京の昼寝~♪

なんとなく漠然と日々流されるのではなく、少し立ち止まり、自身の「言の葉」をしたためてみようと・・・そんなMy Blogに

『春との旅』

2010-06-03 | 邦画



□作品オフィシャルサイト 「春との旅
□監督・原作・脚本 小林政広
□キャスト 仲代達矢、徳永えり、大滝秀治、菅井きん、小林 薫、田中裕子、
       淡島千景、柄本 明、美保 純、戸田菜穂、香川照之

■鑑賞日 5月29日(土)
■劇場 チネチッタ
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)

<感想>

 人は、生きていく過程において、他人にかけた苦労や迷惑は、どんな誠意を持ってしても、許されるものではない。
 ただ、同じ血が通う人間同士としては、親子兄弟の垣根を超えて、言葉にできない歩み寄りを持つ心は存在する。

 足の不自由な元漁師の忠男(仲代達矢)と、仕事をなくした18歳の孫・春(徳永えり)との僅かな日々を描くロード・ムービー。
 
 忠男は春の面倒もみれず、自身も足が悪く、そのため忠男自身が疎遠にしていた兄弟を訪ねて、
 自らの世話を請うて孫娘の春を連れ旅に出る。

 今まで自らが兄弟にしてきたのと同様のしっぺ返しを受けるのだが、素直に頭を下げることができない忠男は、
 そのたびの中で、少しずつ己のしてきたことに気付き、春との心の繋がりを深めていく。
 どんなに邪険にされても、祖父忠男を思う春は、どんなことがあっても忠男を捨てようとはしない。
 そんな二人の旅は、ある意味自分探しの旅でもある。

 暮らしの糧を求めて、疎遠になっていた兄弟を訪ねる忠男と春。
 そこに対峙してくる役者たちがこれまた凄い。 相手は何枚も上手の仲代達矢。
 まずは忠男の兄夫婦役に大滝秀治と菅井きん。 本物の兄弟ではないが、まるで昔の確執や
 仲の悪い老兄弟の 本心を抉るような会話がそこにある。
 次に、弟の内縁関係にあった妻役の田中裕子。 朴訥でありながらも、その弟の素性を浮かび上がらせる術が凄い。
 その隣人に小林 薫。 仲代との何気ない味気ない会話だけれど、隣人である間の時の流れは垣間見れた。
 そして、おそらく唯一この家族で忠男を可愛がってくれただろう姉役に淡島千景。
 春を含めて忠男の身辺を本気で心配している姿はやはり姉であり旅館の女将。
 相当仲が悪かった弟夫婦に柄本 明と美保 純。 どれだけ忠男に邪険にされていたかが容易に想像できるぐらい、
 迫真の柄本 明の演技だった。 もっとも怒るだけなら役柄としては簡単なのだろうが、
 そこに彼ならではの味付けがあるから素晴らしい。
 春を捨てた再婚した父に香川照之、その後妻に戸田菜穂。
 ここに来て、忠男から春へ矛先が変わりつつあるが、春と同様の環境にあった後妻の優しさや温かさには、
 とても同調できる二人ではなく、また新たな旅が始まる。

 結局のところ、人は一人では生きていけないものなれど、
 人として一人で生きていかなければならない選択を強いられるときもある。
 少なくても、忠男が生きているうちは、春は一人で生きていけないだろうけど。

 仲代達矢は昨秋に観た
引き出しの中のラブレターでも、素晴らしい演技だった。
 素晴らしいバイプレーヤーが年々失われていく中で、これからの邦画にはこういう役者が絶対不可欠だ。


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2 コメント

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忠男たち (michi)
2010-06-05 17:06:18
兄弟の会話や態度から、本物の兄弟のように見えましたね!
忠男と春の会話から、
私はまだ先だと思いながらも
自分の老後が不安になってきました。。。。
不安~ (cyaz)
2010-06-06 22:49:55
michiさん、コメントありがとうございますm(__)m

>兄弟の会話や態度から、本物の兄弟のように見えましたね!
そうですね~ さすがに役達者ばっかりで(笑)

>忠男と春の会話から、私はまだ先だと思いながらも自分の老後が不安になってきました。。。。
確かにそれはありますよね~
人生、何があるかわからないですからね(笑)

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