「漁港の肉子ちゃん」/西 加奈子(幻冬舎)
とある東北の漁港の焼肉店「うをがし」で働く肉子ちゃん( 本名は菊子)と、
その娘、キクリン(喜久子)との日々の暮らしぶりと情景。
そして、彼女たちの回りにいる人々との触れ合いと人情話。
表札は「見須子 菊子 喜久子」、姓が見須子(ミスジ)でキクコが二人(笑)
この理由は終盤で泣かせる話に繋がりますが・・・。
「肉子ちゃん」はその言葉から想像が容易いチビデブ体型(笑)
かつて男に貢いではだまされているが、根っから明るい性格の持ち主。
屈託がなく、大らかで、良い意味での図太さやたくましさを持っている。
キクリンは肉子チャンとは似ても似つかぬ美形で、やや大人びた感じ。
誰に対しても遠慮気味で思慮深く自己主張をしない娘。
この母・肉子チャンと娘・キクリンの日々の会話と行動がとても
ユニークで且つ温かく描かれている。
西 加奈子さんの本を読むのは初めてでしたが、
非常に読みやすく、この親娘の話に引き込まれてしまいました。
都会に住んでいた親娘が、田舎の漁港で決して裕福な暮らしではなく
むしろ貧乏でひっそりと暮らし始める。
一人娘のキクリンを女手ひとつで育てる肉子。
触れ合うのは「うをがし」の面々だけど、キクリンを交えて、
とにかく肉子の会話が楽しい。
電車の中で笑いを堪えるのが大変でした
キクリンはキクリンで女の子によくあるクラスメートたちの
仲間割れに巻き込まれたりしてしまう。
でも、肉子チャンとキクリンの生活風景はまるで漫才のよう(笑)
小さいけど美人で気遣いのできるキクリンと、ノー天気に明るい肉子チャン。
そんな二人を「うをがし」の仲間たちは家族のように接してくれる。
終盤、親娘として似ていないと思っていたけど、
多分肉子チャンの娘ではないと思っていたキクリンと、
そんなことはかけらもないと思っていた肉子チャンが、
ある肉子チャンの入院をキッカケに、キクリンの誕生とその後を、
話し合う機会が訪れた。
やっぱりキクリンは肉子チャンの産んだこではなくて、
肉子チャンの友人の子供だったことを。
その話を聞いてもキクリンは、物心ついたころから知っていたと言い、
肉子ちゃんも、そっか知ってたんだとあっけらかんに笑う。
初めて親と娘が本当の意味で親子になった瞬間だった。
なんか二人の素行や会話が笑えて、且つ、
それぞれのエピソードが心を温かくしてくれた。
二人のその後を読んでみたいと思った。
初・西さんが本作とはラッキーでしたね。
たまに外れの作品があるので。
どこまでも他人への思いやりを貫く肉子ちゃん、自然体なんですよね。
自分の母親としたら遠慮したい気もしますが、最高のキャラでした。
(^_^)
>初・西さんが本作とはラッキーでしたね。
そうみたいですね(笑)
>どこまでも他人への思いやりを貫く肉子ちゃん、自然体なんですよね。自分の母親としたら遠慮したい気もしますが、最高のキャラでした。
そうですね^^
なんか映画化しても面白そうな作品だと思いました。
ユーモアと優しが描かれていて、とても良い気持ちになりました。
キクリンの生い立ちと生活は、決して良いとは言えないのだけど、肉子ちゃんのお陰で薄暗くならない。
この母娘関係が、読んでいて羨ましくも思えてきました。
追記:キクリンの同級生の男の子三人組の苗字、気が付きました??
山
風
なんですよね☆(笑)
>ユーモアと優しが描かれていて、とても良い気持ちになりました。
そうでしたね^^
>キクリンの生い立ちと生活は、決して良いとは言えないのだけど、肉子ちゃんのお陰で薄暗くならない。
この母娘関係が、読んでいて羨ましくも思えてきました。
こんな関係もありですよね(笑)?
>追記:キクリンの同級生の男の子三人組の苗字、気が付きました?? 山 風なんですよね☆(笑)
おっと、それは気が付きませんでした(汗)