いまだからこそ、できることがある。
■監督 滝田洋二郎
■原作 あさのあつこ(「バッテリー」角川文庫刊)
■脚本 森下 直
■キャスト 林 遣都、山田健太、鎗田晟裕、蓮佛美沙子、天海祐希、岸谷五朗、菅原文太、萩原聖人
□オフィシャルサイト 『バッテリー』
12歳にして、天才的なピッチングを見せる原田 巧(林 遣都)。 中学入学直前の春休みに、
母親の実家のある岡山県に引っ越して来た。 少年野球のスター選手だった彼は、ピッチャーとしての
才能に絶大な自信を持っているが、母親(天海祐希)がずっと病弱な弟・青波(鎗田晟裕)にかかりきり
だったためか、他人を寄せ付けない孤独さを漂わせていた。 そんな彼が、同級生の永倉 豪(山田健太)と出会う。
巧の天才的投球に惚れた豪の希望で、2人はバッテリーを組むことに。
入学した中学でさっそく野球部に入った2人は、順調に絆を深めていくが…。
おススメ度 ⇒★★★☆ (5★満点、☆は0.5)
cyazの満足度⇒★★★☆
あさのあつこの大ベストセラーの映画化。 といっても恥ずかしながら原作は読んでいない。
スポーツを主軸に据え、そこに育つ友情や親子愛、師弟愛。 この映画では野球を通じて、
少年たちの、そしてバッテリーを組む二人の成長を中心に物語は進んでいく。 特に目新しいものが
あるわけではないが、他の作品と一線を引けたのは、主人公たちの純粋で素朴な姿であろう。
古い映画で申し訳ないが『瀬戸内少年野球団』を観たときのような、懐かしい匂いが一緒だったような。
日本人監督の中でも、滝田洋二郎監督は僕の好きな監督だ。 『木村家の人々』以来、
ずっと観続けている監督さんだ。 特に『壬生義士伝』は監督の映画の中でも素晴らしい作品だと思う。
この映画に関して言えば、監督が打ったホームランは、原田 巧役を林 遣都に、永倉 豪役に山田健太を
選んだところだろう。 都会っ子で透明感ありありのやや翳のある巧と、田舎育ちの素朴で温かい豪、
まさにピッタシはまっている(原作のイメージと合致しているかどうかわからないが)。 3,000人の
オーディションの中から選ばれたそうだが、その時点でこの映画の成功(多分)の70%は決まったと思える。
同じようなスタンスの映画でも『タッチ』のように、既にアニメとして誰もの心の中に深く住みついたものを、
たとえ長澤まさみを起用しても簡単には感動の渦の中に巻き込むことは難しかった。
原作は読んでいないものの、その中で描かれるピュア感は損なわれずにこの映画の中で描かれているのだろう。
“バッテリー”、それは互いにないものを補い合い、更に飛躍できるように互いのモチベーションを高めていくもの。
それは人生における夫婦のようなもの。 劇中のセリフのなかにあった「野球は、気持ちを伝えるスポーツ」だと。
その比喩に、巧を中心に様々に広がる人間関係。 それはチームメイトであったり、家族であったり。
その中で野球を中心にまだ未完熟の少年たちがさわやかな汗と等身大の青春物語を繰り広げていく。
最後まで折り合いの付かなかった母親との関係も、病弱な弟を寡黙に力づけようとする巧の本当の気持ちが
わかったとき、初めて巧の応援に行く母親の姿が感動的だった。
また病弱な弟役の鎗田晟裕(難しい名前ですねぇ)も小さいとはいえいい味を出していた。 原作ではどうか
わからないのだが、蓮佛美沙子ちゃん演じる繭がもう少し巧の心に入り込んでいたら良かったかなぁ(例えば南ちゃんのように)
脇もしっかりとしていて良かった。 岸谷五朗は『タイヨウのうた』のときと同様にいいおやじさん役だったし、
菅原文太さんも燻し銀の演技で、こういった役回りには不可欠な役者さんとなった。
そういえば、原作者のあさのあつこさんも出演されていましたね(笑)
ただ萩原聖人は正直ミスキャストなような気もしたのだが・・・。
そして歪んだ先輩にヤキを入れられるシーンがなければ、派手なCGなどもなく(速球を投げるシーンぐらい)、
岡山の飾りのない自然風土のなかで、純粋で素朴なまだまだこれから磨けば光る原石のような少年たちの姿に、
心までいい汗をかける作品だった。
主題歌になっている熊木杏里の歌う「春の風」もこの映画にフィットしていましたねぇ~
ちなみに彼女、誕生日が僕と同じでした
言葉では届かないもの 君は届けてくれた
あきらめる理由を人は 語りたがるものだから
夢を箱にしまいこんだ 鍵はきっと今でも
もう一度開けられる日を 待ち続けているはずだから
(詞:熊木杏里「春の風」より)
しみじみ
キャスティングが気になるところですが、cyazさんが合格点を出しているので期待できますね!
萩原さんは何の役だったのでしょうか?だいたいあの方自体、好きではないけれど(ボソッ)
ちょっと古い記事ですがTBさせていただきました。
観に行ったら又報告に来ま~す!
>夏休みに息子と奪い合いながら(原作を)読んでいました。3月ロードショーなんてまだまだ先の話だなぁ~と思っていたのに…月日が経つのは早いもんだわ~しみじみ
そうでしたか^^ 是非お子さん連れで観て来て下さいね!
>萩原さんは何の役だったのでしょうか?だいたいあの方自体、好きではないけれど(ボソッ)
新田東中の野球部監督です^^
>観に行ったら又報告に来ま~す!
は~い、感想お待ちしています^^
おとむらい?
ぎえーーーーーーー!
全然ちがうやんか!監督何考えてんの?
ミスキャスト!ミスキャスト!
萩原さんってば、冬ソナのヨン様の吹き替えだけでも「勘弁してよ~」だったのに、またぁ~?
プリプリ
二人のほぼド素人の新人くんたちの素直な演技にKOされましたね。
二人とも演技は初めてだって、これからの活躍が楽しみですね。
実物の彼ら、息子に欲しいくらいふたりとも(青波もいれて3人)かわいかったですよー。
バッテリィーのスコアーブック買いました。
それによると
作者のあさのあつこさんは萩原さんの戸村役を見たとたんに
「オトムライだ~!」って叫んだというぐらい
ぴったりのイメージだったそうです。
撮影のとき萩原さんの周りにはいつも子供たちが集まってて本当の先生かお兄さんのような感じで子供たちも楽しそうだったらしいです。
映画ぜひ見てください。懐かしくあたたかくとてもさわやかな良作です。
>おとむらい?
そうですね(笑)
>萩原さんってば、冬ソナのヨン様の吹き替えだけでも「勘弁してよ~」だったのに、またぁ~?プリプリ
そっちのイメージ大じゃないんですか、kana2さん(笑)?
>二人のほぼド素人の新人くんたちの素直な演技にKOされましたね。
本当ですね^^
>二人とも演技は初めてだって、これからの活躍が楽しみですね。
インタビューを受ける二人の姿は本当に素直ないい少年でした!
>実物の彼ら、息子に欲しいくらいふたりとも(青波もいれて3人)かわいかったですよー。
そうですね^^ じゃあ僕は娘に蓮佛美沙子ちゃんがいいなぁ~♪
>作者のあさのあつこさんは萩原さんの戸村役を見たとたんに「オトムライだ~!」って叫んだというぐらいぴったりのイメージだったそうです。
なるほどあさのさんのイメージには合っていたわけですね^^
>映画ぜひ見てください。懐かしくあたたかくとてもさわやかな良作です。
えっとこのレビューは映画を観て書いたものです。 次からはよく読んでからコメントしてくださいね^^
実にピュアでしたねー。
私は天海さんが、「なんで?」と思っていたのだけど、最後の最後で納得でした。
原作は読んでいないのだけど、何となくエピソードは足りなさそう。それでも十分に何かが伝わってきたし、良い作品でしたね。
>私は天海さんが、「なんで?」と思っていたのだけど、最後の最後で納得でした。
岸谷さんからこの子は?と思う分、天海さんならあのスベスベ感が納得できるものでした(笑)
>原作は読んでいないのだけど、何となくエピソードは足りなさそう。それでも十分に何かが伝わってきたし、良い作品でしたね。
僕も未読ですが、やはり原作は読んでみたいですね^^