『７番房の奇跡』

 

□作品オフィシャルサイト　「７番房の奇跡」
□監督・脚本　イ・ファンギョン
□脚本　ユ・ヨンア、キム・ファンソン、キム・ヨンソク
□キャスト　リュ・スンリョン、パク・シネ、カル・ソウォン、チョン・ジニョン、オ・ダルス、
　　　　　　　パク・ウォンサン、キム・ジョンテ、チョン・マンシク、キム・ギチョン

■鑑賞日　２月９日（日）
■劇場　１０９ＣＩＮＥＭＡＳ川崎
■cyazの満足度　★★★★☆（５★満点、☆は０．５）

＜感想＞

　国民参加裁判で、弁護側の女性（パク・シネ）は、ある幼女暴行殺人事件の冤罪を
　晴らすために立ち上がる。　当時犯人とされ、死刑が確定したヨング（リュ・スンリョン）は、
　娘のイェスン（カル・ソウォン）と二人暮らし。　彼は可愛い娘のために黄色い
　セーラームーンのランドセルを買ってやろうとしていたが、そのランドセルは売れてしまう。

　知的障害者のヨングは警察上部の目論見で無実の罪を着せられ服役することになった。
　二人暮らしだった６歳になるまな娘・イェスンは突然一人に。　そして悲しみのどん底に
　突き落とされる。　だが、イェスンは現場検証のときに、父の姿を見つけてしまう。
　ただ　周りの大人からは、　“いい所（刑務所）”に行ったと諭されていた。
　最初は、刑務所でバカにされていたヨングも段々、刑務所内での生活に慣れ、周りとの
　コミュニケーションが取れ出した矢先に、同室のボスの身に危険が襲うと察知し、
　代わりに刺されてしまう。　命の恩人のヨングに礼として何か欲しいものはという問いに、
　娘に会いたいと。　ここから刑務所内にダンボールで梱包してイェスンを運んだり、
　慰問の聖歌隊に混ざってという策が講じられる。　一方で、火災現場から刑務所の
　課長（チョン・ジニョン）を助け出したヨングだが、その課長は少し前からヨングの罪に
　ついて疑問を持ち始め、さらには自ら調査を始める。
　イェスンの可愛さ・明るさと、ヨングの無実を信じる仲間やいつかは刑務所内の
　みんなが彼ら親娘に協力的になる。　だが結果的にヨングは死刑に。

　この映画の見どころは、娘イェスンが大人になり、既に亡くなった父の無実を
　晴らすために再審を求め、自らは弁護士となり、法廷で争うところだ。
　あんなに優しかった父の無実とその汚名を晴らすため、最後の最後まで戦う彼女の
　姿と、当時のいわゆる脱獄に尽力した人たちも傍聴席に居て一緒に戦うのだ。　
　もうひとつ伏線があるのだが、それを言ってしまうとつまらなくなるので割愛するが、
　今まだ２月だが、こんなに大泣きに泣いた映画は久しぶりだ。　我慢しようと思っても
　勝手に大粒の涙がどんどん出てきてしまう　周りも鼻を啜る音が激しかった。

　とにかく、娘のイェスンを演じるカル・ソウォンの演技の素晴らしいこと。
　そして父親役のヨングを演じるリュ・スンリョンの上手さにやられた。

　　この映画を観終わって、勝手ながら娘役を本田望結ちゃん、父親役を宅間孝行で
　　リメイクして欲しいと強く思った。　かみさんに言うか言うまいかと迷っていたが、
　　「刑務所の課長役、中山 仁に似てなかったぁ？」と言うと、「中山 仁以外は思い
　　浮かばなかった！」と（笑）
　
　　この映画、「上映劇場」が少ないかもしれませんが、是非観て欲しい作品です