16について書くことにしましょう。
快適な下駄車を購入すると、趣味のクルマにはあまり乗らなくなってしまう方がいるようですが、少なくとも我が家ではそんなことはありませんでした。メルセデスの300TEを水没で失った後、下駄車として98年モデルのVWパサート・ワゴン1.8(B5)を購入したにもかかわらず、私もカミさんも全然乗ろうせず、普段はアルファSZやVWビートルといった不便?なクルマで出掛けていました。理由は簡単、その方が楽しかったからです。
結局パサートは放置車両と化してしまい、気付いたときには屋根にコケが生えていました。そんなとき、たまたま自動車趣味の先輩からエッティンガー・メルセデスの190E2.6-16で5M/Tというクルマを買わないか?という話があったため、乗り替えてしまうことにしました。そのクルマなら、楽しみながら使える下駄車になってくれるだろうと思ったからです。
そのクルマはエッティンガーがメルセデスの190E2.3-16にロング・ストローク・クランクや鍛造ピストン等を組み込み2.6 ℓ 化した物。当時の代理店だったTOY'S BOXが輸入したクルマでした。最高出力こそ210PSと大したことなかったものの、エンジンのフィールは絶品で、2~3速の伸びの心地良さは他のクルマでは中々味わえない感覚でした。当初は長く乗るつもりで、シートを純正の革で張り替えたり、結構お金を掛けてメンテを行っていました。
しかし、このクルマも我が家に長く留まることはありませんでした。このクルマの購入後、我が家にポルシェ911(現在も所有しているクルマです) がやって来ることになったからです。
確かにエッティンガーは4ドアで実用的なトランクがあったものの、まだ子供が小さかった当時の我が家にとっては、そのどちらも絶対的に必要な条件ではありませんでした。さらにこのエッティンガーはかなり冷え性で、出発前に十分な暖機が必要という点も、下駄車としては無視できない弱点でした。
結局このクルマ、パサートと同様に全然乗らなくなってしまったため、例によって?修理という名目で清水さんの工場で長期にわたって預かっていただいていたのですが・・・・・・運良く清水さんのお客さんの中で引き取っても良いという方が現れたこともあり、手放すことにしました。
このクルマを手放した当初は、何か別の下駄車を導入しようと考えていました。それまでずっとそうしてきたため、それが当然だと思っていたからです。しかし、何にしようかあれこれ悩んでいる間に月日が流れ、結局は下駄車等なくても別に何も困らないということに気付きました。それ以来、我が家では下駄車を購入したことはありません。娘の頭が911のリアウインドウに当たるようになってきたので、さすがにそろそろ限界ではあるのですが・・・・・・( 笑)。