
□作品オフィシャルサイト 「ジャージの二人」
□監督・脚本 中村義洋
□原作 長嶋有
□キャスト 堺雅人、鮎川誠、水野美紀、田中あさみ、ダンカン、大楠道代
■鑑賞日 7月19日(土)
■劇場 角川シネマ新宿
■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)
<感想>
ひさしぶりに、「ゆる~い」映画を観た。
でもそれは決して悪い意味ではなく、都会の喧騒を離れて、何もしない楽しみを擬似体感できるような映画だった。
しかも一時代、自宅に帰って寛ぐときは必ずジャージだった時期が誰しもあるのではないか(女性はないかも) その、ジャージは長嶋有の原作「ジャージの二人」というタイトルにもなっている。
主人公も何か不思議な親子の“間”。 バツ2でグラビアカメラマンの父(鮎川誠)と仕事を辞めたばかりの息子(堺雅人)が私生活ではそれなりに問題(息子は妻の不倫、父は離婚の危機)を抱えいて、だけど今は亡きおばあさんが残した山荘で不思議なゆるゆるスローライフ(笑)
避暑地での生活は、それまでの都会的なツールは殆どなく、必須アイテムの携帯電話ですら、ある場所を除いてアンテナが立たない無用の長物。 そんな中で不思議なジャージ姿で夏休みをそれなりに謳歌する親子がいる。 途中で「ジャージの三人」になったり、「ジャージの一人」になったりもするが。
この映画の主人公となる父親役の鮎川誠。 若いはお分かりではないだろうがロックバンドのシーナ&ロケッツでお馴染みだろう。 時折、CMなどでお目にかかっている方も。 風貌もそうなのだが、ロッカーで福岡弁のその語り口が独特で、この父親役はいかにもと言う感じで、これは彼をキャスティングしたところがまずユニークだが的を得ている。 脳裏に「岸部一徳でいっとく」なんてことも思い浮かんだが(笑) なんだか鮎川誠の抑揚のないしゃべり方が妙に味があって、それが要所要所で笑いを誘発する
設定では父54歳、息子32歳。 実際のところは鮎川誠60歳、堺雅人34歳。 まあまあ合わないことはなかったなぁ(笑)
一方の主役、息子役堺雅人は、現在上映中の『アフタースクール』、『クライマーズ・ハイ』、そして今作と精力的に映画に取り組んでいる。 そしてその役柄も一つの色にとどまらず、ややカメレオン的役者の片鱗を見せ始めている。 彼の語り口もソフトで人なつっこい感じは好感をもたせる。
この地にずっと住んでいる遠山さん(大楠道代)は、その二人を見て親子なのに親子見えないと言う。 この人も不思議な存在なのだが、父は魔女と呼んでいるわ。 ちなみに原作では70歳の設定らしい。 変化のない山荘での生活の中で父親の楽しみ麻雀ゲーム。 しかも今はレアな任天堂のスーパーファミコン。 そしてTVニュースでの楽しみは天気予報。 東京の気温が30℃を超えていることを聞くたびに、二人で小さなガッツポーズ(笑)。
なかでも買出しに出たスーパーで安売りしていたトマト。 結構大量に買い込んで帰ったが、昔の知り合いからお土産にとトマト、近所からトマトと、そして遠山さんからもトマト。 一体どうするのだろうか(笑)
ここに夏休みに入った娘(田中あさみ)も加わって普通にゆるゆる会話で小笑いを連発させる。 犬の散歩に出るが帰れないくなったりして。 結局父の車に拾われる。 義理の兄妹なのにやはりなんだか変な雰囲気。
特に面白かったのは父親にビデオデッキはあると聞いていて、山荘にいる間は映画三昧に興じようとしていたが何とビデオデッキがない。 近所のTSUTAYAには車で1時間以上かかる。 ビデオデッキは遠山さんに借りれることになったが、そこでの会話がまた面白い。
「もしかしてベータじゃ」(爆) (このセリフは映画だけで原作にはなかったですが)
山荘の近くの高台の一箇所でしか、携帯のアンテナが唯一3本立つところがないが、そこが皮肉にも彼らが都会と、或いは友だちや家族と繋がる場所でもあるのかもしれない。
『アフタースクール』、『クライマーズ・ハイ』、そして『ジャージの二人』と最近映画公開が続く堺さんだが、たまたまインタビューで話していたのは、この三作は昨年夏場に撮影が集中していたそうで、この『ジャージの二人』についてはおよそ一年後に昨年の夏過ごした北軽井沢のアルバムを開いているような感覚だと話していた。
中村監督曰く、「特に大きな事件が起こるわけでもなく、ドラマチックな展開もない。 そんな映画がたまにあってもいいでしょう?」とのこと。 そして「あえて計算する必要がない作品を撮ろうと。脚本を書く際に、こう決めたんです。 もちろん映画としては挑戦的であり、実験的でしたが…」と。 「私的な作品を撮らせてもらいました。 だから男性に見てほしいですね」 とも。
※父と子のたわいない会話
○薪を切る・・・。
父:「50センチぐらいに」
息子:「50センチね」
父:「50センチぐらい」
「50センチちょうどずつに切っていくと、絶対に失敗するから」
息子:「なんで」
・・・・・・・・
父:「最初から40~60センチぐらいのつもりで。気持ちに幅を」
○山荘に誰か呼ぼう・・・。 せば、いいところと悪いところを書き出そう。
悪いところ
1.虫が出る。
2.布団がじめっとしている(せんべい布団)。
3.トイレはくみとり式。
4.五右衛門風呂。
5.携帯が繋がらない。
6.鼠が出る(原作では)。
いいところ
1.涼しい。
2.ジャージ貸します(原作では)。
3.五右衛門風呂でレトロ気分満喫(原作では)。
父が使う「なんかこう~・・・。」
父:「なんかこう、甘いものが」
息子:「アルフォート、まだあるよ」
父:「あれもいいけど、こう」
息子:「餡のものだな」
父:「いや、チョコでいいけど」
息子:「コアラのマーチ的なものだ」
父:「それってどんなのだっけ」
息子「コアラ状のビスケットにチョコが入っている」
父:「そういうんじゃなくて、もっとこう、パフパフとした」
息子:「じゃあ、ジャイアントカプリコ的な」
父:「ジャイアント・・・・・どんなのだっけ」
息子:「ソフトクリームのコーンみたいなのの上に空気を練りこんだような
チョコ状のものが」
父:「それでいいや」
で、入場の際にもらったのがこれ(笑)
父は最後まで考えていた・・・。
“和小” わしょう おしょう わっしょう なごみしょう 化膿症
「かのうしょう」
「“和(かのう)”って地名があるのよ」と遠山さんが・・・。(原作より)
ちょうど原作を読み終えたところです。 この映画は観てから原作を読んだほうが僕的には良かったですよ~
見たくてもなかなか見に行けないのが悲しいところ(泣)
今度の金曜は映画の日で千円になるから、有休とって見に行こうかな……東京観光を兼ねて(爆)
>これ、東京の3館(しかも1館はレイトショー)でしかやってないんですよね、確か。
そうですね^^ 初日に新宿まで行きましたが、8/2からはいつも観ている川崎のチネチッタでも上映するようです(笑) もう一回観るかな^^
>見たくてもなかなか見に行けないのが悲しいところ(泣) 今度の金曜は映画の日で千円になるから、有休とって見に行こうかな……東京観光を兼ねて(爆)
sachi-junkaさんってどちらなんでしたっけ?
僕は30日に有給を取ったので、映画三昧しようかなと(笑) 30日ならお付き合いしますよ(笑)?!
なので、関東圏には日帰りで行けます。
思い立ったらすぐ出掛けてしまうタイプなので、関東にはちょくちょく行ってます。
(先日も生右京さん見にラゾーナ行っちゃいましたしね♪)
機会があればcyazさんと映画ご一緒したいですが、やはり映画の日千円に惹かれるし、奥さんの目線も気になるので(笑)今回は1日に休み取って見に行こうかな(爆)
本当にちょっとした会話が面白い映画でしたね。
その中でもやっぱり堺雅人の巧さは格段に光っていました。
詳細に、おいしいところなどもご紹介くださって、
とても楽しく拝読させていただきました。
堺雅人りん♪、大活躍ですが、
その演技の素晴らしさを、いろいろな作品で
この夏は堪能することができ、
うれしい限りです。
そういえばこの映画、ジャージを着て見に行くと特典があるとか・・・
ジャージを着て新宿あたりに行こうかしら?
>ワタクシは富士山の見える県在住です☆なので、関東圏には日帰りで行けます。
なるほど^^ いいなぁ富士山
>思い立ったらすぐ出掛けてしまうタイプなので、関東にはちょくちょく行ってます。(先日も生右京さん見にラゾーナ行っちゃいましたしね♪)
なかなか行動派ですね^^
>機会があればcyazさんと映画ご一緒したいですが、やはり映画の日千円に惹かれるし、奥さんの目線も気になるので(笑)今回は1日に休み取って見に行こうかな(爆)
川崎においでの節はぜひ^^
映画とビールで歓迎いたしますので!
>本当にちょっとした会話が面白い映画でしたね。 その中でもやっぱり堺雅人の巧さは格段に光っていました。
原作を読み終えたところで再度観たくなりました^^ 近所でも公開するのでぜひ(笑)
>詳細に、おいしいところなどもご紹介くださって、
とても楽しく拝読させていただきました。
いえいえ、どういたしまして^^
>堺雅人りん♪、大活躍ですが、その演技の素晴らしさを、いろいろな作品でこの夏は堪能することができ、うれしい限りです。
ほんと目白押しで出演されていて、頑張られていますね~
>私の好きそうな内容だなあ、とちょっと前に思って調べたらウチの近所ではやらないんですね、この映画。
公開館がまだ少ないですね><
ぜひ多くのシネコンでやってほしい作品です!
>そういえばこの映画、ジャージを着て見に行くと特典があるとか・・・ ジャージを着て新宿あたりに行こうかしら?
この季節に危ない人でつかまりまっせ(笑)