□作品オフィシャルサイト 「インビクタス/負けざる者たち」
□監督 クリント・イーストウッド
□脚本 アンソニー・ペッカム
□原作 ジョン・カーリン
□キャスト モーガン・フリーマン、マット・デイモン、ザック・フュナティ、グラント・L・ロバーツ、
トニー・キゴロギ、スコット・イーストウッド、ラングレー・カークウッド、ボニー・ヘナ
■鑑賞日 2月7日(日)
■劇場 TOHOシネマズ川崎
■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)
<感想>
ラグビーのノーサイド。
戦い終わって、そこには敵も見方もない。
今までそれぞれに贔屓にして応援していた観客もひとつになれる。
それはラグビーの試合だけではなく、人間社会においても同じことだと言える。
それは人の肌の色の違いでもなく、或いは北と南の違いでもない。
そこには同じ時代を生きている同じ人類が存在する。
イーストウッドはおそらくこのマンデラの生き方と、南アのラグビーチームの力量以上の活躍を背景に、
その時代の息吹と人としての人が作った人種の壁を取り除き、分裂して国を一つにした、
小さな巨人への讃歌としたかったのではないだろうか。
この映画は、ネルソン・マンデラが約30年もの監獄生活から釈放され、その後、
南アフリカ史上初めての黒人大統領に就任すし、アパルトヘイトによる人種差別や経済格差を
当時の南アのラグビーチームの姿を通して(ある意味利用して)、抱えた問題を解決していく。
『グラン・トリノ』を最後に俳優から監督業に専念したイーストウッドの最新作。
彼のフィルターを通して見た世界はこういうものだったのか。
しかもマンデラを演じるのは名優モーガン・フリーマン。 マンデラに似ているといえば似ているが、この役を演ずるなら
誰もが彼しかいないと口を揃えて言うだろう(少しだけデンゼル・ワシントンも脳裏を過ぎったが)。
そして、南アのラグビーチームのキャプテン、フランソワを演じるマット・デイモンがまたいい味を出している。
この映画に派手さは必要ない。
少なくともこのマンデラとフランソワを中心に内容の濃いものになっていくのと、ラグビーというスポーツを通じての
臨場感と爽快感が映画全体のトーンを暗くさせず、水面下で蠢く政治的メッセージもなく、
興奮は尻上がりに増大し、いつしかあの巨大スタジアムの一員となって熱くなる。
さらりとフランソワが呟いた言葉。
「あれだけ長い間投獄されていながらも、それでも人を赦せる心」
そこにイーストウッドが語りたかった全てが集約されていると言っても過言ではない。
大統領を演じたモーガン・フリーマンは、実際マンデラ氏と親交があったようだ。
自身でマンデラの自伝映画の映画化を試みたそうだが、あまりに長くて映画の尺では描き切れないとのことで断念したそうな。
しかしその後、この映画の原作者と出会ってやっと実現に至ったそうだ。
それゆえにフリーマンはマンデラのアクセントや手の動き、癖、歩き方等々、またマンデラの演説テープや映像を見て工夫したそうな。
名優モーガン・フリーマン曰く、「パーフェクト」だったと。
そして何よりもこの映画を見事に仕上げることが出来たのはやはりイーストウッドとの仕事の質の高さだったと思う。
『ミリオンダラー・ベイビー』のあの感動はここにおいても現実に存在した。
『ミリオンダラー・ベイビー』ではボクシング、今作ではラグビー。
でも、イーストウッドにとってはそれは言葉は悪いが表現上の道具で実際には親子の絆、家族の絆、
そして大統領と国民の絆を描き出したかったに違いない。
『グラン・トリノ』の感動も覚めやらないままに、イーストウッドはさらに大きい感動を用意してくれていたのだ。
でも、やはりどこかに少しでいいから顔を出してくれないかなぁ
ってさんざん「スクールウォーズ」で叩きこまれた
はずの世代なのにすっかりそのことを失念しておりました。
まさに南アはノーサイドとなったのですものね。
まさに、これでマンデラ氏の人となりを表現していましたね。
素直に感動できる作品でした。
>そうですよね!ラグビーっつったらノーサイドってさんざん「スクールウォーズ」で叩きこまれたはずの世代なのにすっかりそのことを失念しておりました。
ふむ、「スクールウォーズ」世代なんですね、miyuさんは(笑)?
僕のラグビーというと・・・古すぎて言えまっせん(汗)?!
>まさに南アはノーサイドとなったのですものね。
そのとおりです!
あらゆる差別にノーサイドです^^
>「あれだけ長い間投獄されていながらも、それでも人を赦せる心」まさに、これでマンデラ氏の人となりを表現していましたね。
イコールそこがイーストウッドの訴えたいところだったのではないでしょうか?
イーストウッドの過去の監督作品を象徴していると思える部分です!
これはマンデラと言う人の心のもち方を私たち見るものが、改めて認識すべき映画だと思いました。
事実だからこそ、ストレートにてらいなく、まっすぐに描いた。
こういうことがさらっとできるのも、イーストウッドですね。
末の息子さんのスコット・リーブスさんが選手役で出ていましたね。
確か最後にゴールキックしてた人?でしたよね?(?_?)
違うかなぁ?(^_^;)
>無用な派手な展開もなければ、ものすごい劇的な要素も必要ない。これはマンデラと言う人の心のもち方を私たち見るものが、改めて認識すべき映画だと思いました。
仰る通りだと思います。
国を左右するほど大きくなくても、一人ひとりが赦す気持ちを持てば・・・。
>事実だからこそ、ストレートにてらいなく、まっすぐに描いた。こういうことがさらっとできるのも、イーストウッドですね。
そうそう、まさにイーストウッドです!
やはり監督としてもただ者ではない(笑)
>この映画にはイーストウッド監督は出ていないようですけど、末の息子さんのスコット・リーブスさんが選手役で出ていましたね。
カイル・イーストウッドも出演していたようですね^^
>確か最後にゴールキックしてた人?でしたよね?(?_?) 違うかなぁ?(^_^;)
へぇ~、そんないい役だったんですか@@
調べてみます(笑)
せめてカメオ出演くらいはしてほしいですね。
横レスですけど、監督の息子さんは決勝ゴールの方ですよー(^^)